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【お悔やみ全文】浦沢直樹 永井一郎さんは父親のような存在だった…次回作「お願いしたかった」

【お悔やみ全文】浦沢直樹 永井一郎さんは父親のような存在だった…次回作「お願いしたかった」
浦沢直樹が永井一郎さんへの思いを語った

 先月27日に急逝した国民的アニメ『サザエさん』の磯野波平役や『機動戦士ガンダム』のナレーターなど数々の声を当てた声優・永井一郎さん(享年82)の葬儀・告別式が3日、東京・青山葬儀所でしめやかに執り行われ、『YAWARA!』原作者の浦沢直樹が弔辞を読み上げた後に、報道陣に悲しみの声を寄せた。

 永井さんは浦沢氏の作品では『YAWARA!』では主人公の祖父・猪熊滋悟郎役を、『MASTERキートン』平賀太平役、『MONSTER』では心理学者Dr.ライヒワインなどを演じた。

 ■以下、全文
 報道:本当に突然でしたね…。
 浦沢:そうですね、ビックリしましたね。ポッカリ穴が空いたみたいでしたね。力強い声で引っ張っていってもらっていた。あの作品(『YAWARA!』)の立ち位置的には、『サザエさん』の方がとても素敵でしたけど、永井さんを中心とすると、ファミリーという感じになるのか、連載が終わって何年にもなりますけど、ずっと、永井さんを中心として続いて、柔らかい、柔らかい感じでした。そのたんびに楽しく飲んで、すごいお人柄なんだと思いますね。

 報道:永井さんはどんな方でしたか?
 浦沢:もうあのまんまでした。真っ直ぐな方でした。真っ直ぐで、なんだろう、いつも社会にこう、一言持っている方でした。お話伺って、いろいろためになる方でした。

 報道:弔辞で読まれたお約束はいつごろされんたんですか?
 浦沢:あれは、一昨年の終わりくらい。皆口裕子さんがニューヨークへ立たれるということで、ごく身近な人達で会いました。いつもお手紙のやりとりをしているんです。もう近々、『YAWARA!』の復刻版が出て、毎月2冊ずつ出ますので、4冊くらいたまったところで、サインを入れて、永井さんにお渡ししようと思っていたところでしたので。

 報道:浦沢さんの作品に出演された永井さんはイメージ通りだった?
 浦沢:イメージ通りというよりも、超えて頂いたので、命を吹き込む以上に、力を入れて、パワーを吹き込んで頂いたというか、生命力というものを、永井さんの声には力がありますので、あの強力な力というのは、いまはもうなかなか埋め合わせできないでしょうね。

 報道:(猪熊)滋悟郎は永井さんしかいらっしゃらない?
 浦沢:私の中ではそうです。これから読まれる方も、頭の中でずっと永井さんの声で読まれると思うんですよね。僕は生まれた時から、ずっとアニメーションには永井さんの声がしていた。国産アニメの最初の『鉄腕アトム』から参加されている。それが、手塚先生が同じ池田小学校で、廊下に昆虫の絵が張り出されているのを見て、『あれが手塚先生だったのか』と思って、手塚先生にそのことを言ったそうですけど、そうしたら、手塚先生が年をごまかしていた時期があって、『それを言わないでくれ』と言われた時期があったらしいです。それを僕が、手塚賞を『PLUTO』でもらったという縁で、『本当に縁だね』とおっしゃっていました。

 報道:また一緒に仕事をしたかった?
 浦沢:本当にもう、もし次回作があるとすれば、毎回毎回、要となる役でお願いしていて、本当に包み込むように演技していただけるので、いつでもお願いしたかった。

 報道:どんな存在でしたか?
 浦沢:本当に親父というか父親みたいな感じで接しさせて頂いていたので、本当になんていうか、いま不思議な感覚ですね。

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