脚本家で俳優のノゾエ征爾(37)が23日、都内・新宿K’s cinemaで行われた映画『TOKYOてやんでぃ』(監督:神田裕司/配給:アイエス・フィールド)初日舞台挨拶に女優・安達祐実(31)、黒田福美(56)、俳優・中村昌也(26)、伊藤克信(54)、『うわの空・藤志郎一座』の座長・村木藤志郎、神田監督とともに出席した。
大御所・立花亭圓志に入門してから9年5ヶ月が経っても、前座から一向に出世できない立花亭ピカッチを主人公に、寄席における楽屋でのドタバタ劇を描いた作品。
立花亭ピカッチ役のノゾエは、満員の場内を見渡し、「まったく聞いてなかったけど、親の顔が目に飛び込んできて、動揺しております」と挨拶し、観客を和ませる。
演出家としては昨年、第23回はえぎわ公演『○○トアル風景』の脚本が第56回岸田國士戯曲賞を受賞しているノゾエだが、映画は初主演。「作家業と俳優業はまったう違うし、監督にご指名いただいて、畑が違うところで精一杯やらせていただきました」と謙虚な姿勢を見せたが、今後についてMCにあおられると、「殴り込む殴り込まないでいえば、殴り込みましょうか。でも、全然違いますし、昔からやってみたい気持ちはありました」と、強気な発言も飛び出した。
コスプレ好きの女席亭を演じている安達は、黒のミニスカートで登壇し、「年甲斐もなく恥ずかしかったところもありましたけど、楽しんでやらせていただきました。どれが皆さんのお好みかわかりませんが、観て下さい」と、自身のコスプレをアピール。
劇中ではチャイナドレス、ミニスカサンタ、ナースなどのコスプレを披露しており、男性キャストからは「チャイナがよかった」(ノゾエ&中村)、黒田から「ミニスカサンタに見惚れました」と声が上がり、村木は「スク水がなかったのが残念」と、危ないお願いも。さらに村木は「オーバーオールにがま口の格好をお願いしたら、NGでした」と、安達主演のドラマ『家なき子』を連想させるコメントで、報道陣を笑わせた。
落語家役の中村は、「衣装合わせのとき、192センチあるので凄い迷惑かけたけど、あれ(着物)を切れることが嬉しいので、喜び半分、調子乗りも出してやりましたね。ノゾエさんに対して」と、自身の長身もネタにしながら、「僕がいままでやってきた中で、一番好きな役です。ぜひ観てください。素の部分が出ています」と、見どころを語った。
32年前の映画デビュー作『の・ようなもの』以来、再び落語を題材とした作品に参加した伊藤は、「この作品のために32年間温めに温めて、磨きに磨いた役柄です！ 『の・ようなもの』はただひたすら歩くシーンあったけど、今回はただひたすらじっとしている役」とコメント。
同じく脇を固める黒田から「とても素晴らしい監督。撮影は稽古みっちりつんで、旅館借りきってスピーディーに撮りました。監督さんは俳優さんだった経験があるので、わかりやすく、たいへん新鮮な指示で勉強させていただいた」と称賛された神田監督は、「その通りだと思います」と、自画自賛。さらに「今年は『東京家族』さんが大ヒットしていて、東京対東京ということで、山田洋次さんにケンカを売るようなもの。来週あたり僕がいないってなったら、何かあったんだなと思ってください」と、悪ノリしていた。
また、同作に出演し、原作も担当している村木が、「10年ぐらい前に青砥の居酒屋に監督に呼び出されて、『某国営放送のドラマにこの作品をぶっこむから』と言われた。それで僕が『主演はV6のイノッチがいいですね』といったら、10年後この映画になった」と、『V6』井ノ原快彦ドラマ主演計画があったことを暴露！ 主演のノゾエが「イノッチじゃなくて、本当にすいません…」と頭を下げたが、村木は「あれが流れたおかげで、このメンバーと知り合えた」と、逆に感謝していた。
その後の囲みでは、ノゾエは「普通にしていれば、周りが豪華なので、監督さんにもそのままでいいと言われた」と、あまり初主演のプレッシャーを感じなかったとコメント。報道陣に「イノッチに勝てそうなところは？」と聞かれ、「マイケル・ジャクソンが踊れるところですかね」と答えた。
23日より新宿K’s cinema他全国順次ロードショー。
