
俳優・堺雅人(38)が22日、都内で行われた『第3回 日本シアタースタッフ映画祭』の授賞式に、女優・井上真央(25)、脚本家で監督の三谷幸喜(50)、西田敏行(64)、染谷将太(19)らとともに出席。素朴なファン目線の質問に、いつもと勝手が違う受賞たちは、目を白黒させたり、爆笑したりと、肩の力を抜いた感じの表彰式となった。
映画『ツレがうつになりまして。』で主演男優賞に輝いた堺は、第1回目の同映画際でも主演男優賞を獲得。今回が2回目ということからか、堺の大ファンという映画館スタッフの質問者が、「ご無沙汰しております」とあいさつし、笑わせる。
堺の上に妻役の宮崎あおいが乗っかるというCMスポットを見た客から、「(妻役の)宮崎あおいになりたい」と言っていたと聞かされた堺は、「(そのCM)見たことないです」と、テレた。また、「自分の作品は恥ずかしいので劇場で見ない」と言う堺に対して、同スタッフから、「ぜひ劇場に来てください」と切望され、「次の休みの日には映画館に行きます」と、思わず答えていた。
映画『ヒミズ』に主演し、新人賞を獲得した染谷は、「本当に命懸けでやっていたので死ななくてよかった。過酷だけど楽しかった」と、現場を振り返った。映画館スタッフから、「絵具は本当に食べているんですか?暴力シーンは?」と問われ、「絵具は本当に食べました。食べてみなくても分かっていたんですけど、不味かった。暴力シーンは、普通は、段取りがあるんですけど、この時はアドリブで蹴って殴ってだったので、役者がケガしないか。骨折れなくてセーフというモノだった」と、舞台裏を語った。

映画『ステキな金縛り』で助演男優賞を受賞した西田は、「一番見ていただきたいお客さんの最前線で働く方たちが選んだ賞なので、どんな偉い批評家の方からいただくより嬉しい賞です」と感激。
そんな西田に映画館スタッフから、「幽霊の武将という役は初めてだと思いますが、役作りは?」という質問。西田は、「幽霊の武将役が5回目ですと言う人はなかなか」と、笑わせつつ、「三谷監督の現場は、地に足がついているんじゃなく、常に5?6センチ浮いているような空気感。そういった現場の雰囲気の中から、出来上がっていく」と、答えた。
その三谷監督は、映画『ステキな金縛り』で、作品賞にあたるグランシャリオ賞と監督賞に選ばれ、「映画館のスタッフは、僕らにとっては仲間です。その仲間からもらえるこの賞が一番嬉しい。でも、アカデミー賞もほしいです」と、笑わせた。

また、次回作については、すでに台本を書いているそうで、「今までとは違うジャンルのものをやりたい。オリジナルで」と、ほんの一端を明かした。
これから公開される映画、期待作10選のひとつに選ばれた映画『わが母の記』原田眞人監督(61)と、俳優・三浦貴大(26)が登壇。ほかには、映画『ロボット』(5月12日より公開)、『宇宙兄弟』(5月5日より公開)、『ポテチ』(5月12日より公開)、『シグナル 月曜日のルカ』(6月9日より公開)、『愛と誠』(6月16日より公開)、『苦役列車』(7月14日より公開)、『おおかみこどもの雨と雷』(7月21日より公開)、『ダークナイト ライジング』(7月28日より公開)、『鍵泥棒のメソッド』(9月15日より公開)が推薦された。
同映画祭は、大手シネコンから独立単館系まで、全国の映画館で働くすべての人を対象に、522票の有効票を得て決定されるという映画ファンに一番近い賞といわれている。運営も映画館のスタッフが手作りで開催するとあって、賞状を読み上げるときや記念品の授与も、普段、憧れのスターを目の前にして、緊張から、ぎこちないものとなり、質問もファン目線のものが多く、初々しい雰囲気が特徴の授賞式でもある。
【各受賞者及び作品名】
グランシャリオ賞 映画『ステキな金縛り』
主演男優賞 堺雅人『ツレがうつになりまして。』
主演女優賞 井上真央『八日目の蝉』
助演男優賞 西田敏行『ステキな金縛り』
助演女優賞 長澤まさみ『モテキ』(授賞式は欠席)
グランシャリオ新人賞 染谷将太『ヒミズ』
監督賞 三谷幸喜『ステキな金縛り』
脚本賞 向井康介『マイ・バック・ページ』
音楽賞 武部聡志『コクリコ坂から』






