映画監督で俳優の北野武（65）が7日より関東・中部・近畿・中国エリアでオンエアされている株式会社ECCの新CMに出演している。
今回で6年目となるが、CMは空港を舞台に「新しいステージに挑戦することの大切さ」を飛行機の出発にかけて問いかけるという設定で『新しい自分』篇、『世界はひとつ』篇の2篇が放送される。
CMでは、北野が空港の展望台に立ち、離陸している飛行機を眺めているという設定で、合成でのもの。英語でのセリフを同社で働く講師と交互に繰り返し言い続け、1テイク中に10回以上の部分も。テイクを重ねるごとに増えていったそうで50回以上にもなり、北野は「だんだん口が回らなくなってきた…動けるうちに撮り終えよう」と軽快に言い出し、スタッフの笑いを誘っていたという。
終了後のインタビューで、北野は、英語というものについて「英語は共通語になっていると思うね。映画祭とか仕事で、ヨーロッパなんか行っても英語っていうのは大体基本的な言葉で、イタリア人も、フランス人も関係者は英語でしゃべってくれるし」と、必要性を振り返りつつ、北野は酔っ払うとなめらかにできるそうで「酔うといつまででもしゃべっているんだよ。それで、人に言われるんだよ『武さん、よくしゃべっていましたよ』って。でもあんまり記憶にない」と、笑いながらエピソードも。
このCMのために「今、日本に一番必要なもの」をテーマに書き初めも行ったが、まずは昨年の『STAND』というものはどうだったかを尋ねられると、「みんな倒れちゃったね」と笑い、「誰も立ち上がってなかった。座りすぎて足がしびれちゃったんじゃないかな」。
今年は『You bet！』としたためたが、「まぁ、お前はベッド…だっていう意味だね。彼女に言ったらぶん殴られるね、ふざけんなって」と、冗談を飛ばしつつ、「基本的には“まかしとけ！”とか“賭けてもいいよ”というような意味。だからそういう人が出ねぇかなって。『まかしとけ！俺がやってやる』みたいなさ。引っ張る力がある人が出てくれば良いんだろうよと思うよね」と、真面目な話も。
さらに、「夢は基本かなわなくても良い。努力すればいいだけの話。その中から“まかしとけ！”っていう人が出てくるけど、これがトンデモない奴だったりするじゃない。今の奴って、“まかしとけ！”って言うやつに限ってロクなもんじゃないよ、みんな。昔の日本のでしゃばり野郎みたいな奴いるじゃん。学級員とか生徒会の会長とかさ、選挙があると手を挙げる奴がいるじゃん。たいていバカじゃない。だからもうちょっとやれる人が手を挙げるべきなのに、大抵ダメな奴だよね」と、率直に意見し、「昨年は、政治がワーワーやっている時に野田総理が『You bet！』って言っただけ。解散しますって言っただけ。まかしとけって、ダメな方の“You bet！”だったよね。これはあれだな、霞が関とか官僚が言ってくりゃ良いんだけどね。厚生省の役人とか次官あたりが“まかしとけ”って。行政改革とかね。でも、今は『You bet！』と言った人が歴史に残る時代。逆にチャンスなのかもしれないね」と、展望を語るなどしている。
ECCの新CM『新しい自分』篇、『世界はひとつ』篇は関東・中部・近畿・中国エリアでオンエア！
