
映画監督・堤幸彦(56)が15日、都内で行われたTVドラマ『家族八景』のBD&DVD発売イベントと、映画『MY HOUSE』(配給:キングレコード/ティ・ジョイ)の特別上映会トークショーに、女優・木南晴夏(26)とともに出席した。
同作品はTBS系深夜ドラマとして2012年1月24日から(全10回放送された。原作は筒井康隆のSF小説(新潮社)。
本作が連続ドラマ初主演となった木南が演じた家政婦の火田七瀬。人の心が読める精神感応能力者として、仕事で入った家庭の口に出せない秘め事を次々と暴いていくというSFホームドラマ。
七瀬が相手の心の声を読むシーンでは、読まれている人が裸になって見えるなど、毎回何らかの奇妙な姿に変わって見える演出となっているが、堤監督は、「七瀬に心を読まれた人が、みんな何かしらの変化していくということを思いついた。1話目に裸にしてみて、そのあとも全部、裸にしたかったが、『それじゃ誰も出てくれず、キャスティングできません』と泣かれました。なので2話目以降は花が咲くとか違う変化にしました。それ(どう変化するか)を考えるのも面白かった」と笑って、舞台裏のエピソードを明かした。
木南は、映画『20世紀少年』の小泉響子役に次いで堤作品2作目なため、「私は“堤組”のテンポの速さはわかってましたけど、ほんとに撮影のテンポが速い。ゲスト出演者の方々にはついていくのが大変だった役者さんもいたみたい」と、こちらも笑顔でウラ話を。
続けて「難しいとかはあまり思わなかった。心の声の部分をやったら、あとは見ているだけとかも多くて」と言うと、堤監督に「天才ですから!彼女はリハーサル1回やったらだいたい覚えちゃうから」と言われ、照れくさそうな笑顔を見せ「声に注目してリハーサルというのはあまりないことなので、楽しかったですね」と感想を述べた。
「26歳という年齢ながら、未だにセーラー服を着るような役もやっている」と語る木南に対して、堤監督は、「大人のキャラクターを演じる迫力も見たい」とラブコール。木南も「どこかしら少しは良いところを持っている悪い人という役はあるが、根っからの悪い人という役はやったことない。大人な魅力を出す役はやってみたい」と、意欲を見せた。
引き続き、26日から上映される堤監督の最新映画『MY HOUSE』の特別上映会も行われ、同作のプロデューサー・大月俊倫氏もトークに特別参加。
堤監督が「大月さんから、日本一暗い映画を撮ってくれと言われて」と冗談めかしで言うと、「最初はモノクロ作品のはずじゃ無かった」と大月氏も応酬。
この点について堤監督は、「多くの人は路上生活者に対して先入観、ホームレスへの思い込み持っている。ブルーシートの、あの青色を見てしまうと、何か、“匂い”だったり“状況”なりを思い出してしまう。それでモノクロ作品することにした。また、エンタテイメント作品のように音楽で観る人の心理を操作することもしなかった」と解説。
さらに、「この作品を作ったら、普段呼ばれないようなところに呼ばれて色々と話しをさせてもらっている。観る人によって反応が違い、いろいろな反応があった。それは自分の狙いどおりだった」と話した。
最後に、堤監督は「『家族八景』は未来が見える実験的な作品、これからもこういったことは続けたい。また、『MY HOUSE』は演じる人の存在感を撮りたかった。“考える映画”です。観た人にいろいろと考えてもらう。そんな時間をもらえたら嬉しいです」と両作品をアピールした。
同Blu-ray・DVD(キングレコード)は6月6日より各15750円(税込)で発売予定
同映画は26日より、新宿バルト9他全国ロードショー。











