現在公開中の映画『ハダカの美奈子』（森岡利行監督）で“ビッグマミー”こと美奈子（30）を演じているのが、元お笑いコンビ『オセロ』の中島知子（42）。一連の騒動後、初の女優復帰となったが、実在の人物の10年後という設定に、「ドキュメンタリーとファンタジーの兼ね合いが難しかった」と、語った。
2011年4月にインフルエンザのため、レギュラー司会の番組を休演。そのまま芸能活動を一時休養。その後の2年間、激動の期間を経て、今年4月より芸能活動を本格的に再開。復帰後初の女優業への想いを聞いた。
※ ※ ※
映画は、人気番組『痛快！ビッグダディ』（テレビ朝日系）の“ビッグダディ”こと林下清志さん（48）の前妻で、もうひとりの主役だったタレントの美奈子。15歳で妊娠、シンナー、覚せい剤、親からのDV、2度の離婚、元夫からのDVという壮絶な自身の自叙伝の同名作が原作。ひたむきに生きる美奈子と6人の子どもたちの現在、そして10年後の未来まで描いたフィクション作品となっている。
中島にとって、09年以来の映画出演で、騒動後初の女優復帰作だったが、「あんまりギャップは感じなかったです。美奈ちゃんも作品の中では（今から10年後という設定のため）40代になっているので等身大の役でした。（シングルマザーという役どころも、）これまでも、母親役を何度もやらせてもらってました。女社長でお母さん、女手一つで男の子を育てる役が多かった」と、過去の経験もあり、すんなり入れたという。
ただ、「美奈子さんは、実際にテレビで活躍したままのドキュメンタリーの美奈子さんなので、美奈ちゃんファンから見て、いまの美奈ちゃんのキャラを演じるのか、10年後の話なので、新しい美奈子なのか悩みました」と、ドキュメンタリー重視なのか、フィクション重視なのかのバランスで悩んだという。
テレビ番組を通した美奈子のイメージや“美奈子ファン”の存在が中島を悩ませた。「美奈子ファミリーのファンの方たちにどう観られるか。初見の方が見て面白いと、両方ある感じだったので、ちょっと難しかったですね。美奈ちゃんが話しているDVDを何度も見て、監督とも相談しました。美奈ちゃんは、腹が据わっている。それでいて、人を受け入れるスタンスが柔らかい。懐が深いんですよね。自分はワンマンで懐ないんです。年もあっちの方が下ですけど」と笑いつつ、「そのタフさ。そこはなんとか演技に取り入れられたらと、思いながら演じました。上手く演じられているかどうか」と、アプローチが正しかったのか、鑑賞した人たちの反応が気になるようだ。
さらに、「（美奈ちゃんは）激動の人生の方なので、もういっちょ激動を期待しているでしょうけど、映画は穏やかで、淡々と進んで最後まで終わります。もし、『ビッグダディ』を観て、あのイメージを当てはめられると違うなぁと思うのがあるかなぁと。子供たちも大きくなって、今のまま育っていけば、10年後はこんな感じなのかなというイメージで描かれています。子供たちの青春・群像劇がフィーチャーされている。子供たちが活躍している。子供たちの方を観てください」と、謙虚に語った。
中島は、最後まで美奈子を演じきれたのは、子供たちとのコミュニケーションも上手くいったお陰だという。「演技が上手い子供たちなんで、若くてシッカリしている。会って、自分の方が勉強することが多かった」と、苦笑い。そして、子供たちと長期間触れ合うことで、「結婚したいですよね。しっかりした子供たちで親孝行だったので、（途中から）演技かどうかわからなくなった。こんな親孝行なら子供いていいかな」と、結婚して子供が欲しいという気持ちも芽生えたという。
今後について、「いろんな役やりたいですけど、悪女がやりたい。悪い役やりたい」という。その理由は、自身が「カッコいいなぁ」と思っている女優さんとして、『極道の女たち 三代目姐』が好きで、かたせ梨乃、三田佳子らの名前を挙げた。「人生を悪女で生きている感じの役。男をたぶらかす色気があるのが憧れ。男の人が惹かれる。粋な感じがステキで、そういう女優さんになれればいいかな。カッコいいですよ。男っぽくない。女と言う感じ」に憧れていると、目指す“理想の女性像”について熱く語った。
