『「宇宙戦艦ヤマト2199」ヤマト音楽団大式典2012』が10日、千葉・舞浜アンフィシアターで開かれ作曲家・宮川彬良氏、歌手・ささきいさお、結城アイラ、美郷あきらが登場した。
今年4月より七章に渡る“航海”を38年ぶりにスタートさせ現在、第三章までが上映されている『宇宙戦艦ヤマト 2199』。今回はヤマトの音楽という面からの切り口でアーティストらと約120人の大編成となったウインドオーケストラにより、生でそのサウンドを楽しむとともに、その歴史も体感できるイベントとなった。
まずは、宮川氏が登場。38年前に父で作曲家の故・宮川泰氏が曲を手がけ、その背中を間近で見ていたことから、「ヤマトの音楽なら何でも知っていると思いました。空で言えるくらいだったので」と、振り返り、「でも、今回譜面に起こしてみて、あの世からレッスンを受けているような気分でテクニックとかを教えてもらっているような気がします」と、親子2代によるつながりを見せる。
第1部ではウインドオーケストラとともにヤマトサウンドを体感。宮川氏が指揮を取りつつ「ヤマトは吹奏楽と思っていらっしゃる方が多いのですが、根底はロックなんです!」と力説し、ウインドオーケストラを使って即席の解説教室が開かれ証明することに。さらに、音楽家の面から「ヤマトの音楽は半分以上がバリエーションです。テーマ曲の変奏曲を聴いているような気になるんです。父が果敢に挑んでいたんです。そのことを伝えたかった」と、本イベントへの思いをぶつけることとなった。
第2部の第四章『銀河辺境の攻防』第11話「いつか見た世界」先行上映では、声優・大塚明夫演じるガミラスのドメル将軍が登場。さらに、歌手・KOKIAが歌うED主題歌『記憶の光』が流されるなど見どころの多いものとなった。
その余韻を残したまま、第3部のささきいさおによる『宇宙戦艦ヤマト』歌唱となると、さらに場内は熱狂に包まれる。楽曲『宇宙戦艦ヤマト』について、「40年近く歌い続けているけど、緊張します。宮川(泰)先生や(作詞の)阿久悠先生が後ろから『ささき、しっかりやれよ!』と見ているような気がします」と、歌っている時の気持ちを振り返る。ほか、懐かしの『テレサよ永遠に』や『ヤマト!!新たなる旅立ち』などや、結城アイラ、美郷あきという歌姫による歌唱など、新旧ヤマトが歌でつながる空間が作り上げられた。
ラストは、ウインドオーケストラの演奏でアーティストと観客全員がスタンディングとなり『宇宙戦艦ヤマト』を合唱。歌い終えいつまでも鳴り止まない拍手に、宮川氏は「ありがとうございます。この拍手を父に送りましょう」と、呼びかけると、続けて「人の命は短いですが、音楽の命は長いということを目の当たりにしました」と、感動に震えているようだった。
登壇者全員が降壇した後も、拍手は鳴り止むことがなく、ヤマト・ファンには記憶に残る一夜となった。
■セットリスト
●第1部/ヤマトサウンドの世界
No.1 オーバーチェア
No.2 組曲『宇宙戦艦ヤマト』Ⅰ.序曲 Ⅱ.宇宙戦艦ヤマト Ⅲ.出撃 Ⅳ.大いなる愛
No.3 探索艇
No.4 無限に広がる大宇宙
No.5 艦隊集結
No.6 地球を飛び立つヤマト
No.7 コスモタイガー(Wan・Dah・Bah)
No.8 ガミラス国家「永遠に讃えよ我が光」
No.9 銀河航路
No.10 ヤマト渦中へ
No.11 大河ヤマトのテーマ
●第2部/第11話「いつか見た世界」先行上映
●第3部/主題歌による『宇宙戦艦ヤマト』の世界
No.12 宇宙戦艦ヤマト
No.13 テレサよ永遠に
No.14 ヤマト!!新たなる旅立ち
No.15 ヤマトよ永遠に
No.16 ラブ・シュープリーム~至上の愛~
No.17 星が永遠を照らしてる
No.18 美しい地球を知る者よ
No.19 真赤なスカーフ
No.20 宇宙戦艦ヤマト