“キンキン”こと俳優・愛川欽也(79)が11日、東京・池袋の新文芸坐で映画『トラック野郎』上映イベントに登場し、MCは杉作J太郎と伴ジャクソンが務めた。
1975~1979年にかけ全10作品のシリーズで作られ、“一番星桃次郎”こと主人公・星桃次郎演じる俳優・菅原文太(80)と愛川演じるヤモメのジョナサンという2人の愛すべきトラック運転手が巻き起こす騒動を描いたもの。当時は、莫大な興行収入となり、社会現象を引き起こしたヒット作として知られる。今回はBlu-rayリリースを記念しての同所での劇場上映となった。
2作品上映後に登場した愛川へ「ジョナサン!」コールが飛ぶなか、トークショーへ突入することに。本作は元が当時の東映社長・岡田茂さんが愛川から持ちかけた本作品の企画を元が取れるだろうというくらいの気持ちで始めた作品だったそうだが、蓋を開けてみれば大ヒット。
約40年前の公開初日のことを振り返った愛川は、「この場所で舞台あいさつしたんですけど、入り口のドアがぶっ壊れるくらい人が入った。1階のガラスとかは割れて暴動みたいだった。それから、僕と(菅原文太)文ちゃんであいさつまわりで、怪しいにおいが漂うような映画館とか、どこ行っても通路前に座ってて」と、当時の熱狂ぶりを口にする。
1作品で終わるはずだったが、このヒットに夏に撮って9月に公開という強行スケジュールだったにもかかわらず、岡田社長から「『正月映画はトラック野郎決まったからな』というので、それからが大変でしたよ」と、しみじみ。当時、松竹の『男はつらいよ』シリーズも上映していたことから「寅×トラ合戦なんて言われたよ」と、人気ぶりを伺わせた。
そんな本シリーズ、実は幻となった11作目も企画としては上がっていたそうで、愛川は「京王プラザだったかの大広間で、期待する会があって、それまでのマドンナが全員来た。でもいつのまにか自然に消滅した。終わっちゃったね文ちゃんって言って。パーティーは立派だったけど、尻すぼみだった終わり方だったね」と、裏話も。ただし、いまだに愛川は11作目について、心の中にひっかかりがあるそうで、「実年齢でやればね、絶対、大ヒットとはいかないだろうけど、観てくれるんじゃないかという匂いを感じているんです」と、夢を語っていた。
さらに、菅原は本作について、愛川は「底辺で頑張って暮らしてる連中を力づけるというか、そういう連中が腹の底から笑ってほしいから『トラック野郎』をやるんだ」と、代弁する一幕もあった。
また、昭和9年生まれの芸能人の集まりによる親睦団体となる『昭和九年会』のメンバーが次々に鬼籍入りしていることへ、「気がついたら片っ端から死んじゃってね、ニュース見るのが嫌になっちゃう。でも、そういう年になったんだなって」と、実感を込めていた。
トラック野郎『Blu-ray BOX』BOX1は2万7000円+税で発売中で、BOX2は4月11日(金)より2万6000円+税で発売!