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堀内賢雄“ジャイアン”たてかべ和也さんへメッセージ!「私にとって日本一の師匠でした!」【通夜あいさつ全文】

堀内賢雄 たてかべ和也さんは「私にとって日本一の師匠でした!」【通夜あいさつ全文】
堀内賢雄が葬儀委員長としてあいさつに立った

 今月18日に亡くなった声優・たてかべ和也さん(享年80)の葬儀・通夜が23日夜、東京・青山葬儀所で営まれ、かつての共演者や親交のあった方々が約900人参列し、その死を悼んだ。

 たてかべさんはアニメ『ドラえもん』の初代ジャイアン役や『ヤッターマン』のトンズラー役などを筆頭に、どこか憎めない役を演じることが多く数々の作品で親しまれた。お酒が好きだったということから、焼香ではなく日本酒による献杯という形で葬儀委員長を務めるケンユウオフィスの堀内賢雄らの「楽しく送ってあげたい」という思いも込められた。

 式が始まり、まずは堀内からあいさつがなされた。

 ■堀内賢雄あいさつ全文
 かべさん。泣かないでやりますので聴いていていください。

 本日はお忙しい中、故・たてかべ和也の葬儀にご列席くださりましてありがとうございます。心から、心からお礼申し上げます。

 私は1983年たてかべ和也が代表であった、オフィス央に所属させて頂いて以来、永きに渡り、一緒に人生を歩んでまいりました。当時の私は未熟者で、すべてにおいてうまくいかず、落ち込むばかりでした。そんな私を優しく、包み込むような、大きな愛で勇気づけてくれたのは、(『はじめ人間ギャートルズ』の)ドテチンであり、(『ど根性ガエル』の)ゴリライモであり、(『ヤッターマン』の)トンズラーであり、ジャイアンであるたてかべ和也でした。

 その大きな愛はたくさんの人に注がれ、数え切れないほどの才能を開花させてきました。また、この業界だけではなく、それ以外の方との交友関係が広く、時間が合えば結婚式などにも出席し、『♪おれはジャイアン~』と豪快に歌い、場を盛り上げている姿が今も目に浮かびます。

 人が好きで、人が喜ぶ顔がもっともっと好きで。私はたてかべ和也は病気とは無縁だと思っておりました。そんなたてかべが胃の不調を訴えたのは2009年でした。検査の結果はスキルス性の胃がん、ステージ4いわゆる末期がんでした。余命半年を宣告されました。途方に暮れる私たちをよそに、本人は至って、楽観的に見えましたが、今から思うと、私たちを不安がらせまいとするたてかべの優しさでした。

 私たちは必死に奇跡が起こることを信じました。そして奇跡が起こりました。胃の全摘出とはなりましたが、手術は大成功し、その後も順調に回復し、仕事にも復帰し日常になんの不安もなく暮らせるようになりました。それから6年、仕事もこなしボランティアにも参加し、昔のままの元気を取り戻したように見えましたが、今年に入ってから徐々に体調を崩し、2015年6月18日、親しい人たちに囲まれ旅立って行きました。

 亡くなる数分前に私たちに見せてくれた、2回の笑顔、そして大きく、ゆっくり開けた口が私には「ありがとう」と言ったように見えました。13時49分享年80、見事な旅立ちでした。今後は、教えを再度胸に刻み、後進の育成そして、この業界のために歩んでいきたいと思います。

 最後になりますが、本日、ご会葬のみなさまにお願いがございます。ご献杯の際にはたてかべ和也に最高の笑顔を見せてあげてください。きっと、それがご本人が一番喜ぶと思います。よろしくお願いします。

 みなさま、たてかべ和也は私にとって日本一の師匠でした!

 ありがとうございました。

堀内賢雄 たてかべ和也さんは「私にとって日本一の師匠でした!」【通夜あいさつ全文】

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