女優・能年玲奈(19)が26日、東京・渋谷NHKで、来年4月から放送される連続テレビ小説『あまちゃん』(月~金曜、午前8時~)に抜てきされ発表会見に登場した。
設定は2008年ごろ。東京に住む引きこもりがちで内気な高校2年生のヒロイン・天野アキ(能年)が、夏休みに母・春子の故郷である岩手県の北三陸を訪れるところから物語はスタートする。そこでさっそうと海に潜る祖母・ナツと出会い衝撃を受け、春子の反対を押し切り北三陸で海女修業に入る。次第に笑顔を取り戻していくアキは、地元のアイドルとして町おこしを引っ張っていくこととなり…。
清楚なワンピース姿で現れた能年は、「きのう、いきなり決まったと聞いたので、興奮で鼻息が荒くて、その勢いで空に飛べちゃうんじゃないかと思うくらい嬉しくて、いまこの場に立てていることが幸せです」と、独特の表現を交え笑いを誘うと、一気に報道陣の心をわしづかみに。
6月頭から初められたオーディションで1953人の中から宮藤も含め満場一致で決定した能年。訓覇圭チーフ・プロデューサー(くるべ・けい)から能年の起用理由について、そんな能年のオーラもあり、「みずみずしく、フレッシュで、能年さんがオーディションの会場に入ってくると空気が一変するんです。とてもさわやかな印象で、朝の顔なので大事だなと思いました」と明かされることに。
人気脚本家・宮藤官九郎が脚本を担当。「ずっと宮藤さんの作品に出たいと思っていました」という能年の夢がかなった形だが、「すごくスクリーン越しに宮藤さんに電波を送ってて『真夜中の弥次さん喜多さん』とか『11人いる』の家族とお知り合いになりたいと思っていました」と、熱弁を振るうことも。
ヒロイン・アキの印象は、「白のイメージがあって、必死でたくさん揺れ動いている。迷ったり転んだりするけど、立ち上がって頑張っている、ひたむきな女の子のイメージがあります」という能年は、海女を演じるだけに、すでに泳ぎの練習も始めているそうで、「手応えを感じていて、私うまいんじゃないかと思うくらいで、本番でも海で潜れるように練習していきたいです」と、成果を口にする。不器用さという部分も起用理由となったが、「普段テンポが遅くて人と違う時間で動いていたりするので、人と話がかみ合わなかったり、言葉にするのが下手くそだったりするので、それを伝えていけるように頑張りたいなと思います」と、本作ヒロインを通じて修正もしていくそうだ。
ロケ地は岩手・久慈市がメイン。まだ訪れたことがないという能年だが、「小学生のときに、都道府県の授業を受けた時に、名前の通り、岩のようなゴツゴツした形なんだなって思って、これを機会に行けるのを楽しみにしています」と、こちらも能年らしい言葉で語り会見が和やかに。ほかにも、朝ドラについて尾野真千子が主演した『カーネーション』が印象的という能年は、「窓際でしっとりしているシーンが心に残っていますね」と、具体例を挙げるなど、熱心な様子を見せていた。
半年以上にわたるロケとなるが意気込みを問われると、「過酷ということは聞いているので、倒れたりするという方もいるというのは聞いています。体は頑丈なので、意識を失っても立っていられるように頑張ろうと思います」と、力を入れた。
なお、終了後に訓覇チーフ・プロデューサーの囲み会見が開かれ、同作について「世代が変わるまではいかないドラマなので、最後の方で東日本大震災にたどりつくのかというのは、最後のストーリーを決めずに走りだそうなかなと。積極的な未定です」と、どこまで描かれるかは、作りながらのものになるそう。訓覇チーフ・プロデューサーによると宮藤も「不器用だけど、それがいつ爆発するかわからない魅力、可能性を感じる」と将来に期待をかけているそうだ。
連続テレビ小説『あまちゃん』は2013年4月1日から9月28日まで全156回で放送予定!クランクインは9月下旬以降を予定しているとしている。