『海賊戦隊ゴーカイジャー』でゴーカイレッドを演じ人気の若手俳優・小澤亮太(25)と女優・入山法子(25)が2日、東京・多摩センター デジタルハリウッド大学で2013年冬公開の映画『共に歩く』(監督:宮本正樹/宣伝・配給:ユナイテッドエンタテインメント)撮影現場会見を開き、宮本監督とともに登場した。
困難を乗り越える男女3組が描かれる作品。小学校の教員をしている哲也(小澤)は、親から愛してもらえず精神的に不安定で束縛してくる恋人の明美をどう支えたらいいか分からずに悩んでいた。また、明美の母親はアルツハイマー型認知症を発症して、夫への信頼に疑念を持ち始める。さらには、哲也の小学校に通うタケルは、不安になると体を叩くなど、自分で作ったおまじないで友達や母親から怖がられていた…。
宮本監督から本作のテーマについて、「共依存、子供の強迫観念、若年性アルツハイマーの3つの困難を克服していく登場人物たちが分かり合っていきます」と説明。これは宮本監督自身が現在進行形で味わっている体験から出ているものだそうで、「自分が今も苦しんでいるのですが、気づかずに同じく苦しんでいる人が世界にいたら、映画を観て救われてほしかったりヒントになってほしいと思って作っています」と、作品に込めた思いを明かした。
そんな宮本監督の思いを受け、小澤は演じてみて「依存しあう神経症的な感じで、目立たないけど離れられないという症状になっています。作品の中では散々なことをされても離れられないのをどう出していくかというところを意識しました」という。
劇中では入山演じる明美が物を投げたり、小澤が「こんなに叩かれたのは初めてです」というほどのシーンがある。それでも女性として共感するところがあるという入山は、「彼女はとても人間らしい人間というか、女性らしい女性だなと。人として押さえられない表情だったり感情だったりを純真すぎるがゆえに彼(哲也)に対して大爆発させてしまって、逆に人間味があると思いました。感性とか衝動か消化できてないモヤモヤを全部、哲也に向けています」と話した。
お互いの印象については、小澤が「いいですよね年上。包容力がある!僕がつまらないこと言ってもうまく流してくれたりとか…」とニヤニヤすると、入山は「そんな流してないよ!」と、可愛い返しを見せつつ、「真面目で素直で、てっちゃん(哲也)そのものという感じですね」と、評価していた。
宮本監督に2人の印象を聞くと「小澤さんは表情の芝居が良くて、日本映画を背負っていく感じです」と、ハッパもかけつつ、入山には「共依存を体験した時のそのままで、役に対する集中力を感じています」と、評価していた。
初めての先生を演じてみて、小澤は「昔とは違いますからね。子どもと同じ目線が大事というのは気づかされましたね。学校のお世話になった先生を思い出しながらやりました。昔の先生は強かったから、それをほんわかした感じで」と、感慨深げ。
さらに、自分の困難を乗り越えた体験をキャスト2人に尋ねると、2人で「人生が困難ですよね」と、しみじみ話し報道陣からも笑いが。小さい困難を小澤は、「最近ストリートバスケを外国人の人とやったんです。スポーツだからやっている内に、言葉を越えられましたね。ただ、英語はもう少し習った方がよかったなって」と、苦笑いを浮かべていた。
一方の入山は、毎回の作品の撮影といい、「新しい挑戦をさせていただいてるという感じです。毎回自分に制限をつけないで、作品を撮り終えるという修行ですね。でも、それは幸せな困難だなと思っています」と、生真面目に語ってくれ、その姿に小澤は「吸収できたかなと思っています」と、影響を受けていたようだった。
最後に、入山が「人である以上必ず誰もが抱く感情かなと言うふうに思っているんです。病気の名前を付けられてしまうのか、2人の間で成立するものなのか、このままでもいいなという人もいるかもしれないし、こういう衝動もあるのかと共感できる、優しくなれる映画になると思います」と、アピールし、宮本監督も「基本ベースは重苦しさが出ていますけど、カメラマンの方が絵づくりまで気を使ってくれていますので、重すぎず、美しいものになるのではないかと手応えを感じています」と、出来について語っていた。
映画『共に歩く』は2013年冬公開予定!