新たな声優像を提案する『全日本美声女(びせいじょ)コンテスト』本選大会が26日、都内で行われモデルの辻美優(17)がグランプリに輝いた。準グランプリには高橋美衣さん(15)、花房里枝さん(17)、マルチメディア賞に吉村那奈美さん(21)がそれぞれ選ばれた。イベントには特別審査員として女優の菊川怜(35)、剛力彩芽(21)、声優の古谷徹(60)、野沢雅子(77)が出演した。
同コンテストはルックスと声の美しさを兼ね備えた次世代の声優を世に送り出す大会。芸能界・声優界に一石を投じるべく、オスカープロモーションと声優プロダクションの老舗青二プロダクションによる共同プロジェクト『blue oscar project』の第一弾として開催された。グランプリには賞金100万円、オスカープロモーションと青二プロダクションに同時所属、劇場版アニメーションにてスクリーンデビュー、文化放送でのラジオレギュラー番組、スマートフォンゲームameba『ガールフレンド(仮)』で声優デビューという5つの特典が贈られる。
応募総数14,434通の中から栄冠を手にした辻はオスカープロモーションに所属する現役の高校2年生。2009年に行われた『第12回 全日本国民的美少女コンテスト』の本戦に進出し、『3年B組金八先生ファイナル~「最後の贈る言葉」4時間SP』(TBS系)で生徒役で出演等の活躍をしてきた。グランプリが決まった瞬間に大粒の涙を流した辻は「まさか本当に自分が選ばれると思っていなかったので嬉しいです…皆様支えてくれてありがとうございました。家族が本当に支えてくれたのでありがとうございました…」と声をつまらせた。
この日はファイナリスト12名がステージ上で声だけのナレーション、ウォーキング、ステージでのセリフ、歌唱、質疑応答という審査に臨んだ。審査員を務めた菊川は「もうプロなんじゃないかと私には聞こえて、レベルが高くてビックリしました。“美声女”ってこういうみなさんなんだなと納得しました」と絶賛。『ドラゴンボール』シリーズで悟空訳の声優で知られる野沢は「驚きですよね。今の若い人って全部持ってなきゃだめなのかな。私たちが役者になるころってまず演技。発声。今はモデルさんでしょ、歌でしょ、演技でしょ、大変だなと思って。素晴らしいですね。私が若かったら受けられないだろうな」と感心していた。また、トークステージで剛力は「ラジオだったり歌だったり、このお仕事をやらせてもらう前は自分の声に自信が無かったんですよ」と明かし、魅力的な声について「自然体で出てくる声って美しいものがあるんじゃないかな」と語った。
受賞した4人にはサプライズのプレゼント。ステージ上には初代プリキュアのキャラクターが登場し、3月15日公開の映画『プリキュアオールスターズ NewStage3 永遠のともだち』で4人がスクリーンデビューすることが発表された。辻は「聞いた瞬間ぽかんとしちゃって」とビックリ。さらに同作に剛力と野沢が出演することも発表され、剛力は「一緒にがんばりたいな」と意気込みを語った。なお、野沢以外の剛力と4人の配役については確定していないということ。
辻は、イベント後に行われた囲み会見で応募のきっかけを聞かれると「どうしても声優さんを目指したくて、どうしたら辿りつけるだろうか考えていたらこの美声女コンテストを見つけて。これは応募しなくてはと思い家族に相談して応募しました」とハキハキとした声で答えた。「他の子たちが本当にレベルもクオリティも高くて、私も練習してきたんですけど、本気で目指してる子たちは違うなと思いました」と感慨深く語った。
「できたら女優さんも声優さんも両立してできる女性になりたいです」と涼やかな声で語る辻。尊敬する人に事務所の先輩の剛力と米倉涼子の名前を挙げ「剛力彩芽さんは笑顔がチャーミングで元気な演技ができるところ。米倉涼子さんは大人のクールさの演技がとても上手なので尊敬してます」と話した。
声優を目指したきっかけを聞かれると「元々アニメが好きっていうのもあるんですけど、昔から映画とかを観ている時に『こういう声もあるんだ』『こういう伝え方もあるんだ』と興味が湧いてきて、私も声優をやりたいなと思うようになりました。はっきりとやりたいなと思ったのは中学生の時でした」と振り返った。現在高校2年生だが「学校行ったらちょっと自慢しちゃいます」とニッコリ。「どんなに忙しくてもそれが私のステータスに変わっていくと思うのでがんばります!」と元気に語った。
これまでの活動を振り返り「モデルさんだったり、演技をするお仕事だったりのオーディションでは、私にどこか欠けているのか受からなかった。そこをどう乗り越えようとチャレンジしてきました」と過去の挫折体験を告白。今回は「家で母に頼んでセリフの練習をしたりプロポーションを細くしたかったのでジムに通ったりホットヨガに通ったりしました」と明かした。
好きなアニメを聞かれると「決められないです。たくさん素敵な作品があるので」と微笑み、強いて言うなら「『ドラゴンボール』です」とコメント。声優としての今後の活動に「アクションだったり、ミステリーだったり、他ジャンルでいろんなキャラクターを演じてみたいです」と話した。