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ホリプロ代表・堀義貴氏「DEATH NOTE」ミュージカルで攻め!2020年代後半赤字転落予測に危機感

ホリプロ代表・堀義貴氏「DEATH NOTE」ミュージカルで攻め!2020年代後半赤字転落予想に危機感
堀義貴氏がホリプロの展望やミュージカル「DEATH NOTE」のことなどを語った

 ホリプロ代表取締役・堀義貴氏が29日、都内で開かれた『一般社団法人 日本2.5次元ミュージカル協会 第一回オープンセミナー』にネルケプランニング代表取締役・松田誠氏、マーベラスAQL代表取締役・中山晴喜氏、バンダイナムコライブクリエイティブ 代表取締役・井上俊次氏、ぴえろ代表取締役社長・本間道幸氏、エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ代表取締役社長・黒岩克巳氏、ゴーチ・ブラザーズ代表取締役・伊藤達哉氏とともに出席し、同社の現状を訴えるとともに展開などを語った。

 「2.5次元ミュージカル」とは古くは1974年の宝塚歌劇団による『ベルサイユのばら』を筆頭に、『BLEACH』、『弱虫ペダル』、『銀河英雄伝説』、『テニスの王子様』など、マンガ・アニメがミュージカル化されたもの。協会としては、作品のリサーチやその情報をメーリングリストでの発信、協会でノウハウの共有、海外へカタログ化しての売り込みなどの活動をしていくことを明かした。

 それぞれ集まった各社の思惑としては現状打破や、舞台の新たな可能性への期待を挙げることに。その中で堀氏は、「うちはこれまでいろいろな海外の舞台を翻訳とかしてきました。けど、とにかく悔しくてしょうがないのはほっといても向こうが儲かる。どれだけこちらが赤字になっても、ウエスト・エンドとブロードウェイは儲けが出るようになっていて、このままやっていると日本の演劇というのは、ずっと海外にお金を出し続けるということになってしまう。日本も右肩上がりというのではなくなってきているというなかで、ホリプロ全体としてホリプロが今のままでいくと、2020年台の後半には赤字に転落します。このまま黙ってコストカットをしていくのか、違うマーケットを攻めるのかと考えた時に、後者しか考えられないです。本当に厳しくなったらコスカットを厳しくすると思いますが、今だったらまだ間に合う。そこで、まだ演劇、映像、タレントのマネージメントで開拓されていないのはどこかといったら、海外。ホリプロは今までやっていないマーケットを攻める」と、危機感を訴えるとともに、強い思いを口にした。

 同社では2015年にミュージカル『DEATH NOTE』を控えているが、そのことにも触れ、「映画になったおかげで、世界中で知られるようになった。主演をやった藤原竜也は、海外公演で街のパブとかに居ても、話しかけられるほどで、海外公演向きだと思った。それで、海外公演のコンテンツを作ろうとなったときに『DEATH NOTE』をやろうとなった」と、経緯を説明。

 ミュージカル化にはさまざまな意見が寄せられているそうだが、堀氏は「DEATH NOTEのことで海外からも反響を呼んでおりますし、ありますし、日本の演劇ファンからも『ホリプロ本気か!?』という反応もあります。これが失敗するとしばらくやらなくなっちゃうかもしれません。一応、本気でやるつもりでおります」と、ざっくばらんに明かして場内を和ませつつ、「その後、まだ埋もれていて海外ニーズの高い作品であれば、海外に持っていく。僕らが目指しているのは飛行機で7時間圏内をマーケットにして、約30億人のうちの1%が恒常的に日本に来るようになれば、後期高齢化で失ったマーケットを補填できると考えています」と、思いを。

 また、同ミュージカルは韓国の会社と組んで上演するということに、一部では懸念が上がっていたそうで、そのことに堀氏は「韓国、中国、その他の国に権利を渡すと原作が無茶苦茶にされてしまうというのが、過去にあったのでなかなか許諾が下りなかった。そこで、我々が作って、同じ演出家でやるつもりだということで許可を頂きました」と、舞台裏も。

 報道陣からは、2.5次元の作品などどのくらいの展開をするのかという質問も飛んだが、堀氏は『DEATH NOTE』を引き合いに「作ってみないとどうにもならない。うちが蜷川幸雄さんの舞台で海外公演をするとかしたときに、日本でやってから早くて2年後、遅くて5年くらいかかる。企画書だけでは絶対に買ってくれない。それはものすごく時間がかかる。ですので、日本でやったものをどういう形でPRをして、外から呼んでくれとい言われるというのをやらなければいけない」と、返答していた。

 ※日本2.5次元ミュージカル協会の詳報はコチラ

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