女優・芳賀優里亜（26）が22日、都内で行われた主演映画『赤×ピンク』（監督：坂本浩一／配給：角川映画）の初日舞台あいさつに、グラビアアイドル・多田あさみ（25）、女優・水崎綾女（24）、小池里奈（20）、俳優・榊英雄（43）、坂本監督、原作者・桜庭一樹氏らとともに登壇した。
小説『私の男』で直木賞を受賞した桜庭一樹の初期傑作小説の映画化。非合法の格闘技ショーに出場している女性ファイターたちが、アイデンティティーを探し、もがき成長する姿を描く。タイトルの「赤×ピンク」は「赤」が「オトナ」で「ピンク」が「少女」。「オトナと少女の間で戦っている」という意味。
ハードなアクション＆格闘シーンもさることながら、特撮ドラマ『仮面ライダー555』のヒロイン役だった芳賀優里亜がフルヌードになり、ハードなレズ濡れ場や自慰シーンにも体当たりで挑戦した話題作。
女性キャスト陣は、4人とも映画のタイトルに合わせて赤やピンクの衣装で登場。
性同一性障害に悩み、葛藤する空手家・皐月役の芳賀は、「難しい役だったと思います。心は男の子で体は女の子だったり、初フルヌードに挑戦したり。難しいからこそ、深く考えこまずに、最初に桜庭さんの原作を読ませていただいたときに感じた気持ち、痛みを監督と撮影前にいっぱいいっぱい話あって挑んだので、現場では難しいというより、感じるままに現場にいたように思います」と、振り返った。
初のフルヌードについて、「もちろん、最初は不安もありましたし、葛藤もありました。最初、監督にお会いして、いろいろ話させてもらって、この作品にかける思いと、向かっていく先が一緒だったので、監督の人柄に惚れこんで一緒に『命かけてください。やるなら私も本気で命かけます』と言って、一緒にやろうと。それで挑んだ作品なので、ある意味、覚悟はありましたね」と、「命懸け」のヌード挑戦だったと明かした。
今後の役の選び方は？「どうなんでしょうね。大きな挑戦ではあったんで、自分の中で変わってきていることはあると思うんですけど、自分の中で最初で最後と挑んだヌードだったので、潔く脱いだつもりですし、そこらへんも楽しんでくれたら楽しいです。」
同作は少女からオトナへの成熟がメインテーマとなっているが、「オトナになったなぁと思う瞬間」を問われた芳賀は、「難しいですよね大人の線引きって」と、一瞬、考え込み、「新幹線に一人で乗った時ですかね。小さい時からお仕事していたんですけど、中学校3年生までは、東京のマネジャーさんがホームまで来て、乗るのを見届けて。大阪に着くと、大阪のマネジャーさんがホームで待っている感じだったのが、大人になるにつれて、『はい、ひとりでいってらっしゃい』といわれたときには、大人になったんだなぁと。あと、今回の撮影で、客観的に自分のフルヌードシーンを観たときに、オトナになったなぁと思ったりもしました」と、照れながら告白した。
最後に芳賀は、「『赤×ピンク』という作品は、私自身にとってもものすごく挑戦の多い作品で、この映画に出てくる女の子たちも、いろんなことと戦っているんですけど、私自身も撮影の日々は戦いでした。決してひとりで戦っているわけではなくて、そこには、監督を筆頭に、最高のスタッフ、キャストさんがみんないて、それぞれいいものを作ろうと同じ方向を向いて、一緒に戦って作り上げた作品だと思っております。あとは、みなさんの自然な楽しみ方で、作品を楽しんでいただければと思います」と、感極まって涙ぐみながらアピールした。
【ストーリー】
東京・六本木の廃校になった小学校で夜ごと繰り広げられる非合法の格闘技ショー「ガールズブラッド」。性同一性障害に悩む空手家・皐月（芳賀優里亜）は、同地下ファイトクラブにやってきた人妻・千夏（多田あさみ）と恋に落ちる。幸せな日々を過ごす2人の前に、千夏のDV夫が凶暴な仲間とともに現れ、千夏を強引に連れ戻そうと画策。これが「ガールズブラッド」存亡の危機にまで発展。皐月は、千夏と同クラブを取り戻すため、仲間と共に立ち向かっていくが・・・。
同作品は、2月22日より全国で順次公開される
