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「東日本大震災三周年追悼式」御臨席の天皇陛下のおことば全文

 『東日本大震災三周年追悼式』が11日、東京・国立劇場で開かれた。

 約1200人が出席。国歌斉唱の後、14時46分に震災により犠牲となられた方への追悼の意を表すべく、1分間の黙祷を捧げた。

 安倍晋三内閣総理大臣が式辞を読み上げた後、御臨席された天皇陛下よりおことばが読み上げられた。

 ■東北地方太平洋沖地震に関する天皇陛下のおことば全文

 本日、東日本大震災から3周年を迎え、ここに一同とともに、震災によって失われた人々と、その遺族に対し、改めて深く哀悼の意を表します。

 3年前の今日、東日本を襲った巨大地震と、それに伴う津波は2万人を超す死者、行方不明者を生じました。

 いまなお多くの被災者が被災地で、また、避難先で困難な暮らしを続けています。

 さらに、この震災により、原子力発電所の事故が発生し、放射能汚染地域の立ち入りが制限されているため、多くの人々が、住み慣れた地域から離れることを余儀なくされています。

 いまだに、自らの家に帰還する見通しが立っていない人々が多いことを思うと、心が痛みます。

 この3年間、被災地においては、人々が厳しい状況のなか、お互いの絆を大切にしつつ、幾多の困難を乗り越え、復興に向けて懸命に努力を続けてきました。

 また、国内外の人々が、こうした努力を支援するため、引き続き、さまざまな形で尽力していることを、心強く思っています。

 被災した人々の上には、いまもさまざまな苦労があることと察しています。

 この人々の健康が守られ、どうか、希望を失うことなく、これからを過ごしていかれるよう、永きにわたって、国民みなが心を一つにして寄り添っていくことが大切と思います。

 そして、この大震災の記憶を決して忘れることなく、子孫に伝え、防災に対する心掛けを育み、安全な国土を築くことを目指して、進んでいくことを期待しています。

 被災地に、一日も早く、安らかな日々の戻ることを一同とともに願い、御霊への追悼の言葉と致します。

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