俳優・城田優（30）と井上芳雄（36）が10日、都内で今月28日から幕を開けるミュージカル『エリザベート』（演出/訳詞：小池修一郎）へ向けての意気込みなどを語った。
2015年の帝国劇場公演でキャスト・衣裳・舞台装置などが一新されたミュージカル『エリザベート』。そのステージは連日満員を記録するなど大好評となったが、今年は東京だけでなく、福岡、大阪、名古屋をめぐり規模を拡大して臨む。2人はエリザベートの愛を求め続ける、黄泉の帝王で死を司るトート役をWキャストで演じる。
トート役と聞いたときの感想を、井上は、「トート役というのをもっともっと深めたいなと思っていたので、嬉しかったですね。できる限りやれたらいいなと思っています」と、役をさらに追求できることに喜んだのだとか。一方の城田は、「泣きましたね、怖くて（笑）。自分の挑戦というか、自分自身がどこまでできるかというのはチャンスというか機会で。でも、僕にとっては今後どんな役をやったとしてもやっぱりトートが1番しんどかったですという自信がある。こんなに難しい役はない」と、井上とは正反対のコメント。
その城田がトート役を難しいと思っている部分については、「死という定義のない概念であることがまず1つあります。すぐ落ち込んでしまう性格なので、自分が作っているトートはいまのは人間ぽく見えてしまったんじゃ？お客さんに合わせる顔がないみたいに感じてしまうことがあるんです。そこを楽しいと思えるぐらいのところまで達していない自分の未熟な部分が怖いということですね」と、しみじみ。
2人を見ていると性格など真逆のような感じだが、それは2人とも心の中で感じているようで井上が「僕はけいこ中、早く終わってしまえと苦しんだんですけど、本番は何をやっても楽しいんです。自分が感じたことを1をやったら10くらい受け取ってくれるんです。それは怖いことでもありますけど、そういう役ってないんです」と、期待を寄せる。すると城田は「僕はけいこ中が楽しくて。芳雄くんはけいこ中もがき苦しんでたんだろうなと思いました」と、井上の方を見ながら少しすまなそうな感じを見せることも。
それだけに、お互いがお互いを意識しているようで、城田は、「まねをしたいというわけではなくて、お互いのオリジナルを出したいと思うのでなるべく（井上の演じているのは）観ないようにしたいと思いました。耳にも残るし頭に残るから。でも、いま芳雄くんの歌い方になっているなというのがあるんです」と、明かし、井上もそれにうなずきながら、「この前のけいこ中に自分なりにやったつもりだったら、『あれ城田くんの歌い方になってる』と言われて。えっ、マジか？と思って」と、似てきてしまうようで、井上は「リスペクトしあってるんだと思います」と、結論づけていた。
そこで、あえてお互いの性格がどう見えるかというのを語ってもらうと、井上は城田へ、「苦しいことは苦しいということを大胆に言えるというところもあるし、それが事実というので、繊細で怖いと思いながらもやっている。そんな大胆さと繊細さのバランスが魅力。すごく惹かれるなというか予想外だなというので惹きつける魅力を持っている」というと、城田は井上へ「ミュージカルでいうなら、教材になる人じゃないですか？けいこ場で練習したものが本番で爆発するというのはお手本になるべき。経験値が抜群で、王道のど真ん中のプリンス」と、評しあっていた。
また、井上というと、一部報道で、知念里奈（35）との結婚も報じられているが、「公私順調？」という話題となると、「これからのびのび生きていきたい」と、はにかむ。この公私が出ているということには感じていることもあるようで、「もちろん自分たちも人間なんで人生はあります。けれど、トートという役は非日常な役ですし、あまり自分たちの日常が透けて見えると……神秘的な役なので。そこを劇場では感じさせない。それは自分の腕次第ですが、劇場に入って来られたお客さんに夢を観て頂きたいですし、その世界に浸って頂きたいですし、切り替えて、しっかりと役割を果たしたい」と、気合を入れていた。
ほかにも、福岡市出身の井上は8月からは博多座での公演とまさに故郷に錦を飾ることになるが、「とても楽しみにしてますし、博多に帰るとリラックスしていると言われるんですよ」と、楽しみにしている様子も見せていた。
ミュージカル『エリザベート』東京公演は28日から7月26日まで帝国劇場にて、福岡公演は8月6日から9月4日まで博多座にて、大阪公演は9月11日から30日まで梅田芸術劇場メインホールにて、名古屋公演は10月8日から23日まで中日劇場にて上演！
