アニメーション作品『機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル』のプレミア上映会が15日、東京・日比谷公会堂で開かれキャスバル・レム・ダイクン役の田中真弓、アルテイシア・ソム・ダイクン役の潘めぐみ、シャア・アズナブル役の池田秀一、安彦良和総監督が登壇し、アニメーションのことを始め、アフレコ、裏話などさまざまなトークを繰り広げた。
『機動戦士ガンダム』の世界観の深く掘り下げている作品で、同作の時代の少し前となる宇宙世紀0068年に起こった出来事が描かれている作品。ジオン・ズム・ダイクンの遺児となったキャスバルとアルテイシアの激動の時代を象徴するような数奇な運命が幕を開ける。
上映終了後にトークショーが開催。安彦総監督がアニメの世界にかかわるのは25年ぶりとなるが、「ガンダムの歴史がここから始まる。1つのスタンダードになれば僕としても幸せなことだと思っています」と、思いを語り、作品へは、「ご覧の出来です。僕は満足しています。20年アニメをやっていて、満足だと思えるものが作れなくてアニメをやめましたが、満足だと言えるものができました。非常に幸せに思っております」と、胸を張る。
さらに、安彦総監督は、「かつて一緒に仕事を人たちに失礼になるかもしれませんが」と誤解のないように前置きしつつ、「初めて自分の身の丈を超えるものを作って頂いたなと。非常に分厚いタッフの方々のおかげだと。その分厚い体制を整えてくださったサンライズさんのおかげだと思っています」と、作品スタッフへ感謝を捧げた。
本作で初めて『ガンダム』シリーズに携わることとなった田中は、「感無量です。めちゃめちゃ緊張しました。私もキャリアが長いのでちょっとやそっとのことで緊張しないようになってましたが、今回は本当にみんな緊張していました。ガンダムっていう特別なものの中に初めて頂いて、あらぬ緊張をしました」と、しみじみ。実際に、アフレコ終了後に池田と飲みに行こうと田中の方から誘っていたそうだが、アフレコ終了後には「『池田さんもうダメだわ』ってなってました」と、池田が田中の様子を明かすことに。そんなプレッシャーのある本作だけに、潘が、「ガンダムのGは重力のGだと思います」と、うまくまとめ、これには3人も感心していた。
ほかにも、キャスティングのことに話が及び、安彦総監督は、「25年現場を離れていたので、失礼なことだとは思うのですが、キャスティングいかに贅沢かというのは分からないんです。『ギャラ高い人ばっかりだよ』というので贅沢をさせて頂いています。その中でも田中さんは僕が唯一やってほしいとお願いしてゴリ押ししたんです。それでも、僕が言ったのになぜかオーディション受けてて、それでも田中さんが役を引き受けてくれたのが嬉しかったです」と、裏話を披露することもあった。
最後に池田は、「青い瞳のキャスバルから赤い彗星のシャア・アズナブルへこれからみなさんと体験していきたいと思います。いい作品にしたいと思っています。また、お付き合い頂ければこんなに光栄なことはありません」と呼びかけ、田中は、「ガンダム初心者として、THE ORIGINから初めてという私みたいな人って結構いると思うんです。THE ORIGINから一緒に観てほしいと思います」と、アピール。潘も、「ガンダムの世界は実際の私達の世界とは違うかもしれませんが、描かれる人の思いとか政治だったり事件は私達の現実の傍らにあると思いますし、36年経っても人の思いは変わらないんだと感じています。みなさんとこれから一緒にガンダムを歩んでいければと思っています」と、気持ちをコメント。
そして安彦総監督から、「いま第2章を制作しています。まもなくアフレコの日もやってくると思います。今回は（アフレコで）楽をしていた池田さんを過酷に責め立てることになると思います（笑）。変声期が終わったばかりのキャスバルに挑戦します。お楽しみにお待ちください」と、少しだけ予告すると池田は、「お手柔らかに」と、戦々恐々だった。
アニメーション作品『機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ 青い瞳のキャスバル』は28日から3月13日に2週間限定で全国13館にてイベント上映！
