
ストリートダンス界のカリスマダンサー・SAM(50)が2日、東京・渋谷公会堂で開催されたダンスコンテスト『Legend Tokyo Chapter.2』に登場した。
同コンテストは2011年に第1回大会が開催。チケットが開催1ヶ月前に完売するなど大きな反響を呼人気ぶりで今年は2、3日の2日間となる。“魅せる達人”コレオグラファー(振付け師)たちの才能に着目しコレオグラファーが作り出す、振付けだけでなく音楽・照明・衣装なども含めたダンスの世界観を“作品”として評価するコンテストだ。演劇でならば、“演出家”とも言えるコレオグラファーたちが、振付けの独創性や衣装、大型舞台セットや小道具をいかに生かすか、照明効果や音楽なども含めた独自の世界観で作り上げたすべてが評価対象となる。
SAMは、1日目のオープニングに登場し、コンテストの開会を宣言。暗転の舞台に1本のスポットライトで照らし出されたSAMは、「選ばれし“魅せる才能”が集結する戦い。それはまさに誰もが見たことのない世界。歴史の未知なる扉が開ける瞬間、人はそれをこう呼ぶ。“伝説”と」と、スピーチ。戦いの舞台の幕開けにふさわしい重厚な演出に、2階席まで埋めた観客から盛大な拍手と歓声が沸き起こった。
開会宣言に続けて、SAM演出のオープニングアクトで作品を競う24組のコレオグラファーたちが一堂に会したのち、ステージには進行役のMC・CHIGUSAとコメンテイター・TAKAHIRO(30)が登場。TAKAHIROは、『NewsWeek』誌の“世界が尊敬する日本人100人”にも選出され、人気ドキュメンタリー番組にも取り上げられ話題となったダンサー・コレオグラファー。NYアポロシアターTVコンテストにて初の9大会連続優勝を果たし、『マドンナ』のワールドツアーにダンサーとして出演した経験も持つ。また今年、大河ドラマ『平清盛』にて舞踊振付けを行うとともにドラマ初出演も果たしている。

トップバッター、KAZの作品『カンフーを越えて』では、26名のダンサーたちが“新しいカンフー”をテーマにしたというダンスで魅せる。安室奈美恵のPV振付けなどで知られるKAZ自身の武道経験と、ダンスにも通じる“日々精進”の精神を圧倒的な存在感で発揮した作品は“レジェンド”を狙う作品の幕開けにふさわしい華やかさとダイナミックなものとなっていた。
続くSUZUYAKA、アイドルユニット『9nine』のライブやPV振付けで知られる彼女の作品は、“大人の女性だからこそ出来るエンターテインメント”がテーマ。シアタージャズの王道スタイルに、現代風エッセンスが盛り込まれた極上の新世紀シアタージャズで魅せた。
続く前半戦12組の発表の中でも、HIDETOMOの『HEIJOKYO』は、『東方神起』のライブツアーを担当するHIDETOMOらしさを発揮した奈良時代の平城京を舞台にオリジナル音源で挑んだ壮大なアジアン歴史絵巻。衣装、構成にいたるまでこだわり抜き、日本の時代劇に海外の歴史スペクタクルを融合させたという、ジャンルを超えた大作。
アニメ系主題歌やアイドルの振付けを多数手がける、Junko☆の作品『鼓動~Thousand beast~』では、完全オリジナルの千手観音パンキングも見どころ。立体感を意識したという作品は独自の世界観を余すことなく表現した。
後半戦12組のトップバッターは、西野カナのPV振付け作品を多数手がけた MIWAからスタート。メインの男性ダンサーに絡む女性ダンサーたちがセクシーさと艶やかな美しさを発揮する『After Hours!!』で、女性らしい華やかなファッション性あふれるエンタテインメント作品で魅せた。
そして後半戦もっとも注目を集めるのは、やはり大御所・JUN。倖田來未のツアー振付けから監修、またTV番組『SMAP×SMAP』の振付け師として、SMAPのみならずマライヤ・キャリー、LADY GAGAなどとのコラボレーション振付けを手がける、ジャッジクラスの重鎮が魅せる世界観に期待が。“負けられない戦い”をテーマに作られた作品は、やはりダンスというジャンルを超えた圧巻の内容。「純粋にストリートダンスのカッコ良さで勝負したい。何度も作り直して時間をかけ納得するまでやった」と語る作品は、まさに“レジェンド”獲得有力候補と言える仕上がりだ。
参加ダンサーを小学生に限定した作品で挑んだ Ruu、また同様にキッズダンサー中心の作品で魅せる BEZIなど、ダンサーの実力だけが勝敗の行方を左右するダンスコンテストと違い、コレオグラファーの演出力が問われる大会らしい作品も見られ、ステージ上は白熱する。
1日目のすべての演技発表後は、昨年の同大会で日本一のコレオグラファーに輝いた長谷川達也が主宰するダンスカンパニー『DAZZLE』のダンサーを中心に作られた『大東京帝国』、また、マドンナの最新ワールドツアー振付けをはじめ、リッキー・マーティンやブリトニー・スピアーズのツアーもてがけた MATT CADYの『MIRAGE』の2作品が披露され、熱狂のステージに幕を降ろした。
昨年に続き第2回目となる今大会、早くもアジア最大級のコンテストと成長しており、本年は審査員として、TVのみならず様々なジャンルのプロデューサーとして活躍中のおちまさと(46)や、作詞・作曲家で音楽プロデューサーの黒須チヒロなど総勢11名が、審査委員長のSAMとともにジャッジ。1日目は来場者による投票、2日目はゲスト審査員が投票し最終審査を発表・表彰する。『この“世界”には2位や3位などない。あるのはNo1か、Only.1のみ』のコンセプトどおり、多くの視点がもっとも上位に挙げた作品1作品のみが最優秀作品賞“レジェンド”に選ばれる。






































