慶應義塾大学 冨田勝名誉教授の研究室は、2024年6月6日(木)~8日(土)に、大企業の役員・管理職を対象にした研修合宿「第5回未来創造企業鶴岡会議」を開催します。
URL: https://tsuruoka-kaigi5.peatix.com
慶應義塾大学が山形県鶴岡市に先端生命科学研究所( https://www.iab.keio.ac.jp/ )を開設したのは2001年。十数人でスタートした当時、ひとつの建物以外は田んぼでした。あれから二十余年たち、慶應発ベンチャー9社を含む22の企業と機関からなる日本屈指の鶴岡サイエンスパークに成長し、700人の雇用を生み出しました。これは鶴岡市の労働人口の1%にあたります。
若手のイノベーターたちの活躍目覚ましく、人工クモ糸研究から発展したSpiber社( https://spiber.inc/ )は現在時価総額1,600億円超のユニコーン企業。「田んぼに浮かぶホテル」がコンセプトのスイデンテラス( https://suiden-terrasse.com/ )はニッポン新事業創出大賞や地方創生大臣賞などを受賞。世界最高峰の分析技術を開発したHMT社( https://humanmetabolome.com/ )は2013年に東証マザーズ(当時)に上場。納豆菌粉のフェルメクテス社は高たんぱくな新食材としてkin-punブランド( https://kin-pun.jp )を発表。唾液でがんリスク検査のサリバテック社( https://salivatech.co.jp/ )はニッポン新事業創出大賞特別賞を受賞。腸内科学のメタジェン社はカルビー社から「ボディ グラノーラ」( https://bodygranola.jp )を発売。そんな鶴岡の起業家たちのパワーはどこから来たのか。
慶應鶴岡をゼロから立ち上げ23年間所長を勤めた冨田勝名誉教授は、その源泉は「普通は0点」という脱優等生的な雰囲気と、「人生観」を醸成する出羽三山の精神文化だと言います。「イノベーション推進のための組織風土とは何か」という正解のない問いを、冨田勝慶大名誉教授と膝詰めでじっくり議論する貴重な機会です。
日程 : 2024年6月6日(木)~8日(土)2泊3日
場所 : 山形県鶴岡市 鶴岡サイエンスパーク内 大ホール他
公式ホテル: ホテルスイデンテラス
詳細 : https://tsuruoka-kaigi5.peatix.com
■開催内容(※変更になることがあります)
6月6日
13:30 鶴岡サイエンスパークD棟ホール集合
13:40 – 14:50 塾頭講演 慶應義塾大学名誉教授 冨田勝
15:00 – 15:50 Spiber株式会社 共同創業者 菅原潤一
16:00 – 16:50 参加者の自己紹介/ネットワーキング
17:00 – 18:00 じんかた序章
18:00 – 19:00 夕食(スイデンテラス)
20:00 – 22:00 「じんかた」 F棟ラウンジ
6月7日
朝食(各自) スイデンテラス
09:30 – 10:20 株式会社SHONAI(ヤマガタデザイン) 山中大介 代表取締役
11:30 – 13:00 ランチ 企業派遣メンバー講演&パネル
14:30 – 15:00 フェルメクテス株式会社 長内あや愛
15:00 – 15:30 コーヒーブレイク/kin-punパン試食
15:30 – 17:00 冨田勝「生命科学と精神文化」
18:00 – 19:00 夕食 スイデンテラス
20:00 – 22:00 「じんかた」 F棟ラウンジ
6月8日
朝食(各自) スイデンテラス
10:00 11:00 本明寺:即身仏本明海上人拝観
11:30 12:30 日本遺産・羽黒山杉並木ウォーキング
12:30 13:30 精進料理@斎館
14:00 14:40 日本遺産・松ヶ岡開墾記念館
14:40 15:20 シルクミライ館見学・講話
15:20 16:10 ラップアップセッション
17:45 庄内空港 ANA400便に接続
■登壇者のメッセージ
<冨田勝 慶應義塾大学名誉教授/一般社団法人 鶴岡サイエンスパーク代表理事>
会社にイノベーションを起こそうとするのであれば、その会社は何のためにあるのか、という本質をまず考える必要があります。人々の幸せのため、と言うのであれば、人間の幸せとは何か。そもそもあなた自身にとって幸せな人生とは?
