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流行語大賞トップ10詳細徹底解説!年間大賞は4つ

 年末の風物詩となる『現代用語の基礎知識』選2013ユーキャン新語・流行語大賞の発表・表彰式が2日、都内で開かれたトップ10が発表され、その会場内でそれぞれ解説がなされた。

 年間大賞は『じぇじぇじぇ』、『倍返し』、『お・も・て・な・し』『今でしょ!』の過去最多の同時4つ受賞となった。

 ■トップ10
 ○ご当地キャラ
 くまモンが出席(熊本県営業部長)
 ▼受賞者は、熊本県に関係していればキャラを無償利用できるという使い勝手の良い許諾方針で世界を駆け巡る
 解説:なんとも不思議な珍キャラクターとして堂々と、そして悠々と道行く人たちに愛想を振りまいてくれるのが「ご当地キャラ」といわれる、色とりどりのマスコットである。ブームの火付け役は、滋賀県・彦根城において『築城400年』の記念キャラクターとしてデビューした『ひこにゃん』であることらしい。そんななか、さまざまな場所で、いろいろなカタチで目立ってきたのが『ご当地キャラ』といわれる『くまモン』(熊本県)であり、『ふなっしー』(船橋市)であり、『オカザエもん』(岡崎市)であり、『さのまる』(佐野市)であり、…なんて色とりどりの発生地が並んでいる。まさに『ご当地』とは『ローカル』のことなのだから、これから先々さぞやステキなキャラクターとなって明るく、つよく、あつかましく!すべてまったく遠慮なくワガモノ顔で、しながら日本全国をのし歩いていてくれるのが『ご当地』を支配する『ご当地キャラ』だと思えばホッとするものである。

 ○アベノミクス
 安倍晋三(内閣総理大臣)
 ▼造語者は自民党元幹事長 中川秀直さんということだが、アベノミクスの効果をあげていただく期待をこめて
 解説:はじめて耳慣れない『アベノミクス』という新語を耳にして、思わずこれを『洋風の安倍川餅』のことだと思った人がいたのだそうだが、正確には首相の『安倍晋三』という名前に『エコノミクス』を合成したというシロモノであるらしい。さらに追っかけてこのコトバを後押ししているのは『三本の矢』と銘打った基本方針といういうわけで、『金融緩和』『財政政策』そして『成長戦略』というところが一見華やかに並んでいるが、これが一体どれほどの効果を上げているのやら、肝心の国民にはどうにも実感が沸かないようだ。たとえばマンションの『新規購入が増えている』というものの、購入者のホンネを聞いてみると、来るべき来年四月に待ちかまえている『消費税増税』に対する防衛手段というケースが結構多いというのだから、さきのことはサッパリ分からない。ところで、あと四ヶ月後である。この日本の世相というのはいかに変容しているのだろうか。そして『アベノミクス』とともに『安倍内閣』もご健在だったら、まさにオメデタイというほかない。

 ○今でしょ!
 林修氏が出席(東進ハイスクール 東進衛星予備校 現代文講師)
 ▼受賞者は、東進ハイスクール 東進衛星予備校 現代文を教える
 解説:ところで『今』とはいったいなんだろうか。『広辞苑』を引けば過去と未来との境である瞬間のことなり…、と簡明にしてポツンと、一言で解説しているのだが、それはおtもかく、人それぞれに『今』というのは何やら不可解な存在であるらしい。多くの世の中の人々は、まったく見当のつかない『今』を手探りしながらオロオロしているのである。そういう『今』というのが『そこらにあるよ』とサッサと言い聞かせてくれたのが一本のテレビCMである。ここでは現役の予備校講師が『今でしょ!』というわずか一発の決めコトバで、受験を控えている生徒たちにハッパをかけてくれた。そういう点で考えるなら、毎日の生活で『そうだ! 今だ!』と膝を叩いて立ち上がれるような出来事というのが、どのくらいあるだろうか。それなら自分の気持ちそのままに自分だけの『今』を自由自在に設定して、気分に任せて自由に前進していくことで『今』を生かしたほうがてっとり早いだろう。まずは多くの日本人の合言葉として『今でしょ!』の一語を生かしたい。

