世界中から絶賛されるストーリー仕立てのスーパーベリーダンス集団『ジリーナプレゼンツBELLYDANCE EVOLUTION(ベリーダンス・エボリューション)』の「The Dark Side of the Crown」日本公演が、3月15日から3日間にわたって東京と名古屋で行われる。そのショーに出演するSAKURA、MEG MAYYA、AYAの3名が、本公演の前に、東京・新宿の某所に集まって一夜限りのショーを行った。
2011年初来日公演での大成功を受け、待望の2度目の来日公演となる『ベリーダンス・エボリューション』。豪華でカラフルな衣装、中東を思わせる雰囲気。COOLなダンス、ハラハラするミステリー。このショーを見れば、ベリーダンスの概念が一変する。
今回の日本公演に合わせて行われた公開コンテストを勝ち抜いて、本公演に出演することが決定。3人は前回の日本ツアーメンバーにも選ばれており、SAKURAは、ワシントンDC、ニューヨーク、メキシコ公演に、AYAは香港、台湾公演にそれぞれ参加。3人は、世界が認めた日本人ベリーダンサーだ。
バーで行われたショーには、50人~60人のベリーダンスファンが集まり、立ち見どころか、予定していた踊るスペースにも座らないと入り切らないほど、立錐の余地もない。
ベリーダンスといえば、肌の露出が多いセクシーな衣装を身にまとい、腰を細かく震わせ、男性を誘惑しているような扇情的なダンスというイメージがあるが、それが一変した。
考えれば至極もっともなのだが、一曲の踊りの間中、腰を降っているわけではないのだが、あんなに静と動のメリハリが付いた踊りだとは思わなかった。静の部分は、フラダンスのようにゆったりと踊ったり、バリの舞踊のように、スローながらも手や足先の動きを重要視し、キレイに見せるように踊っていく。
そして、突然、激しい曲調に変わり、腰を震わせたり、胸やお尻を扇情的にくねらせる。身体の柔軟性を使って、イナバウアーのように身体を反らし、そのままブリッジして、床に倒れこんでから起き上がる。クルクル円を描くように回っていく。時には、長い髪の毛を後ろでひとつかみして、クルッと回したり、大きく振り回すなど、女性の身体的特徴をフル活用してダイナミックに踊っていく。
トルコやエジプトといった、オリエントが発祥の地とも言われているだけに、交易で様々な国の文化の交流地点だったように、さまざまな民族舞踊が入っているように思える。
また、小道具もふんだんで、ろうそくがついた被り物を頭にかぶったまま踊る。センスの先がベールのように長くなっていているものを振り回しながら踊っていく。
音楽もエジプト的というか、オリエンタル系の音楽ばかりでなく、フォルクローレのような音楽も流れる。興が乗ってくると、手拍子が沸き起こると同時に、どこからか、「ヒルルルルーー」という、声のような笛のような歓声も響いてくる。
熱気に包まれたあっという間の時間だった。これが大きなステージで豪華絢爛に繰り広げられたならば、どんなにか迫力があるだろうと思わせるものだった。
終了後に、ダンサーの1人であるSAKURAさんに話を聞いた。
SAKURAさんは、幼少よりクラシックバレエを始め、高校卒業後ニューヨークへダンス留学し、モダン、ジャズダンスを学ぶ。帰国後ベリーダンスに出会い、現在はAALANJUダンサー・インストラクターとして活躍中。
ベリーダンスを初めて5年というSAKURAさん、ベリーダンスの魅力について、「女性も男性も踊る踊りなんですけど、女性の美しさを現すのに一番の踊りだと思います。手の動きがなめらかで、腰を使って胸を使って、お尻、お腹を使って踊ります。女性なら全員に踊っていただきたい踊りだと思います。また、他の踊りでは見ないんですけど、髪の毛をアイテムのように使います。回したり、振り回したり。ダンサーはみんな髪の毛が長いんですよ。手を上げるのと同じように、髪の毛を使います」
ベリーダンスの起源はハッキリとわかってないが、エジプトかトルコと言われているそうで、王様に踊る踊り、結婚式の時や出産の時などお祝いの時の踊りだとのこと。楽器はタブラとか、ダラブッカ、フィンガーシンバル、タンバリン、シンバル、アコーディオン、ギター、バイオリンを使う時もあるそうだ。
静と動のメリハリがすごかったと感想を述べると、「そうですね。私はどうしても動きすぎるので、もっとジッとしていて。メリハリ付けないといけないんですけど」と、苦笑いしつつ、「自由なんですよね。音楽が聞こえるままに踊っている自由な踊り。クラシックバレエみたいに、細かく手の位置がどう、と決まっていない。音楽を聞いて、感じたまま好きな様に動かして表現できる」のが魅力だという。
SAKURAさんの場合は、まず、ベリーダンスを先生に習って、エジプトにも修行に行ったそうで、「身体の使い方を覚えるのが最初ですね。揺らすのはシミーという。ショルダーシミー、ヒップシミーといって、身体の使い方で基礎です。(習得するまで)早い方は半年~1年。アラブの音楽を聞くのも初めての生徒さんがいるので、1年ぐらいやって、ステップアップしていきます。レベルアップすると、音楽での動き方や音楽の表現の仕方を習って、自分で作っていく。音楽と身体が一体化して、自分のテンションが静かなところから始まって盛り上がっていくテンションを一つの作品、流れとしてみていただきたい。一番素朴で、女性が肉体で表現。踊っていると幸せになります」。
【覚えておいたら、より楽しめる】
サガリート・・・ベリーダンスにおける掛け声。「ヒルルルル」と聞こえたが、「レレレレレ」といっているそうで、鼻の下に手をかざすのは、口元を隠すためだという。初めはなかなかうまく行かないので、練習が必要だ。また、手拍子、合いの手として、「ヨッ」、「ヤッ」という掛け声もある。
「『ベリーダンス・エボリューション』では、参加型の部分があって、ヒップホップとベリーダンスのミックスで、お客さんが手拍子するところがある」そうなので、一緒にノッてみては?
