俳優・玉木宏（36）、小倉久寛（61）、女優・広瀬アリス（21）、谷村美月（25）、石田ひかり（45）が4日、東京・銀座のTOEIで映画『探偵ミタライの事件簿 星籠（せいろ）の海』（監督:和泉聖治／配給:東映）初日舞台あいさつを和泉監督（69）とともに開いた。
作家・島田荘司氏が生み出した人気の御手洗潔シリーズが実写映画化！和製シャーロック・ホームズとも称され、難事件にならないとやる気を出さず、謎にぶつかると楽しげという、美しいIQ300の変わり者・御手洗を島田氏が唯一認めた玉木が演じる。
本作メインテーマに合わせてキャストが登場。ファンが拍手をしながら思い思いのキャストに声をかけるという賑やかな初日に。
玉木は「この作品は原作がありまして島田荘司先生が35年前から執筆されているシリーズなので、すごく原作ファンも多いですし、島田先生が全身全霊で作り上げた世界で御手洗潔役をやらせて頂くというのは本当に緊張感がありました。ですが、やりがいのある役柄でした。スタッフ、キャスト全員が一丸となって、初日の舞台が迎えられたこと本当に嬉しく思っております。たくさんの初日作品があるなかでこうしてみなさんにも来て頂き嬉しく思っています」と、喜びを口にした。
御手洗という人物について、玉木は「一言では語り尽くせない人物だと思います。取材を受けながらこういう側面があったんじゃないかというのもありますし、いま気づくこともあります。原作とは違う側面も観れると思います。でも、ベースにあるのはIQ300の御手洗。僕がやらせて頂いたのはどこか機械的で無機質な人というのを目指してやっていたんです。ただ、人間なので人というころをどこまで出さなきゃいけないのかというのもある。御手洗は自分でコントロールできる人であると思うんですけど、どこか人に対して不器用なところがあるという彼の人間性というところを出しました」と、熱弁を振るう。
それを裏付けるように谷村は、玉木と一緒のシーンを撮っていて、「そこは圧巻というか、こんなに涼しい顔をしてというのを通り越して、なんかすごいと思いました。こういう人は見たことないというか」と、圧倒されたとしみじみ。これに玉木もビックリといった表情で聞き入る様子も。
そんな谷村には、さらなるコメントが求められたが、「映画という現場だった気が……」と、つぶやくと玉木は「映画ですよ！」とツッコミ。しかし、「玉木さんがいらっしゃるとそんな感じでもなかった…」と、続けこれには玉木を苦笑い。また、自身の役のことを「自分自身の未知のところがあったので、楽しいまでと言わなかった気がしますけど、貴重な体験だったなと思います」と、言葉を選びながら発言し、玉木もそこは、「役柄が役柄だからね」と、共感もしていた。
一方の広瀬は原作にはないオリジナルキャラを演じたが「お話がシリアスな中で陽気なキャラクターでとても明るくて、あえて浮いていこうと思いました」と、役作りへの思いを。「玉木さんとお話するシーンもいい感じで噛み合ってない感じでした」とも話したが、玉木は「普段はよく噛み合わないんですが、それがいい感じで出たのでは」とも。
和泉監督は撮りたい絵を撮るために、わざと玉木と距離をつめないようにするという手法をとっていたそうだが、玉木は、「すごく良い緊張感で、ちゃんとやらなければいけないと思いましたし、監督が信頼してくださっているので、現場で『こういうのどうですか？』というのを提示して、ちょうどいい距離感が作れたので良かったのではないかなと思います」とも振り返っていた。
ほかにも作品にちなんで、もし身近に御手洗がいて自分がかかえている事件を解決してくれるとしたらという話題となり玉木は、「小学校4年生のときに親友の男の子がいたんですが北海道に引っ越してしまって、いまのようにSNSもないのでつながりがないので、その消息というか何をしているのかは知りたいですね。いま会えたら、昔の当時の話をしたい。街で男の子が2人遊んでいると想い出すんですよね」と、しんみり。
しかし、広瀬が「よく転ぶんです（苦笑）。足が小さくて。165センチで足が22.5か23なんです」と、言い出し一気にゆるい雰囲気に。玉木は「それ探偵に言うことじゃないでしょ！お医者さんじゃ？」と、ツッコミを入れ観客を爆笑させたが、広瀬は「それを言うくらい探偵さんにお願いしたいことがなくて」と、怯むことなく説明していた。
イベントでは事件を“ひもとく”にかけ玉木によるくす玉割りがありつつ、「小説は目と想像力で楽しむものだと思いますが、映画は目と耳と想像力で楽しむものだと思っています。1時間57分の上質なミステリーをお届けしていると思います。現実を忘れるひとときになれば」と、アピールしていた映画『探偵ミタライの事件簿 星籠（せいろ）の海』は4日より全国公開中！
