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【インタビュー】Kalafina、「Fate/Zero」OP曲18日発売!5年目の今だから出せる曲

Kalafina、5000人の前で新曲披露!「始まりへ」という思いを込めて歌っている
(左から)Hikaru、Keiko、Wakana

 Wakana、Keiko、Hikaruの女性3人組ボーカルグループ『Kalafina(カラフィナ)』が、18日に10thシングル『to the beginning』(SME Records)の発売を目前に控えた16日、マスコミ向けの合同インタビューに応えた。

 アニメの主題歌を中心に数々のヒットを飛ばしている彼女たちらしく、同新曲も4月から放送されているTVアニメ『Fate/Zero』(TOKYO MX、土曜日深夜0時〜※他テレビ局によって放送時間と曜日は異なる)2ndシーズンのオープニングテーマに起用されている。

 ハーモニーを大事にしながら、ミディアムテンポの楽曲に仕上がっている新曲について、プロデューサーの梶浦由記から、「『Fate/Zero』のために作りました」と、ストレートに語られた通り、詞の内容や曲の疾走感がアニメの世界を色濃く反映したものとなっている。

 それだけに、3人ともアプローチの仕方は3者3様だった。

 トップバッターでレコーディングに入ったWakanaは、インパクトのあるスタートにするために、「情熱的で表現に力を入れよう」と熱い気持ちを持って臨んだが、逆に、「3人の役割がそれぞれ決まっていて、私の場合は、少し冷静な部分を出していったほうがハマる」と、軌道修正。

 2番目にブースに入ったHikaruは、Wakanaが冷静に歌っていたのを聞き、「自分も冷静な部分を出した歌い方で歌った方がいいんですか」と、梶浦さんに相談したところ、「Hikaruは、そうじゃなくて感情的な方でお願いします。言葉は言葉そのもののままで歌ってください」と、指示があったという。

Kalafina、5000人の前で新曲披露!「始まりへ」という思いを込めて歌っている

 それを踏まえて、「痛い」という部分は「痛が」り、「怯える」とこは「怯えている」ふうに、聞こえるような感情を込めた歌い方をしたという。

 ラストは、普段から低音でハーモニー作ることが多いKeikoが入った。「今回は特にすごくアルト(女声の低い声)な人に徹した1曲だなぁ」と、レコーディングを振り返った。特に、一番初めの歌いだしはKeikoの声からスタートするため、梶浦と、どこの言葉にポイントを置くかなど、細かく相談して決めていったそうで、「言葉をしゃべるように、バラードと同じような思い」で、発音にすごく気をつけたという。

 3人の重なったコーラスを全て聞いたときにWakanaは、「それぞれのいいところがたくさん出ていて、梶浦さんは今回の楽曲に、いろんなものを盛り込んでくれたんだな。いまのKalafinaにできることをすごく、入れ込んでくれた曲だ」と、あらためて思った。

 Keikoも、「1人1人の役割分担がある中での、ちゃんとハーモニーとしてつくらなきゃいけないなという意識があったので、今回のレコーディングでは、自分の役割をちゃんと全うする場所と、2人の声を聴いて、新しく自分の表現を作っていくところと、2パターンあった。今のKalafinaらしさが凄く出た1曲になりました」と、自信を持って語った。

 Hikaruは、「今回、私としては珍しく裏メロで造語(梶浦楽曲ではしばしば登場するどこの国の言語でもない言葉)を歌ったんですけど、自分の中でも新しい挑戦の曲だと思ったし、いつも2人がやってくれているようなパートをやるのも新鮮な感じでよかった」と、いつもと違うハーモニーの完成を楽しんだ。

Kalafina、5000人の前で新曲披露!「始まりへ」という思いを込めて歌っている

 同新曲は、弊社サイトでもお伝えしたが、2月4日、東京・渋谷公会堂で行われた全国ツアー「Kalafina LIVE TOUR 2012 “After Eden”」のファイナルライブで、ファンにサプライズで初お披露目された。

 さらに、梶浦から、「この曲は、強さを元々持っている曲だから、押し出して歌おうとか、余計なものを付け加えなくていいんだよ」と、言っていたことの意味がわかったそうで、パワーが「にじみ出てくる」のをひしひしと感じたという。

 Keikoは、「これからこの『to the beginning』が、Kalafinaのライブの中で、どの立ち位置に来るか」興味があるそうで、アッパーチューンだけれども、お祭り的に盛り上がる曲ではないと思っているという。

 「(この新曲は)いわゆる、ライブで盛り上がる“お祭り的な場所”の立ち位置ではないと思っています。ライブでは、お客さんを引っ張っていかなきゃいけないと思っているんですけど、Kalafinaの曲は、盛り上がり方がお客さんそれぞれなのでこの『to the beginning』が、どうなっていくのかは、お客さんが、どう聴きたいのかを大事にしていきたい」と、ファンと一緒に成長していくのか楽しみだという。