 ○じぇじぇじぇ
 NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」から脚本家・宮藤官九郎、主演した女優・能年玲奈が出席
 ▼ロケ地となった岩手県久慈市には観光客が殺到したという。
 解説:いきなり『じぇじぇじぇ』なんていわれても、一体どう反応すべきか困ってしまう。そんな『じぇじぇじぇ』が日本中に蔓延してしまったのが今年である。ところで、このコトバの元来の出どころといえば、今年のNHKの朝ドラ『あまちゃん』の舞台となった東北は三陸地方の方言。『驚いて戸惑った』瞬間に思わず口から発せられるコトバで、『じぇじぇじぇ』とはじめて聞かされると、まさに『じぇじぇじぇ?』と驚いてみせるほかない。ところで、『あまちゃん』という東北発ドラマからは『早あま』『朝あま』『昼あま』『夜あま』とか『アマノミクス』『あまロス』『あまハラ』などという珍しい造語が大発生したのだから、今年『あまちゃん』が世に広めてくれて、日本全国で愛されている『じぇじぇじぇ現象』というのは、プロ野球日本一に輝いた『東北楽天ゴールデンイーグルス』と並ぶ、リッパな『東北の勝利」なのである。

 ○特定秘密保護法
 西山太吉(ジャーナリスト)
 ▼受賞者は、この法案に関して熟知、かつリーダーであり『機密を開示せよ 裁かれる沖縄密約』などの著者で知られる
 いったいどこの、どんな人達が、どういう目的で、どういう意識でこういう気持ち悪く得体の知れない法律を作ろうとしているのだろうか。サッパリ分からない『特定秘密保護法』なるこの新法。それに対して国会のセンセイ一同の見るも哀れというべき右往左往ぶり。国家が自由自在に決定してしまうさまざまな『取り決め』について、これは『秘密だ!』との判断があれば、そのあとは有無をいわさずコワーイ存在になってしまうとは、ちょっと想像のつかない不気味さテンコ盛りの世界である。なんにせよ『秘密』という表現が個人レベルではなく、それこそ天下国家というレベルにおいて用いたり語られるというのはまったく『異常』という感想しかない。こんな事態によって国民が目の当たりにした『絶対与党』に対峙する『少数野党』なんていうバカバカしい『国会ゴッコ』こそ、あらためてそれが全国民の耳目を国会に向けてくれたという意味で…、この法案の唯一の功績かもしれない。

 ○倍返し
 TBS系ドラマ『半沢直樹』より主演の俳優・堺雅人、TBS日曜劇場 半沢直樹チーム
 ▼原作は、池井戸潤の小説『オレたちバブル入行組』と『オレたち花のバブル組』。その中で、バブル末期に大手銀行に入行した半沢直樹を演じきった。
 解説:今年大当たりしたテレビドラマ『半沢直樹』(TBS系)は、ストーリーそのものがユニークな展開力に満ちていた。その全体のトーンを支えていたのが『やられたら、やり返す!』という胸のすくような筋書きだったから、巷の人気を独り占めしたのも当然だった。さらに決定だとも言える展開だったのが、相手のやったことに対して倍にして返す『倍返し』という手法である。それにしても、こんなドラマが大受けする背景あるのは、いま日本中で汗水流して働くサラリーマンたちが、さぞや自分の上司や先輩に対する怨念だらけの気持ちを鬱積させているのではないかということである。憎たらしい相手から受けた恨みに対しては『倍に』してリアクションする。いまやカラオケで一曲歌った友人には自分が二曲歌う、といういのも倍返しらしい。『やられたら、やり返す』という倍返し文化が、いま日本人の溜飲を下げているらしい。

 ○PM2.5
 一般財団法人日本気象協会関係者が出席
 ▼受賞者は、1950年設立以来60年以上日本の気象を追い続ける
 解説:その粒子の直径が『2.5ミクロン』というのdから、まさに目に見えない粉塵というほかないのだが、こういう微粒子が大群となって中国大陸を覆い尽くしており、やがては空中をひょいとひとっ飛びして日本や韓国など近隣諸国に飛来する…。こんな環境汚染については、すでに日・中・韓で声明などが出されているのだが、なんといっても『現実には目にも見えない汚染物体』の侵入とあっては手もつけられない。そういって放っておくことのできない新語といえるだろう。それにしても人間同士の営みによって発生してしまう『環境問題』は増え続ける一方、というのが気にかかってしようがない。たとえば中国においては、まず『大気汚染』をはじめとして『水質汚染』さらに『騒音』あり『酸性雨』あり『砂漠化』さらに『廃棄物』、そして『渇水』ありという具合に、環境破壊オンパレードというべき様相を呈している。さて、こんな国境を超える環境破壊とどう闘うべきか。すでに人類はそんな時期を迎えているのである。