「フュージョン」というカテゴリーがあるそうで、「私が先ほど踊ったのも、インドのボリウッドダンスとベリーダンスをミックスしたもので、前回の公演の時に、使用したものです。100%ベリーダンスではなく、ボリウッドとミックスしたもの。古典的なものもあるけど、いろんな音楽とミックスされています。好きじゃないベリーダンサーもいますが、私は個人的には、フュージョンのほうが入りやすいので好きです」
【小道具として】
「ファンベール」・・・扇子の先にベールがついたようなもの。「お着物で踊ったりする方もいらっしゃいます」。扇子とみたてて、日本風の曲で踊ることも。
「シャマダン」・・・アラビア語でロウソクのこと。 頭の上に、ゴージャスな燭台を載せて踊る踊り
「イシスウィング」・・・ジュディオングが『魅せられて』の時に来ていた衣装のような感じ。腕を広げると、両腕の下から羽根が生えたようになる。
「アサヤ」・・・ベリーダンスの踊りの中で使用するステッキ。光るアサヤを使ったりもした。
「スワード」・・・剣の意味。ベリーダンスの踊りに使用する。頭に乗せてバランスをとり、ターンなどもするなど、この踊りも技術が必要ですね。
レボリューションの一番面白いところは、「いろんな国のダンサーが集まっているので、ステージからパワー・エネルギーが一つの作品に力を注いで、溢れ出しています。踊っている私たちは、感じるんですけれども、ごらんになる方も感じると思います。個人としては、3度目の出演です。SAKURAではなく、役になりきっているので、そこを観ていただきたい。オーディションメンバーなので役名はないのですが、自分がどういう役目で、どういう表情で、どういう動きをしていいか100%なりきっています。
ベリーダンス・エボリューションの公演は、他のベリーダンスの公演と違って、(演技は習ったことないですが、)演技の要素が入ってくる。こんなに口を大きく開けるのかというぐらい開けるので、本番の前に身体のストレッチよりも顔の体操を入念にやっていました。海外の方は、普段からできているので上手いですね」
振付が決まっているダンスと決まっていないショーとどっちが楽?と問うと、「ダンスはクラシックバレエから始めたので、振付が決まっている方が楽ですね。それを覚えて合わせる。その中で個性を出すのは難しいんですけど、曲を渡されて、踊っていいよという方が悩みます。自分にはないステップが出てきて、何回も練習してしみついてきて、自分のものになってくる。全く違うタイプの踊りを無理やり体の中に入れて、自分が成長できる。ショーが終わると踊り方が変わります」。
『ベリーダンス・エボリューション』とは、ベリーダンス界のトップダンサーのジリーナが2009年に結成。世界でもトップレベルのベリーダンサーたちを集結し、これまでの様々なダンススタイルを見せるダンスショーではなく、ストーリー形式でのステージを展開。世界各国からラブコールされている。
2011年10月には日本にも初来日して大成功を収め、ついに2013年3月15日から3日間、待望の再来日公演を行う。2012年のアメリカ公演からスタートさせた新作ストーリーである『The Dark Side of the Crown』は、オリエンタル、またはトライバルと言われるさまざまなベリーダンスのスタイルだけでなく、男性のヒップホップダンサーやブレイクダンサーも参加。
架空の国の権力闘争を軸にしたサスペンスストーリーが、現代的なダンスも交えながらベリーダンスと融合して展開していく。照明や美術、演出や音楽にこだわったまったく新しいエンターテインメントステージとなっており、まさに、ベリーダンスの“シルク・ドゥ・ソレイユ”といっても過言ではない。アメリカを皮切りに、ドイツ、イタリア、モロッコ、メキシコで大絶賛され、アジアツアーとして日本のほか中国、台湾、韓国での公演を予定している。
【ストーリー】
舞台は紀元前600年前、シャバンヴァーというエキゾチックな架空の地。この地を治めるのは、誇り高く、国中の人々から愛され、信頼を集めるラヴァーン女王。宮殿では彼女の3人の娘たち、シャナーズ姫、ザーラ姫、キミヤ姫のから次の王位継承者を選ぶセレモニーが催されていた。
ところがパーティーの最中、王位継承者の名前を口にする前にラヴァーン女王は何者かによって殺害されてしまう。女王を殺害した犯人は、そして王位を継承する娘は3人のうち誰なのか。後継者の発表を前に起きた事件は、宮廷全体に暗い影を落とす。
3人の娘たちはお互いを疑うようになり、混乱が宮廷を支配していく。果たして犯人は誰か、そして王位を継ぐ娘は誰なのか……。
『ベリーダンス・エボリューション』公式サイト:http://www.bde-japantour.com/
【東京公演日程】
2013年3月15日(金) 18:30開場 19:00開演
2013年3月16日(土) 13:30開場 14:00開演
会場:ゆうぽうとホール(東京都品川区西五反田8-4-13)
【名古屋公演日程】
2013年3月17日(日) 15:15開場 16:00開演
会場:名古屋市公会堂(名古屋市昭和区鶴舞1-1-3)
チケット料金
S席 10,500円/A席 8,400円/B席 6,300円
※全席指定・税込 ※各公演とも未就学児童入場できません