 注目の衣装は、ライブでは赤に金のベルトという色使いだったが、ジャケットを見ると、黒とワインレッド系の赤にブラウンなどがうまく取り混ぜられている。

 Keikoは、「元々モノトーンを使用した衣装が多かったので、様々な色を一度に取り入れるのは、私たちの中でも冒険ではありました。衣装もコルセットの部分で中世・ヨーロッパのイメージや、フォークロアな『光の旋律』『storia』な感じのイメージもあるんですけど、『Magia』あたりからちょっとハードになってきて、皮とか使いだしてきて、『Kalafina、最近、クールだな。でも、コルセットは外さないんだ』みたいなところがあって、ブレないものというのは、そのままでいたい」と、力を込めた。

 さらに、「初めて見た方も、デビューからファンでいて下さっている方にも、『Kalafinaって、音楽性でも衣装でもブレない部分あるよね』と、思ってもらいたい。そういうアーティストでいたいので、そこから、今回の色みたいな感じで、いろんなことに挑戦していきたい」と、熱く語った。

 これまでの全てが合わさった衣装と楽曲でもあると、5年間の軌跡が凝縮している中でも、「Kalafinaでは初めて豹柄のプリントも混じっている」など、歌でも衣装でも、今までの集大成を示しつつ新たな挑戦というメッセージも込められ、Kalafinaのハーモニーのように、今までの活動の上に新たなものを重ねていくというコンセプトが詰まっている。

 昨年2月に発売された9thシングル『Magia』が、オリコンデイリーチャートで5位。ウィークリーチャートで7位を獲得。昨年9月に発売した3rdアルバム『After Eden』が、オリコンデイリーチャートで1位、ウィークリーチャートでも3位を獲得するなど、“Kalafinaキテる”を印象付けるものとなった。

Kalafina、5000人の前で新曲披露!「始まりへ」という思いを込めて歌っている

 今回の新曲の反応はというと、Wakanaは、「新曲を初披露した、2月のライブのファイナルの時のアンケートで、お客様の声として、これから聞きたい楽曲の項目に、『新曲、もっとききたい』とか、ラジオで新曲を流した時も、アニメ版はテレビバージョンなので、『初めて2番まで、最後まで聴けました』という声を聴くと、早く発売したいと思ってしまう」と、早く届けたいと思う気持ちにあふれているという。

 また、カップリングの『満天』は アニメの中でかかっている劇伴をモチーフにした曲で、新たに梶浦が、歌詞をつけたもの。

 Wakanaは、「『to the beginning』は男性的で、満点は女性的と、個人的に感じました。感情を込めて情熱的に歌っている。盛り上がりを意識した曲だけど、似ているようで全然違う曲」と、感想を語った。

 Keikoは、「歌詞の世界観もそうだし、メロディーを聞いたときの自分が想像を膨らませる世界観が自由に広がっていく感じ。これこそがこれがKalafinaなんだ!」と、思ったそうで、目の前に景色が自然と広がる音楽性が多いKalafinaの音楽の特徴が出ている作品という。「ハーモニーとコーラスワークを存分に聴いてもらえる曲になりました」と、自信を持った。

 Hikaruは、「『to the beginning』はトゲトゲした曲で、『満点』はそこから考えると丸く優しい感じ。最初にWakana、Keikoのハーモニーから入ってきて。世界が広がり、景色が見える。本当に魅せてあげたいぐらいの綺麗な景色で、鳥肌が立ちました。星空がいっきにみえて、メロディーがフワッとして、芯の強い声で歌っているので、心に響きやすいのかな。『満天』はハーモニーがキレイにハマると嬉しいし、感動すると自負がある」と、自身まんまに語り、3人とも、早く、ファンのみんなに聞いてほしい曲と語った。

 最後にHikaruが、「Kalafina、5年目なんですけど、まだまだこれからやることたくさんあるし、そういう意味で、『to the beginning(=始まりへ…)』で、スタートさせてもらえてよかったなと思っていて、梶浦さんも5年目だからこそ作った楽曲だと思うので、この曲をひっさげてライブもやっていきますし、これからやれることを探究しながら、やってきたことをちゃんとやって、Kalafinaという存在をたくさんの人に知ってもらえるように活動していきたいなと思います。

 同新曲は、通常盤 (CD) 1200円(税込)
 初回生産限定盤A (CD+DVD) ビデオクリップ 1500円(税込)
 初回生産限定盤B (CD+Blu-ray)ビデオクリップ 1700円(税込)
 期間生産限定盤 (CD+DVD) 『Fate/Zero』Mix ver. ビデオクリップ1500円(税込)
で、18日より発売開始された。

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