女優・土屋太鳳(18)、清水富美加(19)、有森也実(46)、俳優・吉沢亮(19)が21日、東京・角川シネマ新宿で映画『赤々煉恋』(監督:小中和哉/配給:アイエス・フィールド)初日舞台あいさつに小中監督とともに登壇した。
直木賞作家・朱川湊人氏が原作、ファンタジー映画の第一人者の小中監督、アニメーションで“板野サーカス”と異名も取るカリスマアニメーター・板野一郎がCGIモーション監督を務めるという異色クリエイター同士が集まった本作。自殺により浮遊霊としてこの世を彷徨い人から認識されない女子高生の樹里(土屋)。そんな彼女を見つめるのは取り憑いた人間を自殺に導く不気味な姿の虫男だけだった。ある日、樹里は自分を見ることができた小さな女の子と出会うのだが、その心温まる交流は衝撃のラストへの幕開けだった…。
上映後のあいさつとなり、土屋は登壇すると、「舞台からだとみなさんが見えてて、よく見えるようにメガネを持ってきました」と、メガネをとりだし、一瞬だけちらりとかけながらほほ笑むことに。そんなマイペースな土屋とは対照的に、清水は「上映後でみなさんがどう思っているのか気になりすぎちゃって、舞台あいさつできそうにないんですが…」と、緊張の面持ちを見せた。
樹里を演じてみて、土屋は、「撮影の現場はすごく遠くから撮っていただいたり、静かに撮っていただいたりして、ドキュメンタリーを撮っているような気がして、演じているときの孤独感は樹里ちゃんの孤独感に生かされていたと思います」とコメントしつつ、「道路の真ん中に座っているシーンで、クラクションを鳴らしてくれて心配してくれたんです。人の優しさが感じられました」というと小中監督は「危険なことやらせてしまってすみません(苦笑)危ない人と思われちゃったんでしょうね」と、謝ることも。
喜怒哀楽を多く出す女子高生のミドリ役を演じた清水は、「喜怒哀楽の哀で泣きのシーンがあったんですけど、泣こうとしちゃって全然泣けなくてダメダメだったんですよね。でも、試写があった後に監督から褒めてもらったんですよ」と、少々落ち込んだというエピソードを。
しかし、小中監督は、「涙ではなくて、そこの気持ちが描けるかだった。そこをちゃんとやってくれたので良いシーンだったと思います。それに、何度かトライして気持ちを集中していた清水さんは女優だなって」と、高評価で、場内も拍手で沸いたが、清水は「やだー、ちょっと待って下さい!本当に聞いてください!」と恥ずかしげに謙遜し、「監督は集中するまで待ってくださって、空気を作ってくださったし、いろんな意味で土屋太鳳ちゃんには助けられました!本当にすっごいいい子なんですよ!世界で一番いい子!!」と、ベタ褒めだった。
吉沢は、土屋と清水の3人で話すシーンのことを回想し、アドリブで楽しい会話をしてというリクエストに、「ザリガニって食べられるとかハトって食べられるとか話してました。そんなにおもしろくないことで無理に爆笑してたよね」と、楽しげな様子を。その吉沢を、「好青年だった!」と土屋が評すると、吉沢は「普段言われることないので嬉しいです」と、はにかんでいた。
撮影現場の様子については、土屋は「私、特撮が好きなんですけど、2人がそろったときに“ライダー部”だ!って」と、仮面ライダーフォーゼで共演していた吉沢と清水を見回すことに。自身も2010年に『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』でエメラナ・ルルド・エスメラルダ役に出演していたため、土屋が「私自身ウルトラ出身なので、人数では負けてるけど負けないぞという気持ちでした」と、明かし場内の笑いを誘っていた。
最後に土屋は「18年しか生きてないですけど生きていくって大変だなと思っているんです。この映画はちょっとつらいなと思う時、みなさんお記憶の中に、星のように小さくても淡くてもいいので光ってくれたらと思う作品です」とPRしていた。
本作は21日より角川シネマ新宿ほか全国順次ロードショー!