
俳優・豊原功補(46)が11日、都内で主演映画『トテチータ・チキチータ』(監督:古勝敦/配給:アルゴ・ピクチャーズ)プレミア試写会に女優・松原智恵子(67)、俳優・葉山将之(16)、寿理菜(11)、プロデューサーの古勝たつ子氏、古川雅裕氏、古勝監督とともに登壇した。
倒産しかけの設計事務所を経営し、借金取りに追われる毎日を過ごす木村一徳(豊原)が、たまたま通りかかったレトロなおもちゃ屋に飾ってあった零戦をみていたことが縁で不思議な少女・凛と出会うことに。一徳はその後、請け負った仕事で福島・白河市に向かうこととなり、凛と再会。さらに、健人(葉山)と百合子(松原)とも出会い、凛が一徳は息子で健人は父、自分は母で、百合子が娘と言い出し奇妙な共同生活が始まる。そんな“家族”ではない家族が、東京大空襲と震災をオーバーラップさせ絆を紡いでゆくファンタジードラマに仕上がっており、同市でロケが敢行されているのも一つの見どころだ。
上映前にメイキング映像が放映され、その直後に黒いスーツ姿でスッキリと現れた豊原。「去年の秋、完成したこの映画を届けられて嬉しいです」と、披露への思いを。東日本大震災が起こってから7ヶ月の福島・白河市で撮影され、「出演者がそんなに多いわけじゃない。福島といってもホームセンターとかの撮影が多かった。滞在中は役づくりで孤独な時間が多かった」と、豊原は振り返る。
豊原とは違った視点で臨んでいた様子の、松原は、「地元の子供達や近所の奥さんが出演してくださって、みなさん元気でした」と、白河市の明るげな様子を。白河市在住の古川プロデューサーも、「みんな下なんか向いていない。割合普通ですよ」と、現状を訴える。
そんなさなか、松原はみかん箱を2箱買って、周囲にも差し入れていたそうで、「おかし食べていい?」と、地元の子供から聞かれたりして交流したそう。そうした食の話が飛び出すと、豊原は、「松原さんは食いしん坊なんですよ。すぐ近くにあったソバ屋さんに行きたいって言って、撮影を15分待ってもらって2人で食べに行ったりとか」と、暴露された松原は、恥ずかしさで豊原にパンチするそぶりで詰め寄ることも。
それでも、止まらない豊原は、「タクワンとかもおかわりしてましたよね。自家製のがおいしいよねって」と、食の話を続けることも。これに、東京育ちで普段はファストフードの多い食生活という葉山も、「炊き出しとかが美味しかったし、地元の料理もすごくおいしかった」と、楽しげだ。

笑いがあふれる中にも東日本大震災ということが刻まれている作品に、豊原は、「3月11日というぴったり丸1年の日。いまだに原発の問題とかは片付かないというのはある。僕のような役者風情が言うのはなんなんですが、この一時、新しい明日を歩いて、希望になるような道を歩んでいければ」と、思いを伝えると、松原も「震災から1年。大変だったことがいっぱいあると思う。元気になる何かのお手伝いができれば」と、被災地へエールを。
さらに、古川プロデューサーが、「福島をありのままに伝えています。撮った未来に後悔はないです。みなさんのお力を借りれるなら精いっぱい生きて未来を変えたい」と、声を震わせながら語った。
福島県内はすでに先行上映中で、4月7日より銀座シネパレス、横浜ニューテアトルほか全国順次公開。














