元『AKB48』の“あっちゃん”こと女優・前田敦子(21)が15日、東京・テアトル新宿で『第22回日本映画プロフェッショナル大賞』授賞式に登壇した。
通称“日プロ大賞”と呼ばれる同賞は、評価が高いのにもかかわらず、既成の映画賞では主要な受賞に選ばれなかった作品。あるいはさまざまな理由から、興行面でいい結果を出せなかった作品にスポットを当て表彰するもの。選考委員は毎年、監督、プロデューサー、脚本家らといった、映画の制作現場に関わる人や宣伝関係者、興行関係者が選出の判断をしている。前田は映画『苦役列車』で主演女優賞を受賞することとなった。
ワンショルダーの黒いミニドレス姿でファンから「あっちゃん!」の声が飛ぶなか、登場した前田。表彰され、前田は「映画がすごく、こよなく愛するみなさんから頂けた賞でとっても嬉しいです。そういう部分でまだ卵な私ですけど、これからも胸を張って映画が好きって言える人になりたいと思いました」と、胸を張った。
女優の道を選び、「毎回みなさんから成長するきっかけを頂けるんです」という前田だが『苦役列車』の山下敦弘監督(36)との出会いが一番大きかったそうで、「自分の中で確実に大きかったです。こういうふうになりたい頑張りますと言ったのは『苦役列車』の打ち上げのときだったので忘れないですね」と、印象深かったそう。「監督がどこまでも諦めずに向かい合ってくれるのが嬉しいですね」と、感謝していた。
そんな前田の、今後の女優人生については、「私は選ぶという立ち位置ではないので、呼んでいただけて、私にと言っていただいたらなんでも頑張って行きたいです」とも。
司会から、「昔の映画が好きで女優として生かそうと観るの?」と問われると、「まさにここ数日、山下監督と撮影しているんですけど、あっちゃんは素敵な女優さんを探すのが好きなんだねと言われました。だからたぶん、自分があこがれるような人を見てしまうのかなって」と、返答。
好きな映画については、「モノクロ時代のハリウッドの映画が好きで、オススメされるのはジャンルが違うものだったんです。今は何でも吸収したい時期だと思います」という前田に、「小津安二郎さんの作品を観た?」と問われると、「日本の名作は自分から手を出せていないんですけど、『晩春』を見ました。原節子さんは『東京物語』ではシーン的には少なかったんですけど、晩春は原さんだらけで惚れてしまいました。大満足の映画でした」と、映画愛を語っていた。
また、同日、前田が7月31日に札幌ドームで行われるAKB48のコンサート『AKB48 2013年真夏のドームツアー~まだまだ、やらなきゃいけないことがある~』に出演することが発表されたが、降壇する際に、階段下に集まった報道陣から声を掛けられ、意気込みを尋ねられると、レポーターのマイクを手に持ち、「すごく楽しみです」と、突然の直撃にもにこやかに対応していた。
■『第22回日本映画プロフェッショナル大賞』個人賞
○作品賞:『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』
○主演男優賞:井浦新『11・25 自決の日 三島由紀夫と若者たち』、『かぞくのくに』
○主演女優賞:前田敦子『苦役列車』
○監督賞:若松孝二監督『11・25 自決の日 三島由紀夫と若者たち』、『海燕ホテル・ブルー』
○新人監督賞:三宅唱『Playback』
○新進プロデューサー賞:杉野希妃『おだやかな日常』
○特別賞:大谷直子『希望の国』、および長年の功績に対して
○特別賞:銀座シネパトス(長年の功績に対して1988年7月~2013年3月)
■第22回ベストテン
1:SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者
2:アウトレイジ ビヨンド
3:愛と誠
4:おだやかな日常
5:ライク・サムワン・イン・ラブ
6:ヒミズ
7:黄金を抱いて翔べ
8:11・25 自決の日 三島由紀夫と若者たち
9:この空の花 長岡花火物語
10:おおかみこどもの雨と雪