俳優・石黒英雄(23)が27日、都内で行われた劇場版『不毛会議』(監督・脚本:なるせゆうせい/配給:CLIE)の制作発表イベントが行われ、男性4人組グループ『RUN&GUN』の宮下雄也(27)、俳優・浜尾京介(21)、渡辺大輔(29)、女優・浅見れいな(29)、俳優・柄本時生(23)、玉城裕規(26)、なるせ監督らと登壇した。
若手実力派俳優の出演陣8名のうち、7人が俳優ということで、会場には、300人のそれぞれの女性ファンが駆けつけた。
同作は、舞台と映画の異なった表現方法で、楽しんでいただこうという“ムビステ”の第一弾。某国の、某戦争中の、某場所にて行われた、小さな小さな物語。行き詰まりを見せる戦況の中、中将が突然、てるてる坊主を隊員に託し、姿をくらます。残された6人は、極秘に特別部隊を結成する。
彼ら6人の結束は完璧で、彼らの考案した戦略は完璧だった。ただひとつの問題を除けば…。ひょんなきっかけから完璧だったはずの彼らの結束に亀裂が入り、物語は想像もつかぬカタルシスへと転がっていく…。
それぞれが、時代を担う若手スターということもあり、昼間は別な仕事をそれぞれ抱え、普段なら寝ている夜の時間に撮影が行われたという過酷なスケジュール。それだけに、映画さながらに結束力もあり、ハイテンションで撮影が行われた。
石黒は、同時期にNHK大河ドラマ『平清盛』の撮影にも参加しており、「大河(ドラマ)で頭領役での長いシーンがあって、何が何だか途中からわからなくなった」と、大変な撮影だったようだが、「とてもテンポの良い作品になっております。飽きずに最後まで見れるんじゃないかと思っております」と、静かに語る。
宮下は、「撮影入る前にリハーサルで2日間、一緒にみんなで稽古して。それで結束感が生まれて、撮影に入れたのが、人見知りの僕としては嬉しい」と言う。
昔、番組のオーディションで「行くぜ!」っていって、ジャンプした瞬間に、空中で座禅組んで、そのまま下に落ちるという“特技”を披露したことがあるそうで、初対面の石黒から、「空中座禅しろって言われたときはどうしようかと…そんな話題を振っていただいたりとか。同世代なのもあって、結束して現場に挑めた」と、感謝した。
浜尾は、「戦争をテーマにした作品は初めて。戦争や軍について勉強したけど、初めてなことだらけなので、経験になりました」と、しみじみ。
渡辺は、「ハデなシーンはないんですけど、おのおのが際立って見えて、こういうシチュエーションがあったんではないかということをリアルに再現しているので、どの視点でも楽しめるんじゃないか。ここで聞いたことを、“し”ろめて下さい」と、最後は笑わせた。
浅見は、「唯一の女性で、芯の強い女性というか、そのへんを観ていただければと思います」と、艶やかな着物姿で、しっとりと語った。
柄本は、「いつもよりすごい猫背で…」と、突っ込まれ、「こういうとこはちょっと苦手で…」と、おどおどした感じのまま、「昔の言葉も出てくるんですけど、今の感じの言葉も出てきて、やっている側は楽しかった」と、朴訥に答える。
玉城は、「この時代に使わない言葉を使ったりしているので、勉強させてもらった。撮影が深夜だったので、眠さであったり、フワフワな感じであったりというのに負けず、みんなで頑張った。短い期間でワンシチュエーションをやって、すごい濃い時間の中で撮影したので素敵な作品になっていると思います」と、元気に答えた。
この日欠席したお笑いコンビ『スピードワゴン』井戸田潤(39)は映像出演し、「朝までの撮影が連日続きまして、演者の皆さんは、舞台の稽古や本番やってから来るという中、なんとかいい作品に仕上げようと頑張っていた」と、コメントを寄せた。
石黒は、井戸田の印象について、「楽しかったですね。でも話せない話が多くて。深夜なので変なテンションになっているんですよ。みんな集まって、セリフ以外でリフレッシュしようとして、変なことするんですよ。僕のムチャぶりにも乗ってくれて…」と、曖昧に答えると、監督が、「深夜帯だから、だんだん変な空気になって、誰がMで誰がSかと…」と、その一端を暴露した。
撮影中のエピソードとして、浜尾が、「みんなでロケの最終日に岩風呂入りました」というと、渡辺が、「僕は別日に1人で入りました。みんなが頑張って撮影している時に早く(撮影が終わったので)入った」というと、玉城が、「(大輔さんは、)みんな撮影している時に風呂浴びて、すっごい気持ちよさそうな顔して寝ているんですよ。先輩なんですけど、すっごい腹立ちましたね」と、話を落とす。
石黒は、「僕、お風呂にも入ってなければ、その現場も見ていない。ずっと現場にいたので…」と、寂しそうにいう。紅一点の浅見は、当然、「一緒に入ってないです」と、変な想像を打ち消した。
また、浜尾はファンの間では雨男として知られているが、本当に台風が来て、1日潰れてしまい、スケジュールを合わせるのが他底辺だったそうだ。ちなみに、渡辺は晴れ男だが、そのときいなかったので台風が来た」と、キャスト陣がハシャギ、マジに受けた浜尾を見て、渡辺は、「マジに落ち込むなよぉー」と、フォローし、ファンも苦笑いしていた。
映画の監督と映画舞台の脚本を担当したなるせは、「戦争モノといっても予算的にもあれなんで…『男たちの大和/YAMATO』のような大それたモノではないです。それを逆手にとって、ワンシチュエーションにしました。今、生きてい若者たちが、戦争になった時にどうなっていくのかという青春群像劇」と、ウィットに飛んだ会話でアピールした。
同映画は2013年春上映予定
同舞台は2013年1月9日~15日にて、CBGKシブゲキ