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石原裕次郎、「黒部の太陽」など5作品を初DVD化!渡哲也、裕次郎さんを泣かせた逸話とは

石原裕次郎、「黒部の太陽」など5作品を初DVD化!渡哲也、裕次郎さんを泣かせた逸話とは
“貯金全額”のエピソードに恐縮気味の渡哲也

 俳優・渡哲也(71)と故・石原裕次郎さん(享年52)の妻で株式会社石原プロモーション代表取締役会長・石原まき子氏(79)が17日、都内で行われたDVD/ブルーレイ『裕次郎 夢の箱-ドリームボックス-』(ポニーキャニオン)発表会に出席した。

 石原プロモーション設立50周年を記念して、これまでDVD化されていなかった『黒部の太陽』『栄光の5000キロ』『富士山頂』『ある兵士の賭け』『甦る大地』の5作品を初のDVD化。しかも、当時のカメラマン音声スタッフの監修のもと、当時の色や音を再現したデジタルリマスター処理を施してよみがえった。

 これまで『黒部の太陽』をDVD化しなかった理由は、裕次郎さんが、「再上映をするときは大きなスクリーンで見て貰いたい」という意向があったからだそうだが、今回、何故、DVD化することになったのか。

 まき子氏は、「昨年、東日本大震災のチャリティーで全国を周ったときに、『昔の映画をもう一度見たい』と、大変に裕次郎ファンの要望が多かった。劇場に行かないで、手短に観られるということで、創立50周年を迎えた時に記念になるものとして、DVD化するということを思い切りました」と、経緯を説明。

石原裕次郎、「黒部の太陽」など5作品を初DVD化!渡哲也、裕次郎さんを泣かせた逸話とは

 さらに、「同時代の方はお年をめして私と同じ年齢で、ほとんどご覧になっていらっしゃる。でも、お若い方は遠のいていた。お父さん、お母さん、おじいさんからの伝説的な話をしてもらっているけど、『石原裕次郎ってどういう人』という意見もたくさんあった」と、石原裕次郎を知らない世代が増えたこともあった。

石原裕次郎、「黒部の太陽」など5作品を初DVD化!渡哲也、裕次郎さんを泣かせた逸話とは
「裕さんはわかってくれると思います」

 それでも石原裕次郎の遺志に反するのではないかとの問いには、「裕次郎の時代は大きなテレビがなかった。時世の流れで、大型スクリーンで見て貰いたいという時代とはだいぶ違ってきている。裕さんが亡くなりまして4分の1世紀。裕さんに会っても怒られないかな。時世に合わせて、みなさんのご要望に応えるので、『よくおまえよくやったな』と、褒めてくれるのではないか」と、亡き夫へ思いをはせた。

 今回DVD化された作品でのエピソードとして、渡は、「『富士山頂』では、富士山頂へヘリコプターで観測用のレーダーを設置するパイロットの役柄を演じました。スタッフ、俳優が高山病で倒れていく中、裕次郎さんだけがお酒を飲んでいた。(共演した)勝新太郎さんは、撮影3日前に、裕次郎さんと酒盛りしていたが、撮影に入ってからはピタリとやめた。さすがの勝さんも高山病にかかっていた」と、笑わせた。

 また、『甦る大地』では、治水工事の事業に失敗する水戸藩浪士の役を演じた渡は、「抜刀したまま、全速力で駆け抜けるシーンがあるんですが、6台のカメラで撮っていた。5人は本当のカメラマンで1台は裕次郎さんが回してくれた。後にも先にも自慢の1つです」と、思い出話を語った。

 まき子氏は、『栄光の5000キロ』での出来事として、「アフリカロケだったんですが、スタッフ全員50~60名。ナイロビは現在では戦時中で不安な状況ですが、当時は、花は綺麗で、野生動物もたくさんいて、綺麗な場所でした。裕さんが、アフリカの花々を観光の本の間に全部挟んで現地から送ってくれた。平和で素敵な作品が撮れた。夫婦になって、何年かで酸いも辛いも分け合ってきたので、裕次郎という人は、『これで最後かもしれないから、まき子も来ないか』という連絡あった。でも、私は絶対、主人の現場に出ない主義でした。主婦ですので、日本の味をと、きんぴらごぼう、ひじきの炒めもの、芋の煮っころがしを3日ぐらいで大きな鍋で作って、次に行く方にたくしました。手が腱鞘炎になるぐらいでした」と、夫婦の絆を示す暖かいエピソードを語った。

石原裕次郎、「黒部の太陽」など5作品を初DVD化!渡哲也、裕次郎さんを泣かせた逸話とは
初のソフト化された5作品が入った「夢の箱」

 さらに、渡に関するエピソードを問われると、まき子氏は、「素晴らしいエピソードと悲しいエピソード2つあります。素晴らしいことは、渡さんがお入りになる前に、裕さんが帰ってきて、『お前なぁ、すごい新人が現れたぞ。なにしろ、今までにないタイプだし、素晴らしいから、ちょっと見に来ないか』と言いまして、私も渡さんに会いたくて、差し入れをするような形で、撮影所に、お弁当を持って参りました。撮影所の食堂から渡さんが出てきて、その時は晴れで、空の色と目の色が同じだったんですね。私は、下から見上げて、こんなに素晴らしい人が日活撮影所の俳優さんになるんだという感激」があったと、初めて会った時の印象を語る。

 そして、「悲しいエピソード」の方は、「それから何年か経って、石原プロが作品で順風満帆とは行かなくて、ブレーキが掛かる時期がございました時に、渡さんが・・・」というと、「これ、申し上げてよろしいんでしょうか?よろしいんでしょうか?貯金通帳のお話」と、何度も渡に確認を取る。その上で、「あるときに、突然、渡さんが会社に参りまして、『石原さん、180万円(当時)。これが自分の全財産です。これを役に立ててほしい』と、見えたそうなんです。そのお話を裕さんが、裕次郎が家に帰ってきて、涙ぐんで、『ありがたかったけれども、こんなにつらいところに渡を協力してもらうのはとても申し訳ないんだ』という話まで覚えてやります」と、語る。

 渡は、「裕次郎さんにはデビューした頃から何かとお世話になっておりました。裕次郎さんが映画製作を失敗されて困っていた時に、今まで、日活の人たちが『裕次郎さん、裕次郎さん』と言っていたのが、私はまだ、新人でしたが、『裕次郎さんのそばに行ってはイカン』と、会社から止められるようなこともありまして。止められても、日活をクビになってもという気持ちもありました。ただ、通帳を持って行くということは、裕次郎さん、怒るだろうと、そういう思い出、社員の方へのお茶代にしてくれればという気持ちで持っていったんですけど、裕次郎さんは『哲也、お前の気持ちはありがたく頂戴する。でも、これはいただく訳にはいかない』と、受け取ってくれませんでした。石原プロに入ったのは、裕次郎さんのことを憧れてもいましたし、尊敬もしておりました。裕次郎さんと一緒に映画製作に関わっていければ嬉しいなぁと。それだけで、石原プロに『入れて下さい』とお願いして、現在にいたっております」と、明かした。

 同DVDは、23100円(税込)、ブルーレイは27825円(税込)で3月20日発売予定

 

石原裕次郎、「黒部の太陽」など5作品を初DVD化!渡哲也、裕次郎さんを泣かせた逸話とは
ファンの要望に応えてソフト化を解禁した
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石原まき子氏


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渡哲也
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裕次郎さんとの思い出を語った渡


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裕次郎さんと一緒に映画が作りたいと石原プロ入り
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司会を務めた露木茂


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渡のエピソードを話す石原まき子氏
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