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【お悔やみ全文】サザエ・加藤みどり、カツオ・冨永みーな永井一郎さん悼む…「厳しい悲しさでした」

【お悔やみ全文】サザエ・加藤みどり、カツオ・冨永みーな永井一郎さん悼む…「厳しい悲しさでした」
加藤みどりと冨永みーなが永井さんを悼んだ

 先月27日に急逝した国民的アニメ『サザエさん』の磯野波平役の声優・永井一郎さん(享年82)の葬儀・告別式が3日、東京・青山葬儀所でしめやかに執り行われ、『サザエさん』のフグ田サザエ役・加藤みどりと磯野カツオ役・冨永みーなが弔辞を読んだ後、報道陣に現在の心境などを語った。

 ■以下、全文
 加藤:とにかくビックリしたのはとっても大きな反応があって、桜新町の銅像のところに、たくさんのお花をくださっている。波平さんの死を前にして、私達すごい、大きな番組をやらせて頂いているんだなという驚きがありました。ただ、やっぱり私とカツオはくっついておりますので、きのうは私だけでしたが、それなりの話をさせて頂きたいと思います。

 報道:本日はカツオくんとしてお別れされましたが、しっかり伝えられましたか?
 冨永:驚いていて、この悲しみを受け止めるのに精一杯なんですけども、いつも優しい目でニッコリ笑いかけてくださって、新年会では『また、1年頑張っちゃったね』って、声をかけてくださいました。とても大きな存在でしたので、悲しみは大きいです。

【お悔やみ全文】サザエ・加藤みどり、カツオ・冨永みーな永井一郎さん悼む…「厳しい悲しさでした」
会見中時折涙する冨永みーな

 報道:冨永さんが45年という中にお仲間に入られた時は…。
 加藤:最初は大変だったよね。彼女(冨永)は若かったから。周りもまだまだみんな若かったから、彼女はすごく大変だったと思う。ものすごい努力家なんです。
 冨永:それこそ、永井さんがキャストのみなさんに本当に支えて頂いて、それと『サザエさん』という大きな番組のスタッフの方たちも本当に素晴らしく、たくさんの方に支えられて作られている番組で、責任をすごく感じていましたけど、たくさん助けて頂きました。

 報道:永井さんがお亡くなりになって…。
 加藤:永井さんとの絡みはカツオが一番多くて、それからみーなちゃんとのやりとりも、激しいやりとりで、お互いにいっぱい力を出しあい、やりあうという部分が、脇で聞いててもとても気持ちの良いものでしたから、みーなちゃんもスタジオの中でとても疲れたと思うんですけど、でも…。永井さんはすごく優しい方でした。本当に。サザエさんとしては、素敵なキャストの方たちと家族でした。冷静になって考えると、フネさんと波平さんの夫婦の間に、子どもたちや周りの人たちが元気いっぱい、自由に演じさせてもらっているというのがあって、家族、家庭、スタジオの中でも思わず笑いが湧くような、楽しい笑いがあふれていました。

 報道:お別れの言葉のときには波平さんもそばに感じられましたか?
 冨永:まだなんかね…。
 加藤:永井さんって言ったら、『いいよ、分かった、分かった』って言いそうなね。
 冨永:あの(遺影の)写真はそんな感じでした。
 加藤:彼女(冨永)は泣きっぱなしでね。あんまり急なんで、これから落ち着かなくちゃと思うけど、最初からみーなちゃんはスタジオの中でも泣きっぱなしなんです。つい釣られて、『泣くな!釣られるじゃないか!』って感じでしたね。(1月30日のアフレコは)変でした。それがとっても大きかったですね。いつも座っている場所にお花が置いてあって、姿はなかった。厳しい悲しさでした。

【お悔やみ全文】サザエ・加藤みどり、カツオ・冨永みーな永井一郎さん悼む…「厳しい悲しさでした」
 

 報道:収録は先週木曜(1月30日)にされ、その時波平さんの声の部分はなかった?
 加藤:どなたか(スタッフが台本を)読んで下さいましたけど、まあ、(セリフは)そんなになかったですから…。

 報道:それでもみなさんは元気に演じられた…。
 加藤:そうですね、サザエさんはいつも元気でなくちゃいけないですし…。
 冨永:サザエさんはみなさんが楽しみにして頂いている番組ですから…。
 加藤:レギュラーが21人いる大所帯なんです。だけど、みんなが、こういうときになったときに、気持ちが、頑張ろうね、助けあおうねというレギュラーなんです。

 報道:その中で永井さんの存在は?
 加藤:もちろん、大きな存在でした。とてもお優しく、仕事に対してとても真摯的な方で、個人として、私としては背中が遠くて、仕事をさせて頂いていて、サザエさんの現場でいらっしゃるみなさんと一緒にお仕事ができるということを、1回1回ありがたいと思って収録に臨む気持ちはこれからも変わらないと思います。永井さんが『1回1回頑張るんだよ』と言ってくださったことや、新年から『1年頑張ろう』とおっしゃってくださったことが、残っていますね。

 報道:スタジオで波平さんの声が聴けなかったのは?
 冨永:まずはそこを受け入れられなくて、信じられなくて、スタジオに入った途端に、永井さんがいないことを受け入れなくちゃいけないということを感じ、それでもしっかり録っているという複雑な気持ちを感じました。

 報道:「バカモン!」とかもう怒られなくなりますね。
 加藤:でも、カツオはまだ叱られますよこれからも。いまはとても寂しいです。いまは気持ちも整理がつきません。
 冨永:何があっても、サザエさんは家族を描いている作品なんで、また、みなさんに支えていただきながら…。(涙する)

 報道:永井さんは見守ってくれている?
 冨永:もちろんそうです。絶対に多くの方が。
 加藤:永井さんもこの番組は大好きだったし、好きだったし、その辺にきているかもしれません。

 加藤:きょうお集まりのみなさまに。これからも観てくださるみなさまに、いままでと変わらないようなお力添えを頂けるよう、お願いをしておきます。どうぞ、みなさま、お力添えをくださいますようお願い致します。

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