プロ競泳選手でロンドン五輪競泳男子400メートルメドレーリレーの銀メダリスト、北島康介(29)が21日、都内にて開催された、水泳教室『アクエリアス 未来への夢はじめよう。』プロジェクトに出席した。
昨年に引き続き開催された同イベント、『アクエリアス』(日本コカ・コーラ)のTVCMに出演中の北島が“チャレンジすることの意義”“カラダを動かすことの純粋な楽しさ”そして、『僕にはできる。』という力強いメッセージを、全国から募集した小学生200名を対象に水泳教室を通じ、未来の夢に向かって一生懸命にがんばる子供たちに伝えるもの。
第1部のトークショーでは、『夢・目標を持つことの大切さ』をテーマに、北島は自らの小学生時代からの体験を参加者に話す。5才の時、友達に誘われて水泳を始めたという北島の憧れの選手は、林亨選手だったたそうで、水泳にのめり込むきっかけになったのこと。北島は、「まずは、高い目標を立てて。それから、ライバルに勝ちたいとか、自分の記録を超えたいとか、小さい目標でもいいので、きちんと目標を立て、それをクリアしていけば自分のやりたいことができるようになる。オリンピックも夢じゃないと思う」と、熱弁を。
また、「(2000年シドニー五輪)17歳で初めてオリンピックに出場しましたが、その時は4位でメダルは獲れませんでした。それで、メダル獲りてーな、まだ世界で勝負してーな、という強い気持ちを持ち続けて、必死で練習することで04年アテネには金メダルを獲れたんです。負けても、悔しい思いをしても、絶対自分にはできるって思って、みんなもがんばって欲しい」と、続けると、子供たちも眼を輝かせて北島の話に聞き入る。
アテネに引き続き、08年北京でも金メダルを獲ってからロンドンまでの4年間で、自分の身の回りの環境を変えてきたと話す北島は、「1人でアメリカに渡ったのは、新しいものを見たい、聞きたい、感じたいと思ったから。そうすると、やっぱり水泳って楽しいな、と思えるようになった。そして、海外から来る、オリンピックに出ている選手たちと、レベルの高い練習をする楽しみを北京からロンドンまでの間持ち続けてきた」と、話し、「自分に絶対限界はつくらないで。自分も長年やってきたが、今年になって自己ベストを更新できた。なので、自分を絶対超えていくという気持ちを持ってください」と、子供たちにエールを送る。
ロンドン五輪については、「リレーでメダルが獲れたというのはすごく良かった。今回は、『なでしこ』とか、チーム力が注目されていたので。自分も最後にみんなの力を借りてメダルが獲れ、金の時以上に思い出深いオリンピックになりました」と、振り返った。子供たちの代表から発表された目標設定を聞いた北島は、「夢をかなえられるように人に言い伝えたり、紙に書いてみたり。こうやって目標を言葉にして言うことが、目標を掴むための近道」と話し、最後に北島の、「一緒に夢かなえるぞ」の音頭で、子供達が「オー」と、一緒に声を合わせトークショーを終えた。
北島は、引き続き行われた水泳教室では『ターン練習』など基本動作を教え、選抜予選を勝ち抜いた上位者の8名で構成されるチームとのリレー競技に挑んだ。上位者は25メートルを15秒台前半で泳ぐとあって、1人で125メートルを泳がなくてはならない北島は念入りにウォーミングアップ。4人の子供たちにインストラクター1名を加えた5人を1チームとし、その2組を相手に、1人で泳ぐ北島は個人メドレーで対戦。バタフライや背泳ぎなど、普段の北島では見れない姿も披露し参加者を大いに沸かせた。
子供たちに花を持たせ、リレーを3位で終えた北島は終了後、「毎回こうやって子供たちとレースをするのが定番になっていて。今回はすごくレベルが高かったので本気を出していかないと勝負させてもらえなくて、楽しかった」と、笑顔を見せる。そして、子供たちに向け、「今回はオリンピックもあったのでこのイベントを見てくれる、注目してくれる子供たちも多かったと思う。そういった子供たちが少しでも水泳に興味を持ってくれて、自分にもできるんじゃないかとか、夢持ちましたという子が出てきて欲しい。今日こうやって子供たちに僕自身が力をもらえたので、これからもこうやって何かを子供たちに伝えていきたい」と、気持ちを。
今後については、「どこに目標をおいてやるかっていうのはまだ、時間をかけて考えていくつもりです」とのみ語り、笑顔で会場をあとにした。