ファッション雑誌『KERA』の読者モデルで歌手の春奈るな（22）が9日、都内で行われた『第11回ベストデビュタント賞』の授与式に出席した。
同賞は、一般社団法人日本メンズファッション協会が若手クリエイターを応援する趣旨のもと若手育成プログラムの一環として2004年度に設立し、今年で11年目を迎えるアワード。
選考基準は「世界に通用するポテンシャリティーを有していること」「独自性・創造性において類を見ない才能を持っている人」「ソフト立国日本において、今後、大きな活躍が見込まれていること」「次なる世代にむけて夢や希望を与えることのできるスター性を持っていること」の4つ。
デビューを飾った新人クリエイター＆アーティストたちの中から、特に今年1年の活動が社会・文化・業界・一般の方々に支持され、影響を与え、将来を期待されるアーティストたちを「ファッション部門」「空間・インテリアデザイン部門」「映像・グラフィック・アート部門」「音楽部門」の各部門で選出する。
「音楽部門」で受賞した春奈は、「こういう賞をいただくのは人生で初めてで。学校でも表彰された記憶がないので嬉しい限りです。ここにいるのは、みなさんのおかげだと思っています。2年前までは秋葉原を歩いている女の子だったんですけど、夢は絶対に諦めなければ叶うと信じている。希望、夢を自分の歌で伝えていければと思っています」と、感謝の言葉を。
審査委員長のアーティストでクリエイティブ・ディレクターのタナカノリユキ氏は、「新しい時代のグローバリズムの代表選手としてこれからどんどん伸びていって欲しい」と、期待を寄せた。
授賞式後のトークショーで、アニソン歌手を目指したきっかけについて春奈は、「アニメがとってもとっても大好き。幼い時に聞いた『セーラームーン』の楽曲を聞いた時に、その時に感じたもの、アニメのシーン、季節、臭いを一気に思い出させてくれる力があって、アニメソングはこんな素晴らしい力を持っているんだなと、幼いながらに感じていた」ため、アニメソングを歌っていきたいと強く思うようになったという。
その後、ボイストレーニングやオーディションを受け、4年前に「全日本アニソングランプリ」に出て、ファイナリストとして残ったことがデビューのきっかけとなった。
8月に発売したシングル、TVアニメ『ソードアート・オンラインII』のテーマソングでは、自身初の表題曲での作詞もしているが、「アニメの世界観を壊さないようにしようと。原作の本を呼んで、キャラが抱いている心情をメモ帳に書きながら、一度メロデイーラインがない詩を書いて、それをメロディーに合わせて詩を形にしていきました。アニメを知らない方でも勇気になれば、希望になればいいといつも考えているので、そういうのをコンセプトにしながら歌詞を書きながら、心をこめて歌を歌わせて頂いてます」と、明かした。
歌を歌う上でいつも意識していることは「ギャップ」。もうすぐ23歳になる春奈だが、「基本、中学生と言われちゃうんですよ。居酒屋に行っても、年齢確認されて入れてもらえないぐらい、幼顔に見られるんです。見た目とは裏腹な図太い声だしたりして、聞いてくれている人に楽しんでいただければいいなぁと思って歌っています」と、語った。
今年は、6月に「Anime NEXT2014」＠アメリカ・ニュージャージー、7月に「Anison Dream Stage 2014」＠中国・香港（特別行政区）、8月に「AnimagiC」＠ドイツ・ボンと「AFA2014」＠インドネシア・ジャカルタなど、海外で行われたアニメイベントに出演してきた。
春奈は、「海外は去年のシアトルが初めてで、こういう活動で人生始めての海外に連れていっていただけたので、毎回噛みしめて歌わせて頂いている。各国でノリ方がぜんぜん違うんですよ。アジアは、日本に似てて、サイリウムをリズムに合わせて振るんですけど、アメリカは自由で、リズムを無視して騒ぐなど、各国の違いが面白くて新鮮な気持ちで歌ってます」と、各国の様子を紹介した。
トークショー後に行われたミニライブでは、デビュー曲の『空は高く風は歌う』と8月に発売した人気TVアニメ『ソードアート・オンラインII』のエンディング曲『Startear』の2曲を披露。
水色のファーが付いたノースリーブトップスに、裾が広がったミニスカートと、幼いルックスと相まって、どこからみても“アイドル”然としたたたずまい。だがいざ、歌い出すと、話すときの可愛らしい声と、歌うときの図太い声、高音の伸びがあって、パンチ力のある歌唱力。初めて聞くであろう関係者の“大人たち”は、春奈が繰り出す「ギャップ」の世界観に魅了され、審査委員たちは納得した様子で聞き入り、ライブ終了とともに会場から大きな拍手が起こった。
受賞後に、あらためて、「今までの学校生活の中でもこういう賞を頂いたことがなかったので、今日は人生初の賞をこんな素敵な場所、素敵な方々と一緒に頂くことができて、本当に光栄で幸せでした。これからも自分の歌を通じて、アニメの良さやチカラや勇気を与えられるようなアーティストに今後ともなっていきたいと思っております。またこういった素敵な賞を頂けるよう頑張っていきますので、これからも春奈るなのことを見守っていただけると幸いです」とのコメントを寄せた。
12月12日には、初となるホールワンマンライブを渋谷公会堂で行うなど、今後さらなる飛躍が期待されるアーティストとして注目だ。
≪第11回ベストデビュタント賞受賞者≫
・ファッション部門：松井 征心（ファッションデザイナー）
・空間・インテリアデザイン部門：畝森 泰行（建築家）
・映像・グラフィック・アート部門：はしもと みお（彫刻家）
・音楽部門：春奈 るな（アーティスト）
