歌舞伎俳優・市川海老蔵(35)が2日、東京・浅草公会堂で行われた『新春浅草歌舞伎』初日鏡開きに歌舞伎俳優・片岡愛之助(40)、片岡孝太郎(44)、中村亀鶴(40)らとともに出席した。
新春恒例の浅草歌舞伎に、海老蔵が14年ぶりに登場。おなじみの愛之助、亀鶴に加え、孝太郎らによる華やかな顔ぶれで、本日2日から27日まで上演される。
早朝にもかかわらず、公会堂正面に集まった700人の一般の前に、前出の4人に加え片岡市蔵(54)、中村梅丸(16)、中村米吉(19)、坂東新悟(22)、尾上松也(27)、中村壱太郎(22)、中村種之助(19)、中村隼人(19)、上村吉弥(57)、市川右之助(65)、松竹株式会社専務取締役・安孫子正氏、台東区副区長・生沼正篤氏の総勢16人がスーツ姿で登場。「成田屋~!」と、海老蔵の屋号の声援が飛ぶ中、海老蔵は「私もお兄さんと同様、14年ぶりの浅草公会堂に出演させていただきまして、数々の初演を務めさせていただきます」と、孝太郎とともに久しぶりに『浅草新春歌舞伎』に帰ってきたことを喜ぶ。
さらに海老蔵は「寒い中、我々も一丸となってこのひと月、浅草公会堂を盛り上げて、また少しでも浅草のためになるように一生懸命精進、努力してまいります」と、意気込みを語った。
続いて、この日お年玉挨拶を行う愛之助は、屋号の「松嶋屋!」の声援が飛ぶ中、「引き続き、今年も出させていただくことになりました。私は3つとも初役でございまして、力いっぱい務めたいと思います」と挨拶。一般客を見渡し、「外の寒さに負けないよう熱い舞台を繰り広げたい。皆さま、お昼もご覧になられたら夜も見てください。夜もご覧になられたらお昼も見てください。早く切符を買わないとなくなりますよ」とあおり、笑わせた。
亀鶴が「平成ももう25年で、時の流れが凄く早いと感じます。皆さんもお忙しいでしょうし、時の流れは早く感じると思いますが、歌舞伎というところは時間がゆっくり流れます。ゆったりとした日本人独特の流れを皆さんもぜひご覧になっていただきたい」と呼びかけると、一般客も思わずウンウンとうなずく。
孝太郎は「16年ぶりに戻ってまいりました。12月の稽古のときに体調が悪かったんですけど、海老蔵さんと一緒に仕事をして、この目でにらまれると元気になりました。成田屋さんのにらみというのは、本当に無病息災になると思いますので、ぜひ見に来ていただいて、ステキな1年にしてください」と、海老蔵が2日から4日の3日間限定で披露する予定の“にらみ”をネタに。
また、若手の米吉が「去年もこのように鏡開きでご挨拶させていただきましたが、母から『とても挨拶がつまらない』と怒られてしまい、去年1年中考えましたが、何も浮かびません」とぶっちゃけると、会場が笑いに包まれた。
そして、海老蔵が「ケガしないようにね」と声を掛け、明るい雰囲気のまま鏡開きへ。その後出席者は、一般客に振る舞い酒を行った。
鏡開きを終えた海老蔵は、出演準備のため公会堂の中へ入る際、肺炎の兆候が見られるため、新橋演舞場で行われる『壽初春大歌舞伎』を休演した父・団十郎(66)の病状について聞かれ、「まあまあまあ」と報道陣をかわすように返答。さらに「どんな調子ですか?」と質問されると、「入院中です」と答えた。