歌舞伎俳優・市川染五郎(40)、片岡愛之助(41)、中村勘九郎(31)、中村七之助(29)が3日、東京・明治座で『明治座 五月花形歌舞伎』初日舞台を踏んだ。
一昨年から同所で復活した歌舞伎公演。今年も次世代を担う豪華な役者陣が大役に挑んでいく。昼の部では勘九郎と七之助兄弟による『源平布引滝実盛物語』、染五郎と七之助による男女の恋を描く『与話情浮名横櫛』、夜の部では幕末を舞台に染五郎、愛之助、勘九郎による重厚なドラマ『将軍江戸を去る』、七之助が藤の花の精を演じる『藤娘』、愛之助が本物の水を使い立ち回りを繰り広げる『鯉つかみ』というバラエティに富んだラインアップとなっている。
開演前の午前9時45分からは、明治座前で開演にあたり4人があいさつに立つことに。天候に恵まれ見事な五月晴れで、集まった300人のファンから声も飛ぶ中、染五郎は「清々しい気持ちで初日を迎えることができました。銀座歌舞伎座の2月目のこけら落とし公演に負けないよう熱い熱い舞台にして参りたいと思っております」と、公演にかける情熱を。
愛之助も染五郎の情熱に上乗せし、「この演目を観たら『歌舞伎を見た!』と言ってもいいくらいのものになってます」と、自信を見せ、勘九郎は「昼夜2回といわず3回、4回と観に来てほしい」と、力を込める。そして七之助は「歌舞伎座より料金が良心的ですので」と、話し笑いを誘っていた。その後、花束贈呈や地元小学校の子供らへ柏餅のプレゼントなどをして触れ合った。
昼の部の『源平布引滝実盛物語』は父である勘三郎さんから習ったという勘九郎は、以前に開かれた製作会見で「以前、『実盛』をやらせていただいた時は父に習ったんです。すごく思い入れの深い作品です」と語っていただけあり、見事に、開演を告げる演目になった。
夜の部の『鯉つかみ』は圧巻。愛之助による3階席まで上がる宙乗りがあったり、舞台上に張られた水の上で鯉と愛之助が水しぶきを上げながら格闘するシーンなど、みどころ満載だ。
『明治座 五月花形歌舞伎』は5月3日から27日まで明治座で上演される。