“クドカン”こと脚本家・宮藤官九郎（42）と漫画家・みうらじゅん（55）が23日、東京・渋谷マウントレーニアホールで著書『どうして人はキスをしたくなるんだろう？』（集英社）対談イベントを前に報道陣に向けた囲み会見を開いた。
『週刊プレイボーイ』誌上で「みうらじゅんと宮藤官九郎の“大人になってもわからない”」を連載中の2人が、その連載をまとめ、さらに大幅に加筆した作品。くだらなくも、意外とその答えを求めている人が多い、人間の根源的な“素朴な疑問”に対話を通して挑んでいる。そのやりとりは下世話なネタが多く、声を出して笑えてしまうものばかりだが、読後は哲学問答集を読んだような答えを得たような気分になれる作品だ。
会見では宮藤が脚本を手がけ、今週末で最終回を迎えるNHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』について質問が殺到。きたきたという感じで笑みを浮かべた2人に対談で『あまちゃん』の話をするのかと問われると、みうらが「おもしろいようにしないです…」と、言いかけたが「ここはしてますねと言ったほうがいいのか！去年から知ってますね」と、冗談交じりに回答することに。
『あまちゃん』に心残りはとの質問が飛ぶと、宮藤は「僕の手を離れてから随分経ちますし、ないですね。本のカバーの帯に『あまちゃんの』って書いてるんですけど、早く取れたらと思います」と、率直な心情を。
続編を望む声もあるが、宮藤は「いろんな人に映画にしてくださいといわれているのですが、そのうちみんな忘れちゃいますよ。（続編の）オファーは？まだないからなんとも言えませんね。面倒くさいからやりたくないわけじゃなくて、ちゃんとやんないと納得しないだろうから、今の段階では深く言えないというのはあります。先を書きたいというのはないですね。やり切っちゃったので」と、思いを語った。
ほかにも、最近つらかったことについて質問が飛ぶと、先日、写真週刊誌『FRIDAY』（講談社）に宮藤が掲載されたことを触れ、「スタバで仕事してたら、これがクドカンの仕事場だって書かれて。違うっつーのと思ったけど載っちゃったものは仕方ないと思ってつらかったです。数日後に同じ人に声かけられて、応援してますと言われて」と、ぼやく。
するとみうらも乗ってきて「気付かず執筆するクドカンって書かれてたよね」というと、宮藤もうなずき「特に集中している感じではない、周囲をキョロキョロしながら、トイレに立った後にも誰にも気付かれないって書いてあって、ジワーっと傷つくことがいっぱい書いてあった」と、苦笑い。
一方のみうらは、ゆるキャラ発祥の人とみうらが言われているため、「『最近のゆるキャラが緩くないけどどう思いますか？』と言われたんですけど、知らない…、どうでもいいもん」と、投げやりな気持ちになったそうで、「この間、ゆるキャラのつながりでかけていただいたんだと思うんですけど、東京にオリンピックが来た時にどんなキャラクターと思いますかと言われて、採用されそうにないものを描いたのでお断りしました」と、語っていた。
また、先日最終回を迎えたドラマ『半沢直樹』（TBS系）についても質問が。宮藤が「『恩返しだ』ってやつですよね」と、『倍返し』を間違え報道陣から笑いが漏れたが、みうらが「『恩返し』の方がいいよ！『倍返し』はよくないよ！仏教的じゃない…」と意見を述べつつ、続けて、ここでは掲載できないような下ネタをぶっこみ盛り上がっていた。
最後に本書についてみうらは「半沢直樹に読んでほしい」と言い、宮藤は「あまちゃん好きの女性に読んでほしい」とPRしていた。
その後イベントは、2部制で開催。箱根の対談旅行の思い出や、芸者を呼んでのお座敷遊びの再現。さらに、トークショー観覧者らからの質問に、小さなこと、下世話なこと、真面目なことまで何でも答え、笑いの絶えないイベントとなった。
著書『どうして人はキスをしたくなるんだろう？』は1260円（税込）で発売中！
