俳優・鈴木亮平（31）が16日、東京・新宿バルト9で映画『TOKYO TRIBE』（監督：園子温／配給：日活）完成披露試写にラッパーのYOUNG DAIS（32）、女優・清野菜名（19）、俳優・竹内力（50）、園監督（52）とともに登場した。
漫画家・井上三太原作の90年代ストリートカルチャーを描いた『TOKYO TRIBE2』が、園監督の手で実写映画化。近い未来の“トーキョー”にさまざまなトライブ（族）が存在し、そこに住む若者たちは街を暴力で支配しながらお互いの縄張りを守っていたが、ある事件をきっかけにその均衡が崩れ去りトーキョー全土を巻き込んだ一大バトルが勃発していく…。
世界初の“ラップバトルミュージカル作品”とキャストそれぞれが強調することとなったが、鈴木は慣れないその単語にうまく言えず、冒頭から園監督から駄目出しを受けるという展開で観客を笑わせながらあいさつがスタートすることに。
本作へ園監督は、「ラッパーをいっぱい出すとか、全部セリフをラップミュージカルにしちゃえと。全員がスタントなしで役者が全員アクションやっている。吹き替えなしでトライしてすごいことになっているんです。やってるうちに盛り上がってきて、行けるわと思いました。ブクロとかとか出てきますけど、本物の場所は出ないんです。全部オープンセットで街を作っちゃったんです。それを思いついた時にいけると思いました」と、熱気のコメント。
それでも園監督は、本作のオファーを受けたときのことを「自分じゃ無理だと思ったんですよ。ものすごい世界観ですからどうやって実写化するのかと思ったんです。最初は嫌だった。失敗するの間違いないと思って」と、弱気な部分もあったそうで、鈴木は、「初耳だね」とDAISとともに驚きの表情を見せると、「最初だよ。結果論はだよ！」と、園監督は必死の弁明で盛り上げることに。
当の鈴木はブクロをまとめるWU-RONZのメラを演じることとなったが、「園監督の映画に呼ばれるというのは嬉しかったですね。セリフをラップでしゃべってくれればいいからと言われて、それならできるかなと思って。実際にやったらできました」と、自信を伺わせた。
そんな少しゆるい雰囲気のあいさつとなったが、役作りはストイックに取り組んだという鈴木。「台本のト書きでTバック一丁で歌うメラ。日本刀でバッサバッサ切っていくメラというのがあって、Tバックでも強そうに見える体を作ろうと思ったときに、プロレスラーみたいな感じがいいと思ったんです。それで、必死にプロレスラーみたいな体型にしようと思って、過去最大の体重で10キロぐらいは増やしました。そしたら街で声掛けられて、『プロレスラーの人ですよね？』と声かけられてヨシ！と思いました」と、相当に力を入れたようだった。
さらに、「現場の一体感がすごくて、スタッフは、園監督がイメージするものを全力で作りあげようという気持ちが強かったですね。とても刺激的でした。俳優とラッパーが仲良くなったよね」と、鈴木が明かせばDAISも、「1個のシーンを6時間くらいかけてとたりして。お祭りみたいな感じで、あの一体感があったから、フュージョンしてミックスされたと思いますね」と、現場で生まれた連帯感を口にしていた。
終盤にはサプライズゲストの竹内が歌を口ずさみながら現れ、「普段爽やかな中年役が多いのでイメージ浸透していましたから僕ちゃん頑張ろうと思いました」と、うそぶいて場内を爆笑の渦に巻き込む。すると、鈴木は竹内の役を、「一目瞭然ですけど、いい意味で開いた口が塞がらなかったですね。メラと横に並ぶと、メラが普通の人に見えました」と、笑い、園監督も「映画評論家の方が人間じゃないと言ってました。もう違うもんだった。動物映画ってことですよ！」と、コメントすると場内には笑いがあふれていた。
最後に鈴木から、「世界で誰も作ったことがない映画は、誰も観たことない映画だと思います。今年観るべき1本になると思います！刺激の洪水のような映画です。体を揺らしながら観て頂けたら」とPRしていた映画『TOKYO TRIBE』は8月30日より新宿バルト9ほか全国ロードショー！
