4月20日より、いよいよ2013年版の丸美屋食品ミュージカル『アニー』が開演するが、直前の19日、東京・青山劇場で公開ゲネプロが行われ、アニー役を演じる吉岡花絵ちゃん(11、※吉岡の「吉」は上が「土」が正しい表記です)と石川鈴菜ちゃん(11)に加え、大人キャストの俳優・川久保拓司(31)、杉本有美(24)、佐藤仁美(33)が、初日を目前に控え、意気込みを語った。
2012年11月19日に、3日間に渡る最終オーディションの結果、約9000人の中から主役のアニー役の2人を含む28人の子供キャストが決定し、「2013年度版アニー」はスタートを切り、5ヶ月間のレッスンを経て、いよいよスタートする。
主役のアニー役の2人。これからゲネプロが待っている吉岡さんは、「今まで頑張って練習してきたので、ぜひ成功させたいです」と、緊張した表情で語り、ゲネプロを終えた石川さんは、「緊張しているんですけど、トゥモロー組の関西パワーでみんなを元気にしたいと思います」と、いくぶんホッとした表情で語った。
ミス・ハニガンの弟・ルースター役の川久保は、「僕、アニーを騙す役なんですけど、たぶん、まだ気づいていないと思うんですね。最後までだましきれるんじゃないかという気持ちを、最後まで諦めずに強い気持ちで臨みたい」と、ジョークで和ませる。
ミス・ハニガンを演じる佐藤は、「初めてのミュージカルなので、どこまで自分の限界があるか知れるいい機会だと思っているので、とっても楽しんでやりたいと思います」と、まじめに語る。
ミス・ハニガンの弟・ルースターの恋人・リリー役の杉本は、「私も今回ミュージカルが初めてなので、歌もダンスもお芝居もというのが初めてだったんですけど、今日、ゲネで初めて舞台に立って、楽しんでできたので、本番も楽しんで、皆さんと千秋楽まで頑張りたい」と、意気込みを語った。
実は、合格した2人は、オーディションの時に、「風邪をひいていた」という。吉岡さんは、「オーディションの時はなぜかうまくいって。良かったです」と言い、石川さんは、「設定を決められているときに、さらけ出しちゃうように気持よく歌えたので、のどの調子はあまり関係なかった」と、強心臓で、本番に強い片鱗を見せていた。
ミュージカルのレッスン中で苦労したところとして、吉岡さんは、「毎日、歌を歌うので、声の調子とか上手に歌えるように頑張りました。歌も演技もダンスも全部あわさっていて、それを全部、クリアしなきゃいけない。それがとっても大変でした」と、語った
石川さんは、「のどのケアとかも加湿器つけて、ダンスのレッスンも夜遅くまで大人の人とやったり。映像もやっているんですけど、ドラマだと同じところ何回もやってカットしてくれるので、一回一回気持ちを込めればいいんですけど、ミュージカルは、歌も演技もダンスもずっと続いているので、ずっと頑張ってなきゃいけない。集中力ですね」と、大人顔負けの答え。
大人キャストたちは、2人の主役の頑張り具合は、どう映っていたのか。川久保は、「パワフルですね。終わったあとも歌、ダンスの練習をしていました。2人を見てて、僕も頑張らなきゃいけないと、引っ張られたところありました。本番の幕が開くまで、自分の中でも、感情やアイデアを探して本番を迎えたい」と、刺激を受けていたという。
佐藤も、「元気なパワーをいただいていて、歌も踊りも私たちよりも素晴らしい。私は、おぼつかないままなので、勉強になります。(ミュージカルが)初めてだったので、ダンス、歌、お芝居、3回ダメ出しくらうので、心の持ちようがなくて、だいたい凹んでました」と、振り返った。
しかし、「いままでのハニガンの中では年齢が若いとうかがったんですけど。とても楽しんで演じてます。お尻を叩くのがすごく楽しくて。子どもたちも普段から叩いてとお尻を出してくる」と、和気あいあいとした雰囲気だったそうだ。
また、佐藤は、大ヒットドラマ『家政婦のミタ』(日本テレビ系、2011年)で、意地悪な隣人役をやり、今回もそのイメージを彷彿させるような、アニーらがいる孤児院の院長で憎まれ役だが、「子供いじめる役 役者にとっては喜ばしいこと。“ヒールで活躍中の”といわれたりしますが、(イメージが付くことを)マイナスに考えたことはない。(先ほどのゲネで登場したときも)子供の声で『怖い』と聞こえたので、つかみはOKかな」と、笑わせた。
そして、「歌があるからお酒をセーブしようと思い、全然飲んでない。飲むと2日間(声が)戻らないので、休演日も飲めない」と、プロ根性も明かした。
杉本は、「一緒に稽古していて、スマイル組とトゥモロー組では、子供たちの全然お芝居の仕方が違うので、私たちも(演技が)変わるので楽しかった。役柄をつかむまでは大変でしたけど、楽しんでやるのが目標だったので、楽しんで出来ました」と、明かした。
さらに、「歌う曲が、けっこうキーが高くて、初めは声が出なかったんですけど、毎日発生、歌の稽古して出るようになって、今は安定しているので、歌うのが楽しいです」と、ミュージカル初挑戦の苦労を。
最後に、吉岡さんは、「私にとっての初めての大舞台なので、とっても緊張していますが、今まで練習してきた成果を発揮できるようにがんばります」と語り、石川さんは、「私も、東京公演が終わって、地方公演まで、元気に笑顔でアニーになりきって演じます」と、誓った。
他に、大富豪オリバー・ウォーバックス役が8年連続で目黒祐樹(65)、同秘書・グレース役の元宝塚月組トップスターが女優・彩輝なお(42)が演じる。
同作品は、10年前に孤児院の前に置き去りにされた11歳の女の子・アニーが、大富豪ウォーバックスの秘書グレースに気に入られ、クリスマスの2週間をウォーバックスの元で過ごす。アニーを養子にしたいと願うウォーバックスは、アニーのいつか両親と暮らしたいという夢を知り、懸賞金をかけてアニーの両親を捜す。ところがそれを知った孤児院の院長、ミス・ハニガンと弟のルースター、その恋人のリリーが悪だくみを始める……
【東京公演】
4月20日~5月6日 青山劇場
【地方公演】
大阪公演:8月8日~8月14日 シアター・ドラマシティ
鳥取公演:8月18日 とりぎん文化会館 梨花ホール
名古屋公演:8月23日~25日 愛知県芸術劇場大ホール