人気脚本家・虚淵玄氏が15日、東京・新宿バルト9でオリジナルアニメーション劇場作『楽園追放―Expelled from Paradise―』(監督:水島精二/配給:ティ・ジョイ)初日舞台あいさつにアンジェラ役・釘宮理恵、ディンゴ役・三木眞一郎、フロンティアセッター役・神谷浩史、歌手・ELISA、水島監督とともに登壇した。
人類の多くが地上を捨て、データとなり電脳世界・ディーヴァで暮らすようになっている、西暦2400年を舞台にした作品。ある日、ディーヴァがナノハザードにより廃墟と化した地上世界から謎のハッキングを受けることとなり、そのハッキングの主は、フロンティアセッターと名乗る。ディーヴァの捜査官・アンジェラはその捜査を命じられ、生身の体・マテリアルボディを身にまとい、地上世界へ降り、地上捜査官・ディンゴとともにフロンティアセッターの捜査を開始するのだがその先には……。ヒットメーカーの虚淵氏による脚本、『機動戦士ガンダムOO』の水島監督というトップクリエイターが初タッグを組み、アニメーションの新たな可能性を感じさせる仕上がりとなっている。
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虚淵氏は当初、登壇予定がなかったため、あいさつ中盤で司会から事前のコメントを代読することとなり、「水島さんとの初対面はお台場ガンダムの足下。その足でトランスフォーマーの映画を見に行ったのが思い出です。そんな出会いだったのだから、お互いにロボットSFを作ることになるのは運命だったのでしょう。待ちに待った成果の日の訪れを、僕も嬉しく思っています」と、メッセージが読み上げられる。
これに水島監督は、「『機動戦士ガンダム00』の後にみんなでお台場に行こうとなって、そのときの助監督が虚淵さんと仕事をしたことがあって、一緒に来てもらったのがきっかけです」と、顔合わせエピソードを披露。
そんなトークのさなか、虚淵氏が息を切らせながら「間に合いました」と、サプライズで舞台上に飛び入り!「映画館の下にある『楽園追放』の看板を見てきたのですが胸にグッと来ました。テレビ作品の映画化は経験がありましたけど、ゼロから劇場にかかわるのは初めてだった」と、胸いっぱいの思いを。
作品づくりについては、水島監督らスタッフと顔を突き合わせながら決めていったそうで「その場でキャラデザインを決めたり、モデリングを組んだりしていきました。いま考えると贅沢というか、始まる前からキャストのメドがあったというのは初めてでした」と、初体験が多いものになったそうだ。
最後に虚淵氏は、「一番最初の朝の舞台あいさつに、こんなに多くの方に来ていただけて感無量です」と、感謝を観客に伝えると、「2時間の作品って、(虚淵氏の作品が)初めましてという方に一番助かるんです。この前も、先輩の作家の方に、『君の作品をまず、何から観ればいい?』と言われて、いろいろ考えたんです。テレビシリーズとか続き物の小説とかどれも敷居高いなぁと思った時に、15日からの映画お願いしますと言いました。これからいろんなところで言える作品が手に入ったのは本当に嬉しく思います。まさに代表作としてこれから名刺となると思います!」と、勢い良く語っていた。
劇場作『楽園追放―Expelled from Paradise―』は11月15日より新宿バルト9ほか絶賛上映中!
※虚淵氏の写真は飛び入りだったためフォトセッションには不参加。