プロデューサーのつんく♂(44)とアイドルグループ『モーニング娘。』のメンバー11人が16日、東京・八王子市『オリンパスホール八王子』で「モーニング娘。コンサートツアー2013春 ミチシゲ☆イレブンSOUL~田中れいな卒業記念スペシャル~」をスタートさせ、1回目の公演終演後に、あらためて、“れいな”田中れいな(23)の卒業と12期生募集オーディションについて、語った。
れいなの卒業コンサートがスタートしたが、つんく♂は、「初日ってけっこう、こうしたらよかった、ああしたらよかったとおもうことあるんですけど、今回の初日は、まとまっていて、気持ちいいスタートを切れたと思っています」と、プロデューサーから観ても合格点の滑り出しだったと満足した表情。
続けて、「田中の卒業でもあり、『LoVendoЯ(ラベンダー)』という新しいバンドが始まるという意味で、卒業なんだけどスタートと、2つの可能性を持ったツアー。れいなとしても、今までのメンバーと違った卒業式を迎えようとしている心境なんじゃないでしょうかね」と、これまでの「卒業」とは意味合いが違うという。
その注目されるバンドについて、「最初はどうやろ?と思ったんですけど、今日も最初に登場しまして、未来が想像できるようないい意味での期待感がありました。後は、れいながほんとうのバンドの意味というか、ロックの意味をどう理解していくんだろうと。2面を持って楽しみにしています」と、ロックバンドの先輩と育ての親の両方の立場が混ざったようなエールを送った。
10年間在籍したれいなについて、「どんな衣装着ててもヤンキー感が抜けない。道重と同じ衣装なのに、『何でそんなに違うの?』と、スタイリストも『同じものなんですけどねぇ~』と。私服もそうなんですけど、それ本当にマルキューで買ったの?どっかのヤンキー屋さんで買った?ということがよく起こるので不思議なんですけど、この子の持つ個性なんでね。10年前となんらかわらない。いいも悪いもキャラクターなんでね。キャラクターがすでにあるので、心配せずに、それを伸ばして極めていってもらいたい。将来は“女・永ちゃん”!白いクラウンのリアウインドウのところには、『Reina Tanaka』というステッカーが貼られてほしいね」と、カリスマ的なロッカーになってほしいと期待感をこめた。
つんく♂の言葉を受けて、れいなは、「いつもの初日よりリラックス出来た。頭のなかもいろいろ整理できてて、『LoVendoЯ(ラベンダー)』の登場が初だったんですけど、3月2日にお披露目は1回してて、ドキドキを味わっているので、(今回は)ドキドキというよりも、LoVendoЯのお披露目に来られなかった方もたくさんいるので、知ってもらう機会だと思って、今できることを全てやって、切り替えて、モーニング娘。としてやりました」と、ライブツアーに望む自身の思いを語る。
そして、「『ロックの定義』というソロ曲を歌ったんですけど、その曲を歌っているとすごくつんく♂さんの愛を感じるんです。れいなのことをよく知らないと、あの歌詞は書けないだろうなと、ひとりで歌詞カードみながら思って。モーニング娘。やけど、LoVendoЯというバンドでやっていくというれいなに与えられた曲で、タイトルも『ロックの定義』と、LoVendoЯにつながりがある。そこも嬉しかったです」と、つんく♂の愛あるメッセージに感じ入った。
10年間を振り返って、「ありすぎて、ひとつに絞れと言われても全然わかんないんですけど。やっとここまできたなぁ。歌は元から好きだったんですけど、今回のライブをやってて、一番自分は歌だなと思える瞬間があるなと。今が一番です」と、自身に満ちた表情で語った。
同期で8代目リーダー“さゆみん”道重さゆみ(23)は、「れいなとは10年間一緒にいるんですけど、10年間で、やっと今が一番仲良くなれたんですよ。いままでそんな仲良しじゃなかったよね。ケンカはしないんですけど、気の合う方でもなかった。10年経って、やっとこんなに仲良くなれたのに、仲良くなれた途端に、れいなの卒業となる。寂しくないわけではないんですけど、LoVendoЯとしてやっていくれいなが凄いカッコイイので、応援したいなと思うし、残された私たちも頑張ろうという気持ちです」と、同期として、リーダーとしてエールを送った。
れいなが卒業することで不安はあるかと問われると、「れいなの存在はモーニング娘。の中で大きい。特に、歌の方なんですけど、れいな本当に歌がうまいんですよ。れいなが卒業して、れいなの歌の部分を引き継ぐのは、私はちょっと歌が苦手なので出来ないんですけど、そのへんはできますかねぇ?」と、隣りのつんく♂にお伺いを立てる。
つんく♂は、「いや~ちょっと厳しいかな」と、ズバリいい苦笑い。道重も、「後輩と12期に期待なんですけど。みらいの田中れいなを探して」と、れいなの抜ける穴の大きさを語った。
12期メンバーオーディションについて、つんく♂は、「さくらは後輩が入ってくることで、肩の荷も降りる。新人新人と言われるルーキー期間が過ぎて」と、さらなる飛躍を期待しつつ、「たくさんの人数を取ろうと思っていないんですけど。道重が言うように、歌上手いと言われている連中よりも、さらに“歌ウマ”とか、ダンスがすごいやつが入ってくる。そうじゃなかったら、キャラクターが強い奴に入ってきてもらいたい。ハデなメンバーが希望ですね」と、新しい風による、化学反応を期待した。
といいつつ、「20人以内に抑えたい。現メンバーを超えてほしい。個性が弱かったら人数で生きます。AKBのインパクトも薄れるかな。ももクロは人数的に大丈夫かな。人数で騒がしていく。知らぬ間に、LoVendoЯも吸収しているかもしれない。そういう感じで攻めていこうかなと思います」と、大量増員も匂わせると、メンバーからは何ともいえない声が漏れた。
さゆみんは、「私のモチベーションが掻き立てられるぐらい可愛い子に入ってきてほしい」と、自身の“確変”も期待しているようだった。
つんく♂は、「メンバー的には、『れいなさんが卒業して、次は道重さんが卒業しはるんかなぁ』と勝手に思っているかもしれないですけど、そうとは限らないですからね。順番とは限らない。最近、そういう緊張感無いんですよ。『まだ上がおるから、私たち大丈夫』みたいな。そのへんは関係なく、こいつサボってるなと思ったら、トントン『お疲れさん』というかもしれないですからね。その辺の緊張感を持っていただきたい。サボっている奴はいっぱいいるかもしれません。急にドキドキしてきたと思うけど、冗談じゃなく」と、残っているメンバーにソフトな語り口ながら厳しい言葉で喝を入れると、メンバーたちは、みな(さぼってないとばかりに)首を横にブンブンと振り、真剣な表情になった。
最後に、つんく♂は、「日本も未来に向けて、アベノミクス的に盛り上がってきてますので、モーニング娘。的にも“モーニングミクス”的に頑張って行きたい」と、『LOVEマシーン』の一節を思わせるような、モーニング娘。的元気で、日本の未来も明るくする意気込みを語った。