
読書好きで知られるお笑いコンビ『ピース』又吉直樹(32)が13日、都内で行われた電子書籍ストアを運営するBookLive専用端末「BookLive!Reader Lideo(リディオ)」の新色発売記念トークイベント「ホワイトデー直前!スペシャルトークショー」に、日本文学研究者のロバート・キャンベル氏と登場した。
Lideo端末を購入した人の中から抽選で選ばれた約40名の招待者を前に、おすすめの本や電子書籍の魅力についてのほか、ホワイトデー前夜とあって、女性に贈る本や、恋愛小説についても話がおよび笑わせた。
キャンベル氏は、「僕は職業柄、本に囲まれて暮らしているけど、時々、2ページくらいめくると眠くなってしまうのに、電子書籍のデバイスを使っていると眠くならない」と、研究者だけに“読書の虫”かとおもいきや、意外性で笑わせると、「24時間どこでも思いついたら本を買って、読むことができる。満員電車でも折り曲げたりすることなく場所も取らないし、片手で簡単に操作できる」と、利便性を強調。
又吉も、「僕も移動中とか、これ一個で何冊も読める。およそ3000冊と、家の本棚を丸ごと持って行けるというのがいいじゃないですか。大体、いつも4、5冊かばんに本を入れているんです」と、マジメに語ると、「カッコイイ。異性を意識している人は、早めに買ったほうがいい」と、笑わせた。
ホワイトデーに贈る本として、キャンベルは、「ホワイトデーには、エッセイとか紀行文、絵本がいい」として、イザベラ・バードの『日本奥地紀行』を挙げた。一方、「自己啓発本とか『元気を出して』といっているような本は、相手に考えさせてしまうので、逆効果」と、アドバイス。

又吉は、「オススメの本を人に伝えるのは悩みますが、信用、信頼関係を早い段階で結べる本がいいんじゃないかと思う」とし、せきしろの『逡巡』を挙げる。その理由として、「せきしろさんって、言葉のセンスがずば抜けている。短い言葉でおもしろい文章がかける。思い悩んでいたり、迷っている人が多いんですけど、僕自身の自己紹介にもなるんじゃないかって。この本をプレゼントして面白いって言葉が返ってきたら、僕のダメな部分も許してもらえるんじゃないかって」と、笑いを交えて語る。
感銘をうけた恋愛小説について、キャンベル氏は、市川卓司の『いま、会いにゆきます』を挙げ、又吉は、庄司薫の『赤頭巾ちゃん気をつけて』を挙げた。又吉は、「私小説風なんですけど、1960年代の学生の話。前半は、ジョークを交えながら、笑いながら気持ちよく読んでいけるが、後半に自分が心の中に抱えている青春時代ならではの影の自分と向き合い方を考える場面がある。普通は、それを見なかったことにしたり、本当にどん底まで向き合ったりすると思うけど、この主人公は、『大きな海になろう、恋人を自由に泳がせるような、そんな男になろう』と前向き。僕は海みたいな女性に助けてほしいとしか思ったことがないので、海になろうと思える、自分にないところがいいなって」と、笑わせた。
特にオススメの一冊として、キャンベル氏は、朝吹真理子の『きことわ』を挙げ、又吉 は、綿矢りさの『ひらいて』を挙げた。
イベント中にホワイトデーに話が及ぶと、「自分から女性にプレゼントを渡さないほうが波風立たない場合もある。もし自分から渡して、相手の頭に疑問符が浮かぶ場合は“おみやげ”にします」と思いを巡らせる又吉。
最後はこの日の来場客へ向けて、「男性はおびえずに、好きな方やお世話になってる方へあげてください。女性は引かずに、あげてない人からもらっても笑顔でいてください」と、又吉らしいエールを送った。
また、長男が誕生したお笑いコンビ『タカアンドトシ』タカ(36)に、「おめでとうございます。父親になっても変わらず、ぼくたち後輩のこともかわいがってください」と祝福のメッセージを送った。
同端末の新色・シャンパンホワイトは、絶賛発売中。