歴史に名を遺した偉人たちは、旅に出たり修行をしたりして、「自分の存在意義」を大自然の中から見つけようとしてきました。山形の出羽三山(月山・羽黒山・湯殿山)は古くから信仰を集め、三山を巡ることは「生まれかわりの旅」と言われ、自然の中で自分自身と向き合う機会とされてきました。
本会議では、日本を牽引する企業の幹部が一堂に会し、未来社会のために業界の利益や垣根を越えて、自分たちの社会的使命は何か、どのように連携協力するべきか、どんな人材を育成し活用すべきか、業界を超えて議論します。私たちの未来をどのように創っていけばよいのか、鶴岡でそのヒントがきっと見つかるはずです。
(とみたまさる)1981年慶應大学工学部卒業後、渡米。カーネギーメロン大学コンピュータ科学部でAIを専攻して修士課程(1983)と博士課程(1985)修了。1990年に慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス開設とともに帰国。環境情報学部助教授、教授、学部長を歴任。2001年に慶應義塾大学先端生命科学研究所(山形県鶴岡市)を開設し、22年間所長を務めた。米国National Science Foundation大統領奨励賞(1988)、日本IBM科学賞(2002)、大学発ベンチャー表彰特別賞(2014)、第5回バイオインダストリー大賞(2021)、第27回安藤百福賞大賞(2023)などを受賞。真相報道バンキシャ!(日本TV)、サイエンスアイ(NHK)、NEWS23(TBS)などのコメンテータを務めた。
<菅原潤一 Spiber株式会社 共同創業者>
子供の寝顔を見ていると、この子達に幸せな人生を送ってもらいたいという気持ちが心の底から湧いてきます。深刻な環境破壊や資源不足、戦争や残酷な犯罪。それらを解決し、より豊かで持続可能な社会を後世に残したいと思うのは、人間の本能的な感情のはずです。一方、未来のことを真剣に考え始めると、残された時間はそれほど長くはないことに気がつきます。人と同じようなことをして、生産的でない過剰な競争に疲弊している暇はありません。世界を良くするために真に必要なことを、たとえリスクを伴ってでも、異次元の規模とスピードで実行しなければなりません。そのための手段が、私にとってのSpiberです。
(すがはらじゅんいち)2007年慶應義塾大学環境情報学部卒業、同年スパイバー社設立。2011年慶應義塾大学政策メディア研究科システムバイオロジープログラム博士課程修了(Ph.D)。現在、Spiber社取締役兼代表執行役。2023年12月時点でSpiber社の時価総額は1,617億円。
<山中大介 株式会社SHONAI(ヤマガタデザイン)代表取締役>
株式会社SHONAIは山形県庄内地方を拠点に、地方の可能性から新たな経済創出に取り組む会社です。庄内地方に拠点や縁を持つ企業の投資により設立され、地域自らが当事者となり、山積する地域課題に挑み、未来を創造する、夢と責任ある社会の実現を目指しています。
地方は希望に溢れています。しかし、その希望は、誰かが照らしてくれる光ではなく、自らが当事者として行動することで生み出す光だと、私たちは考えます。庄内から挑戦する当社の姿勢や実績、提供するサービスを通じて、他の地方で挑戦する当事者に貢献し、日本の地方からより多くの希望を創出します。
(やまなかだいすけ)2008年、慶應義塾大学環境情報学部を卒業。三井不動産に入社、大型商業施設〈ららぽーと〉の開発・運営を担当。2014年ヤマガタデザイン株式会社を設立。2018年ホテルスイデンテラスを開業。2022年、ニッポン新事業創出大賞「経済産業大臣賞」、「地方創生賞」をダブル受賞、日本サービス大賞「地方創生大臣賞」を受賞。
<長内あや愛 フェルメクテス株式会社 共同経営者>
今後は、肉の環境負荷やそもそも生産がおいつかない問題がでてきて、肉ではなく、代替タンパクを食べる動きがあります。この代替タンパクの中で、一番可能性が高いと考えているのが、「納豆菌」( https://kin-pun.jp/ )そのものをタンパク源として食べることです。過去の食文化史からヒントを得て、新しい技術でタンパク質をつくり、持続可能な食文化をつくっていくことにチャレンジしています。まだまだこれからスタートになる、壮大な食プロジェクトです。どうぞ応援の程お願いいたします!
(おさないあやめ)2019年慶應義塾大学総合政策学部卒業。2021年同大学院政策・メディア研究科修了。14歳からAmeba official Blog「14歳のパティシエは今、食文化研究家」を現在まで毎日更新中。料理人文化人ランキング最高3位。世界経済フォーラムダボス会議U30起業家コンテスト 最優秀賞。NHK Eテレ「沼にハマってきいてみた」再現料理制作。2019年復刻再現料理の「食の會日本橋」経営。東京MX「堀潤モーニングFLAG」コメンテータなど。
■過去の参加企業
株式会社資生堂/損害保険ジャパン株式会社/第一生命ホールディングス株式会社/BIPROGY株式会社/三井住友信託銀行株式会社/明治安田生命保険相互会社/SMBC日興証券株式会社ほか
■参加者の声
・冨田勝氏が鶴岡の地で「先端研」所長を43歳で任されてからどのような思いで取り組んでいらしたのかを知ることができる貴重な機会を頂きました。後進の育成に力を注ぎ、若手一人一人が成果を上げるまで、鼓舞していらしたことに非常に刺激を受けました。
・「強いコンセプトの必要性」「普通は0点」などのビジネスにおけるヒントとなるキーワード、日本の将来に対しての危機感からの人材育成の考え方などの気づきがありました。
・ Spiber関山社長ご自身のパーパスと、それを実現していく行動の速さ、リスクの取り方は、企業職員も自分事としてぜひ学び取り入れる要素と感じました。
・「本当のブレークスルーは最初はホラに聞こえる」「普通は0点」といった語録。そして30年後を見据えた人材育成。心に響くとともに自分のこれまでの無難な生き方を反省しました。
・冨田先生の「生命科学と精神文化」は、次の日の精神プログラムの導入として最適で、大きな世界観から何を見ようとするかの大切さを学びました。
鶴岡会議のURL: https://tsuruoka-kaigi5.peatix.com