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【ロンドン五輪】なでしこJAPAN、ブラジルを撃破!FW大儀見1ゴール1アシスト

 ロンドンオリンピック第8日目の3日、グループリーグを1勝2分の勝ち点5で2位通過したなでしこJAPANは、世界ランキング5位のブラジルとベスト4をかけて闘い、FW大儀見優季(女子ブンデスリーガ『1.FFCトゥルビネ・ポツダム』・25)の1ゴール1アシストの活躍で2‐0と勝利した。

 なでしこのスタメンはGK福元美穂(『岡山湯郷Belle』・28)、DFは右から近賀ゆかり(『INAC神戸レオネッサ』・28)、岩清水梓(『日テレ・ベレーザ』・25)、熊谷紗希(女子ブンデスリーガ『1.FFCフランクフルト』・21)、鮫島彩(『ベガルタ仙台レディース』)、MFはボランチに阪口夢穂(『日テレ・ベレーザ』・24)、澤穂希(『INAC神戸レオネッサ』・33)、左サイドに川澄奈穂美(『INAC神戸レオネッサ』・26)、右サイドに宮間あや(『岡山湯郷Belle』・27)、2トップに大野忍(『INAC神戸レオネッサ』・28)、大儀見(旧姓:永里)優季(女子ブンデスリーガ『1.FFCトゥルビネ・ポツダム』・25)の11人と、初戦、2戦目に戻した。

 ブラジルは、FWを4人投入し、3トップの4‐3‐3という攻撃に厚みを掛けたシステムで開始早々から猛攻を仕掛けてくる。前半20分過ぎまでは、ほとんどブラジル陣内に侵入して行けず、自陣で守備に専念する対応を迫られた。

 試合前から、ブラジルの個人技とフィジカルの強さを使った攻撃VS日本の組織的守備という構図だったが、ブラジルは、高い位置からプレッシャーをかけ、ボールを奪ったら、サイドを突破しゴール前にどんどんクロスを上げ、ヘディングで競り合う。ディフェンスの裏へボールを出して、シュートを打つと、波状攻撃をしかけてくる。

 日本はクリアするのが精いっぱいで、コーナーキックからのセットプレイへとつなげられる展開。それでも、センターバックの熊谷と岩清水がゴール前をガッチリガード。ヘディングには体を当てて、フリーにさせないという献身的な守備で決定的なシーンを作らせない。

 全員守備でブラジルの猛攻をしのいだ日本。ブラジルの運動量が少し落ちてきたと思われる20分過ぎから、徐々に日本ペースになって行く。

 前半23分、澤のスルーパスを川澄が受け、大儀見に左からグラウンダーで中央へ。大儀見が反転し、シュートを放つもDFに当たる。前半24分、バイタルエリアでボールを受けた川澄が右に走る宮間へパス。宮間はDFを切り返しでかわし、左足でシュートを放つが、ゴール左に外れる。

 徐々に、細かいパス回しと、次々に人が出てくるなでしこサッカーの特徴が出てくる。そして、前半27分、左サイドでのFKを澤が素早くリスタート。左サイドを駆け上がっていた大儀見に通り、GKと1対1。これを冷静にゴール右隅に流し込み、今大会初得点。待望の先制点を日本が奪う。

 その後も日本のペースのまま前半を終了。負ければ終りの1発勝負。早めに追いつきたいブラジルは、後半スタートから、DFも前がかりになるほど、攻撃の意識を高く持ち、日本ゴールに攻めていく。

 後半14分、ペナルティーエリア付近からのFKを直接ゴールを狙うがわずかに外れる。後半18分、左サイドから右足で入れクロスを、ヘッドで合わせるも、ゴール上にわずかに外れるなど、たびたび決定機を作られるも、ゴールにはならない。

 なでしこは、しっか守ってカウンターからチャンスを作っていく。後半28分、奪ったボールを左サイドに張っていた大儀見にパス。これを巧みなトラップでDF1人をかわした大儀見は、DFの裏に走り込んだ大野へパス。大野がペナルティーエリア内やや右でボールを受けると、DFを切り返しで1人かわしシュート。これが右上にクロスバーに当たって入り2‐0と、準決勝をググッと引き寄せる追加点。

 この後もブラジルの猛攻が続くが、全員守備とGKのファインセーブなどで、守りきる。前後半を通じて、ボールポゼッション率は圧倒的にブラジルだったが、日本が2発のカウンターから効率よく得点。それを全員の守備意識の高さで守りきった。

 次戦は、オリンピック前の強化試合で敗れたフランスと決勝進出を掛けて対戦する。

 試合終了後の佐々木則夫監督は、「強かったですねぇ~。自分たちのサッカーできませんでしたけど、それをよく凌ぎながら、カウンターを活用したと思います。(ブラジルの猛攻に対して)組織的というよりも、闘志の守備ですよ。本当によくやってくれました。数少ない決定機をしっかりモノにして、こういう形が勝ちを呼ぶんだと思います。(フランス戦は)闘志を持ってやらせたいと思います」と、早口で振り返った。

 1ゴール1アシストと大活躍の大儀見は、「DF陣が苦しい時間帯を踏ん張ってくれたので、ワンチャンスをモノに出来て良かったです。(ゴールシーンは)相手が油断していたこともあり、得点につなげられました。チームとしても勝ちたいという気持ちがプレイに出ていたし、よかったと思います。(次はフランス戦だが)この間負けている相手なので、修正すべき部分を修正して臨みたいです」と、語った。

 勝利を決定づけるゴールを挙げた大野は、「準決勝進出はチームみんなで勝ち取ったものだと思います。(貴重な追加点だったが)みんなの気持ちが入ったゴールだと思います。わたしだけの得点じゃないです。気持ちの入ったゲームだったし、それが勝ちにつながりました。(フランス戦に向けて)この間負けているし、借りを返したかったので、勝って、決勝に進みたいと思います」と、熱く語った。

 エースの澤は、「90分間、みんなが集中して戦いました。(先制ゴールは澤選手の機転で生まれたが)大儀見選手が走ってくれていました。切り替えて、パスがつながって決めてくれてよかったです。今日は、出場している11人だけではなく、スタッフやバックアップメンバー全員で戦った試合だと思います。(フランスは)大会前に負けているので、そのリベンジを込めて絶対に勝ちたいです」と、キッパリ。

 キャプテン宮間は、「前半20分あたりまではペースを握られていました。勝てたのは全員で戦った結果だと思います。(ブラジルは怖い相手だった?)わたしたちが『怖い』と言ったら勝てないのですが、そういう素晴らしいチームに勝ったことを誇りに思います。準決勝に残った4チームの中でも金メダルがほしい気持ちは、わたしたちが一番だと思うので、このまま行きたい。(フランスについては)一度対戦していますし、今日以上の試合ができれば勝てると思うので、良い準備をしたいと思いますむと、コメント。

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