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中村蒼 初の弁護士役は成長なし!?毎作品に挫折感じている意外な素顔とは【インタビュー・前編】

中村蒼 初の弁護士役は成長なし!?毎作品に挫折感じている意外な素顔とは【インタビュー・前編】
中村蒼が意外な素顔を見せることに

 人気若手俳優・中村蒼(23)が8月31日から放送される連続ドラマW『罪人の嘘』(WOWOW、日曜・午後10時~)に出演する。

 本作は、俳優・伊藤英明(38)演じる裁判に勝つためなら手段を選ばない悪名高い高級弁護士・笠原卓也の栄光と闇を描いたリーガル・サスペンスドラマ。笠原とは対照的に正義というものを持つ人情派弁護士・楠之瀬正志を滝藤賢一(37)が務めるといった、豪華実力派らが重厚なドラマを紡いでいく作品となる。その中で、中村は笠原のアシスタントで東京アサイズ法律事務所の新米弁護士・広瀬祐として登場する。

 まだ、弁護士として何の価値観にも染まっていない広瀬という役は、完成された哲学を持つ笠原や楠之瀬とは別に視聴者が感情移入しやすい立場で、ドラマを際立たせる重要な役どころの1つ。昨年にはNHK大河ドラマ『八重の桜』への出演、今年に入っては映画『東京難民』主演、ドラマ『アリスの刺』への出演など、人気若手俳優としてさまざまな役を演じている中村だが、本作の広瀬という役に、何を見出したのだろうか?7月初旬都内スタジオで中村に話を聞くと意外な素顔も見せた。

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 ――オファーが来た時の感想は?
 出演者の方々が豪華で、本当にWOWOWさんらしい、普通のドラマじゃ描けないような闇の部分が描かれていて、骨太なドラマだなって感じました。

 ――初の弁護士役はどう思われましたか?
 背筋が伸びる思いでした。それに、人の人生を託されているというか。僕はアシスタントの役なので、責任は少しだけですが、それでもとても責任重大な仕事だなと思いました。こっちもどんな手段でも勝たないといけないという笠原さんの方法みたいなのは、普通に見たら冷たくて、ひどい人かもしれません。けれど、それくらいしないといけないぐらいの責任のある仕事なんだなというふうには思いました。

 ――広瀬という役はいかがでしたか?
 笠原弁護士とは違った、まだまだ弁護士の本当の姿を知らないし、夢を持って、仕事をしている真っ直ぐな、変に染まっていない人物だと思います。

 ――そんな広瀬とご自身が似ていると思う部分は?
 広瀬の考えとか目線ですね。普段の僕と考えが似ていると思うんですよ。弁護士ってなんなんだろうとか、正義ってなんなんだろうとか、みたいなことを純粋に考えてしまうんです。そういう疑問に思う姿とか、理想と現実の違いみたいなのにがっかりする気持ちとか、そういう部分は理解できます。

 ――印象的なセリフは?
 広瀬が初めて弁護士として法廷に立って話をするシーンがあるんです。けれど、全然ダメなんです(苦笑)。その後に、笠原さんと会うシーンがあるんですけど、そこで初めて、「弁護士というのは弁護士という役を演じるということだ」と言われるんです。それはすごく印象に残っているというか、広瀬も、ああそういう仕事なんだと気づく部分でもありますし、無機質に冷酷にこれまで人を弁護してきた笠原さんもきっと心の底では、思ってもいないことを演じてやってきたんだということが分かるシーンでしたね。

 ――演じるという部分では弁護士と俳優が似ていると感じられたのでは?
 そうですね。演じるということに、自分の感じている感情とは違う感情へ持っていった上で、人を演じるというのはすごく似ているんじゃないかなと思います。あとは、法廷に立ったら、裁判官、相手の弁護士、検事、傍聴人とかいろんな人が見ている中でしゃべるというのもすごく似ているなと思いますね。

 ――広瀬を演じてみて弁護士への印象というのは変わりましたか?
 淡々としているものなのかと思ったんですけど、弁護する方にも人の気持ちがあって、そんな心境なんだなというのは感じました。学ぶものは多かった感じがします。

 ――1話から5話までを通して広瀬はどうなっていく感じですか?
 広瀬は弁護士としては成長できなくて、理想と現実が違うというのを感じることになります。でも、そういう世界を見て、1つ学んで人間的には成長したと思うんです。成長した姿は見せることはできないと思うんですが、成長するまでの挫折というのを、今回、味わいます。そんな中、広瀬が抱く疑問とか謎というのは、視聴者の方々が思う疑問だと思いますので、広瀬に感情移入してもらって、観てもらえたらと思っています。

 ――挫折とおっしゃいましたが、広瀬のような挫折をご自身が味わったことは?
 全然あると思っています(苦笑)。毎回、毎回、いろんな作品の初日って緊張するんです。今度こそうまくやろうと思うんですけれど、またダメだったということがあるので(苦笑)。いつまで経っても、ゴールがないというか、正解がない仕事をしているので、変な話かもしれませんが、毎作品、毎作品、挫折している感じです。どんな役でも全部、似ているようで、似ていないというか……。現場に立つ慣れとか自信は積み重なってきていますけど、技術的なことは、まだまだ不安定なんで、毎回、毎回、作品を迎える度に、またできなかったなとか思うことはすごく多いんです。

 ――広瀬という役を通じて視聴者の方に何か伝えられそうですか?
 広瀬は弁護士の正義って一体何なんだろうとか、いま自分がやろうとしている正義は、正しいのかというのを自分で自分に問いかけているんです。裁判って結果しか知ることができないですけど、人を弁護する人の気持ちはこういう気持ちなんだというのはきっと、広瀬を通じて伝えられたのではないかなと思っています。

 「中村蒼 ドラマ「罪人の嘘」の伊藤英明と滝藤賢一の背中に感じたものとは【インタビュー・後編】」へ。

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