今月5日に57歳で亡くなった歌舞伎俳優の中村勘三郎さんの葬儀・告別式が11日、東京・文京区の自宅で行われた。
勘三郎さんの棺は1階のリビングに置かれ、代表的な演目『船弁慶』で演じた静御前の舞台衣装が掛けられた。遺影は09年に長男の中村勘九郎と女優の前田愛との結婚式に際に撮影されたもので、タキシード姿の勘三郎が明るく笑いかけていた。
遺影の前には好江夫人との仲睦まじい写真や、楽屋でミッキーマウスとのツーショット写真が置かれ、ひつぎの覗き窓には天使の人形が置かれていた。祭壇は白い花で飾られ、お酒が好きだった勘三郎さんらしく赤ワインが供えられた。関係者によると来春の開場を待ち望んでいた新しい歌舞伎座の完成予想図や舞台設営に使われた板もひつぎの中に入れられた。
戒名は「演暢院釋明鏡大居士(えんちょういんしゃくみょうきょうだいこじ)」。人の心を映し、演劇に通じ多くの人に広めたという意味が込められているという。近親者のみの密葬だったが、松本幸四郎(70)、中村吉右衛門(68)、中村獅童(40)、歌手の椎名林檎(34)、脚本家で映画監督の宮藤官九郎(42)、水谷八重子(73)、大地真央(56)、富司純子(67)・寺島しのぶ(39)親子、大竹しのぶ(55)・IMALU(23)親子、ラサール石井(57)、野球解説者の江川卓(57)、元首相の海部俊樹さん(81)ら約500名の弔問客が訪れた。
本葬は今月27日正午から東京都中央区築地の築地本願寺で営まれる喪主は長男の中村勘九郎(31)、次男の七之助(29)。午後2時から一般焼香を受け付ける。