歌手デビュー40周年を迎えた麻丘めぐみ(57)が14日、東京・大井競馬場で行われた『第45回ハイセイコー記念』に、「ハイセイコー号デビュー40周年記念」企画に登場。40年前、ともに“国民のアイドル”として希望と夢を一身に背負った当時の思い出を語るとともに、50万枚の大ヒットとなった名曲『私の彼は左きき』を歌い、レースの表彰式プレゼンターも務めた。
また、ハイセイコーと名コンビを組んだ元騎手・増沢末夫さん(75)も登場。当時、50万枚を超える大ヒットとなった『さらばハイセイコー』を歌うなど、青春時代の象徴の2人の登場と、懐かしの歌声に、集まった往年のオジサン競馬ファンたちも、昔を思い出しながら手拍子と歓声を送って喜んだ。
「競馬をギャンブルからレジャーに変え、女性ファンが増えた」という第一次競馬ブームを作ったハイセイコーは、1972年に地方競馬の「大井競馬」でデビューすると6連勝と圧倒的な強さで73年に中央競馬へ。そこでも『弥生賞』『スプリングS』『皐月賞』『NHK杯』と4連勝。人気は競馬ファンの枠を超え、競馬雑誌やスポーツ新聞以外のメディアでも盛んに取り扱われるようになった。
当時の首相は高等教育を受けていない学歴で首相にまで上り詰めた「今太閤」とも呼ばれた田中角栄だった。両者とも、「反エリート」「地方出身者の出世物語」の象徴として、世間の共感を呼ぶとともに、活力と勇気を与える存在だった。
一方の麻丘は、1972年に歌手デビューし、長い独特のカットの黒髪(の「姫カット」がブームになった)、チャーミングな容貌と優しい歌声で南沙織、天地真理とともに活躍し、「アイドル歌手」というジャンルの礎を築いた。1973年、『わたしの彼は左きき』が50万枚の大ヒット。
いわば、ハイセイコーと麻丘は“72年デビュー”の同期生で、「あの時代を一緒に戦ったハイセイコーへ思いを込めて歌います」と、大ヒット曲『私の彼は左きき』を、当時と変わらぬ歌声とフリを披露した。
麻丘は、「ハイセイコーと一緒だと思うと感無量です。40年前というのは日本が高度成長の良い時期でした。歌番組も毎日あり、レコードも売れていました。『わたしの彼は左きき』がヒットすると、左ききの男性達が喜んでくれました。当時は親から左ききはダメと言われて直されていた時代でした」と、時代を感じさせるエピソードを披露して、昔を懐かしんだ。
歌い終えた麻丘は、「みなさんお馬ちゃんを応援しに来ているので」と、最初は不安だったそうだが、「来てらっしゃる方々が同世代。同級生の前で歌っている感がありました。世代間一緒だと嬉しい」と、ホッとした笑顔を見せた。
麻丘は、「アイドルと言われたハイセイコー。私も歌手として、期待されればされるほど、期待に答えなきゃというプレッシャーはお互いにあったんでしょうね。いまでもたまにディナーショーやらせていただくけど、期待されるので緊張します」と、ハイセイコーと元騎手の増沢さんの気持ちをおもんばかった。
また、再婚した女優・熊谷真実(52)とは、一時期事務所も一緒で、いまでも仲がいいそうで、「この前、2人で山に一緒に登ったんですけど、その時、彼のことは…。言いたかったんでしょうけどね」と、事前報告はなかったそうだが、「そう言われるとテンション高かったなぁと思う」と、明るくてはしゃぎ気味だったそうだ。
10月に大島さと子(53)が結婚し、5月に大場久美子(52)が再婚と、友だちが結婚が続いており、「そのたびにメールとお花を送っています。苦労した人ほど幸せになってほしい。女性としても諦めないで欲しいと思っているので、嬉しいですね」と、“アラフィフ”の友だちにエールを送った。