 ○ブラック企業
 今野晴貴氏が出席(NPO法人POSSE代表)
 ▼受賞者は、ブラック企業他一作プロジェクト共同代表
 解説:不景気というのは、これほど人心を蝕んでしまうものか…。思わず天を仰いでしまうのが、『ブラック企業』なんて手のつけようもない不良企業の大量発生である。おそらく『違法』プラス『脱法』をもって経営方針にしているのだろうと思われるほど、そこにおいては『使い捨て』ということが最大の経営理念になっているかのようで、ドンドンと新規採用しうて、一年以内にドンドンとクビにしてしまう。というのだから、これをぼんやり眺めていれば、腕の良い職人技を見ているような錯覚に陥ってしまうかもしれない。こんな使い捨てのほかにも『大量採用』また『大量離職』を下支えするのが、『長時間拘束』であり『サービス残業』である、という具合に『悪徳メニュー』は山積みになっている。このような悪質企業が日本社会に大きな影響を与えつつある現状が、『若者の食いつぶし』、社会を物語っているといえるだろう。まず真っ先にやるべきは『ブラック企業』を早くなくすこと、そして安全・安心に満ちた『ホワイト企業』の急速な再建だろう。

 ○ヘイトスピーチ
 五野井郁夫氏が出席(国際政治学者)
 ▼受賞者は世界各地のデモを研究している。
 解説:どういうわけか今年も北東アジアに並ぶ『日本』と『韓国』『中国』の付き合いはしっくりといかなかった。こういう日本と中・韓両国とのヒビ割れというギクシャク状態は、いつごろいかように解決の道を見つけることが出来るのか、そして平和というゴールに辿り着いてくれるのか…、まだまだ謎だらけである。そこに突然出てきたのが『ヘイトスピーチ』(hate speech)なる一つのイングリッシュである。簡単に言うなら『人々の憎悪を煽る』過激な差別表現による演説などを指すようだが、このような不愉快な『スピーチ』が世界のあちこちで多用されるのは、人種間や民族間に生じてしまう『国籍』であったり『宗教』などに起因する『憎しみ』、そして『暴力』であるということになってしまう。それらは欧米においてはイスラム系移民に対向する手段だったり、多種多様のようである。それにしても嫌なコトバではあるけれど、これが日本において新語として登場し、流行語のごとくなっていることを考えると、このコトバが消えいくまで…まだまだやるべき仕事は多いのである。

 ○お・も・て・な・し
 滝川クリステルが出席(フリーアナウンサー)
 ▼オリンピック招致活動の最終プレゼンテーションで日本社会に根付く歓待の精神を日本語で紹介した
 この東京でオリンピックを開きたい。そんな日本人の期待をかなえることが出来るか出来ないか。大多数の日本人の願望に包まれていた『2020年オリンピック』は、めでたくも『東京』で決着した。しかし思い起こせば、いまからほぼ半世紀も前になる1964年にも東京オリンピックが開催されていたのだから、二度目の日本開催というわけである。ところで、そんななか状況を見守っていた日本人の心を強く打ったのが、オリンピックを日本へ招致するために登場した美しきプレゼンテーターによる絶妙のスピーチであった彼女がアピールしてみせたのは、とにかくオリンピックが日本の地で開かれることになったら、世界中の各国から日本までやってきてくれる人たちを、われわれ日本人が、心の底から歓迎すること。「お・も・て・な・し」なる日本人特有の精神で歓待したい、と熱っぽく語り尽くしたのだ。まさに東京五輪『金メダル』第一号というべきスピーチであった。

 ■選考委員特別賞
 被災地が、東北が、日本がひとつになった楽天、日本一をありがとう
 株式会社楽天野球団 東北楽天ゴールデンイーグルス
 嶋基宏選手(捕手)、美馬学選手(投手)が登壇

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