女優・清野菜名（20）、田中日奈子（18）、吉永アユリ（18）、花影香音（18）が25日、東京・新宿バルト9で映画『東京無国籍少女』（監督：押井守／配給：東映ビデオ）初日舞台あいさつを押井監督（63）とともに開いた。
芸術系の女子校を舞台に、かつて天才芸術家と持てはやされた藍（清野）は、事故に遭った影響で心に傷を負い孤立化していた。しかし、校長はそんな彼女を広告塔に利用しようと、専門の病院には入れず、すべてを黙認して学校に通わせる。担任は苦々しく思い、同級生は嫉妬を募らせていく。ラスト15分は衝撃の展開でも話題となりそうな作品だ。
制服姿のほかキャスト3人とともに登場した清野。作品へ「プレッシャーはあったんですけど、最後まで藍を演じきることができました」と、ベストを尽くせたそう。
台本をもらったときの話題となると、清野は、「台本の内容がすごい薄くて、プロットだったんです。ですから、不安で不安でしょうがなかった。監督が『現場でいろいろ付け足していくから』と言われてもっと不安になって（苦笑）。クランクインした日は不安でしかなかったですね」と、ひたすら不安だったそうで、田中も、「情景描写の文しかほとんどなかった」と、しみじみ。
さらに、花影まで「押井監督は何を考えているか分からなくて、何を求めているんだろうと不安しかなくて」と、始まる前はやたらと“不安“が多かったという。
しかし、現場に入ると、押井監督は全然違っていたという。清野は「感情の部分で分かるまで何度も何度も分かるまで教えてくれて、やりやすくて」と、丁寧な演技指導があったことで助かったそう。それでも、「（押井監督の）声が小さくて。現場に入ったら空気も悪かったのでマスクをしてたんです。口元を見て、何を言っているか感じを掴んでいたんですけど、それができなくなって（苦笑）」と、苦労したこともあったのだとか。
これに押井監督は、「そんなに小さいかな（苦笑）。近づいて話をするのもいいよね」と、ニンマリ。さらに、「台本は薄かったんですけど、不安というのは悪くない。そういう世界を描いているので。どうしたらいいんだろうというのはこちら側にもあった」と、うまく演出にハマったそうだ。
現場について押井監督は「怒声罵声は絶対禁止と。それは現場が緊張しちゃうので。あとは、スタッフよりも女の子たちが30人くらいと多くて、とにかくうるさい（笑）。そこで部屋を離してくれと（笑）。リアル女子高生が多くて、これまでおじさんおばさんとしか付き合ってこなかったので、何を喜んでいるのか分からない（苦笑）」と、ジェネレーションギャップも感じていたそう。
さらに、押井監督は清野以外のキャストについて「名前と顔を覚えるのに必死でした」と告白すると、花影が「監督私たちの名前覚えてますか？」と、“禁断の質問”をして、苦笑いすることも。結果、吉永に対して、名前は覚えていたものの役名は忘れられるというオチもつけ、会場は盛り上がっていた。
また、見どころの1つとなるアクションシーンについて、準備期間3日で演じることになるという強行軍だったそうだが、「アクションシーンは映画が完成したときは、自分で言っていいか分からないけど、格好いいなと思いましたね」と、相当に胸を張れるものだったそうで、田中も「アクションがかっこよかった！」といえば花影も「一緒に戦いたかった」とも。
今後について、清野は「撮影中から監督の魅力に引き込まれていて、別の作品でもご一緒したい」と、ラブコールを送ると、押井監督も「やりましょう！」と快諾。そして、押井監督から、「前半を耐えきれれば面白いと思います。前半は（寝て）落ちてもかまいません（笑）。後半は十分満足いただけたでしょうか？」と、問いかけると客席から拍手が寄せられるなどしていた。
終了間際には、押井監督から4人へ花束が贈られた上、清野にはなんとセグウェイもプレゼント。これに、清野は大喜びで満面の笑みを浮かべていた。
映画『東京無国籍少女』は25日より上映中！
