松本人志監督(49)の最新作『R100』(配給:ワーナー・ブラザーズ映画)製作発表会見が13日、都内で行われ、松本監督、俳優・大森南朋(41)、女優・大地真央(57)、寺島しのぶ(40)、冨永愛(30)、片桐はいり(50)、俳優・渡部篤郎(45)、前田吟(69)、松尾スズキ(50)、お笑いタレント・渡辺直美(25)が出席した。
『大日本人』(07年)、『しんぼる』(09年)、『さや侍』(11年)に続き、松本人志の監督4作品目『R100』が、今年1月にクランクインし、4月にクランクアップとなり、10月にいよいよ公開される。謎のクラブに入会してしまった男の日常生活に個性的な女たちが次々に現れるというストーリー。男の契約は1年間で、絶対に途中にやめることはできないということ、ジャンルはファンタジーエンターテイメントと定義されていること以外は謎に包まれており、いまだ全貌が明かされていない。
フリーアナウンサー・木佐彩子(41)の進行で、松本監督と9人のキャストが全員黒の衣装で登場。松本監督はキャストを見渡し、「飲み会ではまず集まらないメンバーかな」とぶっちゃけ、笑いを取る。
謎のクラブに入会したことで、事件に巻き込まれていく主人公・片山貴文役の大森は、「松本監督のバラエティー番組を観て育ち、DVDもいっぱい持っています」とファンだったことを明かし、「そんな僕が松本監督の映画に主演で呼んでいただけるなんて、非常に光栄です。撮影はなかなかキツいところもあったんですが、本当に光栄な気持ちでここに立たせていただいています」と、感慨深く語った。
同作の内容について、「まだあまり言えない」としていた松本監督だったが、「撮影現場では、約半分ぐらい裸に近かったですけど」と、大森の役どころについてコメント。大森も「まだ出来上がったものを観ていないけど、楽しみ。映画の常識的なものを軽く飛び越えているような気がする」とアピールした。
登壇した女性は全員“謎のクラブの個性的な女”役として出演。大地も「私たち夫婦も松本さんの大ファンで、ウチの主人が一番喜んでいる」と、松本監督のファンを公言し、「最初にお話をいただいて、どういう風になるのか想像がつかなかったけど、私としては初めてこんな格好? こんな行動? こんな言動? そんな感じが山盛りだった。いま思い出しても不思議な気持ちが蘇ってくる」と、いろいろと初体験だったよう。
同作が産後復帰一作目となった寺島は、「ウチの旦那の(出身の)フランスでも、松本さんの作品は凄い人気。旦那に『どうしよう? こんな役だけど』と言ったら、『なんでも出なさい!』って言われてました」と、夫に後押しされたという。
だが、演出面で「私の代わりに監督がやってくださったのが、凄い面白くて。心が折れた感じでした」という出来事があったらしく、松本監督が「じゃあ折れたままやってたんですか?」と突っ込むと、寺島は「そうですね。監督を間近で見れたからそこで満足しちゃって。本当に幸せな時間だったので、今度は監督に面白いなと思われる現場にもう一回呼んでいただけたら、リベンジしたい」と、女優魂に火がついていた。
片桐は「女かすらどうかわからないというか、『何ですかこの役は?』って監督に聞いたら、『何なんでしょうね~』と言われたから、そのままやった感じです」という役どころのようだが、「監督が東京に初めておいでになったとき、CMで一緒になりました」と、『ダウンタウン』が東京進出した頃にCMで共演していたことを告白。
映画出演は約10年ぶりという冨永は、「女優としてやっていきたいなと思っていたときの第一作目だったので、本当に嬉しい。一緒に撮影していくときに松本さんが持っている世界観と私の世界観がパズルのように組み合わさっていくのが凄く面白かった」と笑顔。さらに「監督にクスクス笑われるのが凄い嬉しいんですよ。『なんでも器用にこなすね~』、『俺の目に狂いはなかった』と言われて嬉しかった」と打ち明けると、松本監督も「心・技・体が素晴らしい」と、冨永を絶賛した。
渡辺は「お話をいただいたときは、松本さん私のことを凄い見てくれているんだな~と照れてしまった」とデレデレしていたが、松本監督からは「吉本枠ですね」と、冷たい一言。撮影初日に「いろいろ思うことあると思うけどよろしくね」と言われたことを「どういう意味ですか?」と聞いた渡辺だったが、松本監督から「枕営業的なことですかね」と返され、報道陣も爆笑!
