俳優・高良健吾(24)が27日、都内で行われた映画『横道世之介』(監督:沖田修一/配給:ショウゲート)東京国際映画祭舞台挨拶に沖田監督とともに出席した。
来年2月の全国公開を前に、第25回東京国際映画祭の特別招待作品として、上映。2010年本屋大賞3位、第23回柴田錬三郎賞を受賞した吉田修一の同名小説を原作に、長崎出身で、大学進学のために上京してきた横道世之介(高良)とガールフレンドの与謝野祥子(吉高由里子)らを中心に青春群像劇が展開される。
主演の高良は、帽子を被り、眼鏡を掛けたスタイルで登場し、「きょうはとてもいい日です。初めて『横道世之介』が一般の人に観ていただける場です。楽しんでいってください」と挨拶。
沖田監督は、「原作を読んだら凄く軽やかで、この人たちが動いているのを実際に見たいという思いに駆られて、挑戦しました」と、実写化の動機を語った。
沖田監督の作品に出演するのは4回目という高良だが、役作りについて、「逆にあまり意識しなかった。横道世之介という役が、狙っていやらしく見えたら嫌だなというか。世之介が普通に素直に反応しているのがいいはずだから。だから、意識したのは狙わないことですかね」と、逆説的に説明。
これを受け、沖田監督は「高良君には何度も出てもらっていて、いつか主演でと考えていた。今回思う存分やったというところがあって。でも、お互い肩の力が入らず、そのままの感じでやれたのが気持ちよかった」と、念願が叶ったことを告白した。
同作には吉高由里子(24)も出演しており、『蛇にピアス』でも共演している高良は、「『蛇にピアス』のときは『なんか暗かったよな~』って話しました。今回は明るくやれた。いまのほうが現場で話しますね」というエピソードを明かす。
吉高の印象について、沖田監督は「爆発力があるというか(笑)。こっちが用意して現場に行くと、それに応えてくれる女優さん。『すげえな~』ってつぶやいてました(笑)」、高良は「予期せぬことが起こるから楽しいですよね。吉高さんじゃないとできないテンションとか、間とかそういうことだと思う」とそれぞれコメントし、会場を沸かせた。
世之介が上京したのは1987年という時代設定だが、高良は「時代のことはあまり意識しないで、共演者みんなとぜいたくにやれたから現場が楽しかったですね」と、池松壮亮(22)、伊藤歩(32)、綾野剛(30)ら共演者たちに感謝。
最後に「現場ってつらいイメージがあったけど、沖田組って自分が生き生きしていられる場所。『横道世之介』というステキな原作で、このタイミングで主演でやらせてもらったことは、凄くでかかったと思います」とメッセージを送り、同作をPRした。