
俳優・生瀬勝久(51)が12日、都内にて、映画『スープ~生まれ変わりの物語~』(監督:大塚祐吉/配給:東京テアトル) 父の日記念完成披露上映会に、共演の俳優・野村周平(18)、女優・刈谷友衣子(15)、広瀬アリス(17)、大塚監督(49)、主題曲を担当したグループ・『wacci』らとともに出席し、舞台あいさつを行った。
イベント冒頭、まずは生瀬が、「今日はお足元の悪い中、オーストラリア戦も蹴って来られたことに感謝します」とあいさつし客席を沸かせると、「マネージャーから脚本をもらって、ほんとに素敵な本で、一気に最後まで読みました。普段からエキセントリックでシニカルな役ばかりの自分(が主演)でいいのかな、と思いましたが、監督さんが、生瀬をイメージしてオファーを頂いたということを聞いて、ほんとに感謝しています。今回、難しい役を一生懸命やったことで、自分の経験やキャリアになりました。昨年夏、一生懸命演じきりました。生瀬が好きでないという方も、僕という人柄抜きにして楽しんで下さい」と達成感に満ちた笑顔でコメントし、観客の期待を膨らませる。
本作は父と娘の絆を描いた物語となっており、この日のイベントも父の日にちなんで開催。劇中で生瀬の娘を演じた刈谷から、父親役の生瀬へのサプライズプレゼントとして花束贈呈が行われたが、目の前でスタッフが刈谷に花束を渡す一部始終を見ていた生瀬は「どのタイミングで驚けば?全部見えてるんだけど」と客席を笑わせる。刈谷から「いつもお仕事ご苦労様です」と花束を渡され、「なんですか、この小芝居は」と生瀬がツッコミ、客席は爆笑となった。
単独での映画主演は意外にも初めてだと言う生瀬は、「今回は主人公を演じたということで、初主演ということはあまり気にしていないです。興行成績の責任を負いたくないので“主演”って言ってほしくないです」と笑顔で語り、報道陣を和ませる。主人公の人柄との共通点を尋ねられると、「たぶん僕のプライベートは誰にも知られていない。今回の主人公の要素は少しはあるかもしれないですね」といい、父親役を演じたことについては、「僕は歳とってから子供ができたんで。自分はまだ大人だと思っていない。息子の前でどういった父親を演じるかが毎日の課題みたいな感じ。自分の血を引く者が幸せになって欲しいし、立派な大人になってもらいたい、ずっと悩んでます。そういうことが大事なのかと、自分の中では思っています」と、やはり演技とプライベートは別物という父のとしての悩みを見せた。そんな生瀬に対して、娘役を演じた刈谷は「お話しは面白いし、こんなお父さんがいたらいいですよね」と絶賛するが、「身内になったらどうだかわからないよ」と、生瀬は照れ笑いを見せた。
劇中で生瀬の生まれ変わりを演じた野村が、「生瀬さんの生まれ変わり役ですから、すごいプレッシャーでした。監督に生瀬さんの演技をよく見ろって言われていたんですが、現場に行くといつも雑談ばかりで。気がつくと、ただ芝居を眺めていただけってことに」と、振り返ると、生瀬が「若い芽は摘まないと。手の内は見せないからね」と冗談交じりの笑顔で返し、報道陣を笑わせる。野村が、監督から演技についてそうとう絞られたと苦労を振り返ると、「ラストシーンとか観ていてね、すごく良かったと思う。絞られて良かったよ」と、生瀬がフォローし、野村の演技も賞賛した。ただし、絞られっぱなしだったという野村に対して、広瀬が、「私、ぜんぜん絞られてないんです。もう、褒められて褒められて。扱いが全然違いました。褒められて伸びるタイプですね」と語ると、野村は「もう、楽しく芝居してる人たちを見て悔しかったですよ、僕も褒められて伸びるタイプなのに」とちょっぴりすねぎみ。
広瀬は共演の松方弘樹(69)の生まれ変わりとして、性別を超えた演技を求められたとのことで、「最初は恥ずかしかったですけど、恥ずかしさも“女”も捨てて臨みました。声を低くしたり、座った時に足をガッと開いたり。おかげで、直りかけてた足を開いて座っちゃう自分の癖がまた戻ってしまいました」。また、会場には野村の父、広瀬の母も晴れ舞台を応援に来ており、野村は舞台上から「18年育ててくれてありがとう。不安な僕をいつも支えてくれてありがとうございます」と親孝行コメントを。生瀬から「セリフっぽいぞ、棒読みか」とツッコまれ苦笑するも、観客からは温かい拍手が送られた。
劇中での松方とのキスシーンが話題となっている生瀬は、感想を聞かれると、「『はじめまして、キスさせて下さい』ですよ、初共演で、ごあいさつしてすぐキスシーンでしたからね」と笑いながら振り返り、「非常に素敵な唇でした。キスの味は、非常に薄いガムの匂いでした。今まで男性とのキスシーンは無いですし、これからも無いでしょう。これっきりにしたい」と、キッパリとコメントし、また報道陣を笑わせる。
最後に、劇中の『スープ』について飲むか飲まないかを尋ねられると、全員が『飲む』と答えることに。生瀬が「飲まない人は今の人生に納得していない、満足していなんじゃないかな」とつけ加え「普段、笑わせようとふざけたことばっかり言ってますが、今回は違いますので。一言で言って、“素敵な映画”です。楽しいとかおもしろいとかではなく、人が生きるってことについて考えさせられる映画になっています。見どころは“ご自由に”。ニュートラルに楽しんでもらいたい。普段ふざけてばかりに見えるかもしれませんが、芝居に関しては真摯に取り組ました」とPRしてイベントを終えた。
2012年7月7日(土)より有楽町スバル座他にて、全国ロードショー!


























