司会:ハリウッドの方からの呼び込みで入場してきたのは珍しいと思うのですが。
剛:ちょっと嬉しいですね。この前取材というかをさせて頂いて、一緒に取材というか、させて頂いて、お2人とも、すごく気さくでしたし…。
光一:男前でしたからね。
剛:寿司食べたいと言っていたので、銀座をザギンと教えておきました。いま現地でザギン、ザギンと言ってますね。
光一:そうですかぁ、正しいとは、言えへん!
司会:それぞれの役とここが似てるかもというところは?
光一:ハントに似ているところ。エアー“アンアン”ですよね。(場内爆笑)5000人を抱いたといわれるハントですからね、そこばっかり言うとなんか変な感じになっちゃいますけどね。映画を観てもらったら分かるように、あの時代特有のやはり、死を隣同士に生きている彼だからこその人生だったと思うんです。決してただの遊び人というわけではなくて、すごく内に秘める勝利に対する闘志とか、自分の人生をどう生き抜くかというのを非常に持っていた人物だと思うんですよね。そこはクリスが大事に演技をしていたと感じます。吹き替えをする上でも、そこはただのプレイボーイじやないとやったつもりですけど、実は繊細な部分があったりとか、レース前に吐いてしまうシーンとかもありますけど、なんか、そういう大胆さと繊細さを兼ね備えているというのはもしかしたら、自分の中にもあるのかもしれません。あんまりそういうふうに思われないかもしれないですけど、人前に立つの僕、ダメなんですよ。
剛:さっきも裏で、ぷるっぷる震えてましたよね。
光一:違う、それはただ単に、外が寒かったんです(苦笑)でも、そういう部分が似ているのかもしれませんけどね。
剛:僕はそうですね、自分が一番共感した部分って、奥さんと結婚されて、『おい、こら、待て』って言ってたのがちょんちょん(カット)されていた感じでした。あの後かな、裸で泳いだ後、『こら』みたいな感じになって、1人で外を見ながら、幸せを手にすると、自分のなかで、うまくいろんなことがグルーブしていかないという感じの話があって、孤独とか幸せとかで、幸せは敵だということをおっしゃるんですけど、なんか、ものをつくっている人間からすると、それを感じるときがあるんですよね。幸せすぎたときに、なにか、ものを作る意欲が湧かないというか、どこかに、孤独を感じる部分を持っている方が闘志が湧いてくるとか、何かを生み出す勇気が出てきたりするんですけど、幸せすぎるときに、幸せが目的になってしまって、これを壊さないように、これを育んでいこうというそういうことができてしまうと、そこに集中してしまうから、何かがバランスが崩れてくる。そういうイメージが、人生というものにあるんです。そこがグッと来た。(作品ネタバレのため中略)それと、自分も積み重ねてきたものを必死に守るという感覚がなくて、ときにはそれを壊すことで、進むことができるのが人生だと思っているので、そういう潔さといいますか、そういう決断ができるというのも共感できます。あと、ハントの前に、エアー“ゲロゲロ”を…。
光一:戻すとか言い方あるでしょ?(笑)
剛:さっきのと合わせた方がいいかなと思って(笑)“オエオエ”とかあるでしょ。あの気持ちが、本番前は緊張しいなんで非常に、ハントの部分もわかるし、感覚でやりたいという感じもあるんです。説明書とか読まずに、だいたい物事始めていって、それで自分で感覚を得て、後で、説明書読むタイプなんですよ。説明書を最初に読んじゃうと、頭固くなっちゃうんで。まず、感情で動いて、物事をやってから、あとから頭で整然としていくっていうのでやってきてるんですけど、だからすごく2人の部分で似てる部分が非常にあるなというのがありました。でも、ニキ・ラウダは孤独とか幸せとかの捉え方が非常に親しいんじゃないかなと思いました。
光一:なんか男の感情みたいな部分を非常にうまく表している映画だなって。女性からも男の世界をいいなと思ってもらえたら。ハントが『お前かっこ良くなったぞ』というシーンは、ちょっとひどい言葉のようにも思えるんですけど、あれは愛にあふれた言葉だと思うんです。
剛:性格がくっきりと描かれている役柄だったしお芝居だったので、たとえば、英語が少し訛っている感じとか、いろいろな国の言葉をしゃべっていたりとか、そういう部分も非常に難しかったんですよね。1つの感覚で話ししているだけではダメだったのかなと思いまして。いろいろな葛藤がありました。一番あったのは『月曜の8時までにマラネロに着ければ』というセリフが噛み噛みで、マイクに乗せるのが大変でしたね(苦笑)そこの部分必死に言ってますから。いろいろありましたけど…。
光一:まだ残ってますか?(笑)
剛:ちょっとね、僕もね、薄々思ってました(苦笑)
司会:それだけ、すごく気に入ってくれたってことですよね(笑)
剛:これ通して、F1ちょっといいなと思いましたもんね。でも、思っただけですよ。語り尽くせないですよね。(光一の)影もカッコイイですもんね。
光一:どうした!?急に褒めだして。気持ちわる(笑)
(後編へ続く)
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