芸人・井戸田潤（40）が12日、都内で行われた舞台『THE WINDS OF GOD』の制作発表会に原作・脚本・演出・主演の俳優・今井雅之（52）、本郷壮二郎（37）、重松隆志（40）、松本勝（40）、江藤聖矢（24）、女優・香取佑奈（31）、林さやか（29）ら共演陣とともに出席した。
井戸田といえば、元奥さんで女優の安達祐実（31）が、先日セミヌード写真集を発売したが、「彼女の作品ですから。素敵なこと」と、短い感想を。続いて、「見たんですか？」と、ツッコまれると、「まだ見てない」と素っ気なく言うが、今井から、「でもいいよね。もう見ちゃってるんだけどね」と、強烈なツッコミに苦笑い。
また、撮影したカメラマンとの熱愛が報じられていることを報道陣からにおわされると、「ずっと落ち込んでいるわけではないですよ。もう別れていますからね……。僕は僕で頑張ります」と、サバサバした表情で答えた。
特攻服で登場した今井は、「スタッフが、『東京オリンピックが決まって、報道の方々が来ないんじゃないか』と、涙ながらに訴えるから、『何言ってんだ非国民！（俺が）スキャンダル起こすから』と頑張っていますが、まだ何も起こしていません。スキャンダルは井戸田が頑張る。重松が香里奈の姉ちゃんの能世あんなと結婚した」と、報道陣が喜びそうな話で、リップサービスし、笑いを誘う。
25周年目を迎えた同舞台は、売れないお笑い芸人のアニキとキンタが、ある日交通事故に遭う。気が付いたときには第二次世界大戦間際の神風特攻隊基地へとタイムスリップしており、2人の身体は岸田と福元という特攻隊隊員と入れ替わっていた。果たして、彼らの運命は・・・という内容。
同舞台は、平成3年度文化庁主催芸術祭賞（原作・脚本・演技）史上初3賞受賞。平成5年度国際連合作家協会主催芸術賞受賞。「米・ペンシルバニア州グレイトレイクスインディペンデント映画祭」外国映画賞 最優秀賞受賞と、数々の賞に輝いている。
しかし、題材が題材だけに、1988年に始めた当初は、いろんな団体からクレームが来て苦労の連続だったという。今井は、「毎年、終わるかなぁと思っていますが、ムリヤリやったときもあるし、呼ばれてやったときもある。25年経って、小説が映画化された『永遠のゼロ』などの影響もあって、特攻隊に対する気持ちが少しでもわかってくれたのかな」と、感慨深げに語った。
これまで宮川大輔、陣内智則、なだぎ武らが演じてきたキンタ役に抜擢された井戸田は、「非常に光栄に思っています。なだぎさんから『非常に厳しい、心身ともにやられてしまう舞台』といわれているので、身を引き締めて取り組んでいきたい」と、緊張気味に語った。
この舞台の名物が“肉錬”とよばれる過酷な体力づくり。2006年に参加した重松は、「この舞台のことを知らない大抜擢でした。9月に本番があるため、リハーサルが真夏に行われてました。炎天下の中、ひたすら走る。ときには40キロを超える。体感では100キロです。今井さんについていくのがきつくて」と、当時を振り返る。
そして、「今井さんの稽古の指導方法は、この舞台に関しては、『目の色変えた役者を立たせたい。そんじょそこらの役者を立たせたくない』との思いがあります。何度も殺されそうになった舞台でした。平均年齢40を超えてますので、体に気を付けながら、限界まで酷使して本番に立ちたい」と、決意を新たに語った。
今井自身も、「この舞台はきつくて、ゆずりたいぐらい」と言うが、「1回見られたお客さんたちがもう一回見たい。満席になるほどじゃないけど。またやってくださいが凄く多い。高校の頃すごく感動して、平和ってなんだろうと。時が経って、娘・息子が自分と同じ年になったのでぜひ連れて行きたい。アンケートや手紙を見て続けてこられた」と、観客の声に奮い立ってきたと振り返った。
井戸田の起用について聞かれた今井は、「ずっと吉本さんのタレントさんを使ってきたんですけど、来年も一緒にしたいなぁと思うと、すぐにスケジュール入れられるので無理だと。そこで、すごいスケジュール空いている人がいて・・・」と、笑わせると、「こら、そこまで暇じゃないわ」と、井戸田がツッコむ。劇中で漫才コンビを演じるが、早くも息がピッタリ。
続いて今井は、「（井戸田は）キンタっぽい。体力さえついて来てくれれば、宮川、陣内、なだぎとは、全然違うキンタが出来そうだった」と、その理由を真面目に語る。
今井はキンタの役に、その人の人生を反映させる手法を取っており、「井戸田の40年（の人生を）使わせてもらう。泣き笑い、離婚いろいろあったんで、そういうのを使う。宮川も『みんな売れて…』と、ちょっと落ち込んでいる時だった。陣内も落ち込んでいて、這い上がろうとするのがあった。『絶対このまま終わらへんよ』と言うのがあった。なだぎも、いろいろあって…全員別れてるなぁ」と、最後は笑わせるも、人生の岐路に立っている芸人を起用することで、内面から湧き出るものに期待しているという。
すると、「最近、落ち込んでますもんね？」と報道陣から、前妻の安達祐実とその写真集を撮影したカメラマンとの間で、熱愛が報じられていることを臭わされた井戸田は、「落ち込んでねーわ。ずっと落ち込んでいるわけではないですよ。もう別れていますからね……。僕は僕で頑張ります」と笑いつつ、今井から「何があったの？」とイジられ、「そりゃ人生いろいろあったので、それを（演出の）材料に使っていただけるなら幸い」と、サバサバした表情で答えた。
最後に井戸田は、「肉連という言葉を初めて聞きました。体力の基礎アップをする時間が長い。何とか芝居の稽古を多めにやってもらえませんか？不安ですけど、これを機に体力を向上させ。人として幅が広がるかなぁと楽しみです。違うステージ行けそうですね。たるんでいた自分を今井さんに変えていただいたら」と、期待と不安を口にする。
ところが、報道陣の声もあって、“肉錬”の一部を披露することに。まずは今井が見本を見せる。腕立て伏せならぬ“拳立て伏せ”を後ろの足を持って手押し車の状態になったままやるというもの。こともなげにやる今井に対し、“拳立て”の状態で、「イタタタターーッ」と、悶絶する井戸田。
「こんなんムリですわ。普通の（腕立て伏せ）でいいじゃないですか」という井戸田に対し、「それじゃ意味がない。歴代のキンタは100回できるようになった」という今井。何度かチャレンジするか、一回程度しかできず、床に転がって痛がるなど、さっそく「肉錬」の洗礼を浴びていた。
同作は、11月2日京都・京都劇場を皮切りに、8日・9日福岡・西鉄ホール、11日広島・明日テールプラザ・大ホール、15日～17日東京・新国立劇場・小劇場、22日札幌・道新ホール
