俳優・妻夫木聡(33)が3月7日、東京・グランドプリンスホテル新高輪内で『第37回 日本アカデミー賞』授賞式に出演作の『東京家族』(監督:山田洋次/配給:松竹)で助演男優賞にノミネートされて登壇した。
爽やかな笑顔で優しくおおらかな性格の次男を好演した『東京物語』は、1953年の小津安二郎監督作品をリメイク。瀬戸内海の小島に暮らす老夫婦が、娘・息子のいる東京へ。しかし子どもたちは日々忙しく、両親をもてなすどころか押し付け合うばかりだった…。
西田「山田洋次監督とは初めて?」
妻夫木「初めてでしたね。とても厳しい監督だったんですけど、その厳しさが愛情からくる厳しさだったので、やっていて心地よかったですね」
西田「山田洋次監督は、夢中になってくると、『よーい、スタート』とかけるんですが、その前に、フッとあれもいっとかなきゃ、これもいっとかなきゃと思いつかれるんでしょうね。『よーい、その前にね』と言うんですけど、そういうことはなかったですか」
妻夫木「多々ありましたね(笑)」
樹木「それは単に年取っているということじゃないんですか。私ありますよ」
西田「僕もお若い時から存じ上げてますけど、そんな感じですよ。だから口の悪いスタッフは山田よーい監督って」
妻夫木「僕、その話を西田さんから聞いたんですよ」
西田「言ったの俺か」
妻夫木「でも、直前に行ってくれることが、すーっと心に浸みわたって、演じるときに自然とその役の感情で演じることが出来たりしたので、演出は僕自身は助かりました」
西田「この作品は山田監督の小津安二郎監督に対するオマージュみたいなところもあるし、作風がなんとなく演者も含め、『東京物語』に出てらっしゃるキャストとダブるようなところがいっぱい感じられて。妻夫木くんだけは新作の登場人物ということになるんですよね」
妻夫木「小津監督の『東京物語』の方では、亡くなっている設定でいなかったんですけど、僕だけ今回は生きているということの状態だったので、他の方よりも何も考えずに出来てよかったなぁ」