片山の義理の父親・杉浦役の前田は、「吉本では、監督の後輩にあたる世界のナベアツさんの『さらば愛しの大統領』と板尾創路さんの『月光ノ仮面』に使っていただいて、監督からお話が来て『いよいよ大御所から来たか』と感動いたしました」と松本監督を立て、撮影現場では、「以前、香港のジャッキー・チェンのスタッフと一緒に仕事したことあるけど、そのときの感動が蘇ったというか、とにかく早くて楽しい。松本組というのはこんなに映画の好きな人が集まっているんだと思って、感心しました」と、エンジョイしたようだ。
謎のクラブの支配人役の松尾は、「僕も笑いの劇団をやっているんですけど、超メジャーな松本さんから見ると、歯牙にもかかっていないというか、嫌悪感すら感じているんじゃないかと思っていた」と謙遜しきりだったが、「想像以上に細かい演出をする方。長ゼリフがあって、最初は『自由にしゃべっていい』ということだったんですけど、現場でスタッフから『一言、一句変えてくれるな』とお達しがあって、話が違うじゃないかと思いました」と、本音をチラリ。
片山を助けるために動く、ある組織の男・岸谷役の渡部が、「監督の作品は好きで、芸術映画みたいな感じがしたけど、よくわからない。(撮影が)終わってから大森とよく飲みに行ってたけど、一切映画の話はしなかった」とこぼすと、キャストも大爆笑。現場での松本監督については、「とても優しい方でした。スタッフにを気を使っていて、素晴らしいなと思いました」と褒めたが、松本監督からは「渡部さんが現場に来るとピリッとする。大森さんを助ける役なんですけど、渡部さんが来ると大森さんがテンパっていた」と暴露されていた。
松本監督はキャストにも名を連ねているが、同作のタイトルのRがR指定にちなんでいることを明かし、「規制に捉われない、R15とかR18とかすっ飛ばしたような世界の映画を作りたいと思った。『さや侍』の取材のときにも言ったんですけど、『いっそのことR80とかR100ぐらいの映画作っちゃおうか』というところから始まった」と説明。そして、「みんな頭すっ飛ばして観てくださいというメチャクチャな映画ですね。いろんな世界観に捉われずに観ていただけたら」と呼びかけた。
09年末の『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ系)の特番『絶対に笑ってはいけないホテルマン』にゲスト出演している大地は、「松本監督に引っ張られたというか、やってしまった。やらされたというのではないけど、やっちゃった!という感じ」と、自身が演じた謎のクラブの女について意味深発言。これに松本監督が「途中から大地さんノリノリでしたからね。もともとポテンシャルの高い方だと思う」と補足すると、大地も「監督の引っ張り具合だと思うんですけど、爽快感が(あった)」と、まんざらでもなさそうだった。
同じく謎のクラブの女を演じている寺島が「露出度が高くて、衣装合わせが恥ずかしかった」と赤面すると、報道陣が「皆さんどのぐらいの露出度だったんですか?」と質問。これに冨永が「70%」、寺島が「60%」と答え、大地からも「私の人生で一番(出ている)。ちょっとびっくり」と、大胆発言が飛び出す。渡辺は「私はほぼ出ちゃってる感じですね」と答え、報道陣を笑わせた。
なお、ハリウッドでリメイクされる『大日本人』の進行具合について、松本監督は「脚本に入ったというのはチラッと聞いたんですけど、詳しいことはわからないです」とコメントした。
また、会見には出席できなかったが、同作に出演する佐藤江梨子(30)とYOU(48)のコメントも発表された。
佐藤江梨子
「今回の現場では、私がこのお仕事を始めて、初めて体験した事がありました。それは現場に入ってから、演じる役が3回変わったという事です。あまりそういう事ってないと思うので、人生の中でビックリした経験の一つになりました。私が廊下歩いているのを見たら、『やっぱこっちの方がいい』ってなったらしく、松本さん、意外とそうゆう直感的な事があるらしいので、面白い経験だったなと思いました。現場での松本監督は、すごくまめに動いてくださり、演出もたくさんしてくれてビックリしました。どんな映画になるのか、全然想像がつきません。楽しみです!」
YOU
「私は以前よりバラエティで松本さんとはご一緒にお仕事しているのですが、今回初めて松本監督の作品に参加できて『やったー!』と思いました。現場での松本さんは、意外と大人っぽかったです。私の印象では松本さんは普段あまり仕切る感じじゃないので、ちゃんと人に接して監督されていてビックリしました。もっと子供っぽいイメージです(笑)。現場でも迷ったりするのかな?と思ってましたが、迷わずにガンガン進めるので、『意外!』と思いました。本編の完成が楽しみです!」